競争地位別戦略「トヨタ」と「スズキ」
2023.03.31中小企業経営組織づくり
競争地位別戦略とは
競争地位別戦略とはその地位における戦略の方針です。経営戦略はどのように判断すべきか。身分相応という言葉があるように、ビジネスも身の丈に合った戦略が重要です。では、どのようにその身分は分類をされるのか。4つの分類で解説します。
4つの競争地位別戦略
①リーダー ②チャレンジャー ③フォロワー ④ニッチャー
リーダー
業界内で大きなシェアを獲得している企業です。業界によっては1社だけではなく複数存在する可能性もあります。
リーダーの取るべき戦略としては、業界内のシェアを奪い合いません。業界・マーケットの拡大を狙います。業界・マーケットが成長・拡大すれば、市場の大きさ=売上となります。
また、業界全体の価格が下がると、一番打撃を受けます。なので、徹底して低価格の戦略は徹底的に避けます。シェアは有利に働きますが、大きすぎるシェアは独禁法に抵触するリスクもあります。最適な規模の維持も検討が必要です。
車の業界で例えると、さながらトヨタではないでしょうか。トヨタのCMを見てもわかるように、機能面ではなくブランドイメージを最も大切にしています。
「いつかはクラウン」と言われたように、国産最高級車のトヨタというブランドのもとに、下位ラインナップをメインに販売しています。ちなみに関係者に聞いたところ、クラウンなどの高級車ラインは10-13%程度の粗利です。一方、200万円代の廉価者の粗利は15-20%だそうです。
高級車というイメージで廉価版を売り、廉価版で儲けるという戦略ブランドに多く見られます。ジョルジオアルマーニとエンポリオアルマーニ、バーバリーロンドンとブラックレーベルのようなものです。
チャレンジャー
リーダーに挑み、業界内のシェア拡大を狙うのがチャレンジャーです。
チャレンジャーはリーダーとの差別化を図ります。リーダーはリーダーたるもので大きなチャレンジがしにくいという点を狙い、思い切った戦略で差別化を狙います。価格、機能など差別化ポイントはさまざまあります。
車の業界に例えると、日産ではないでしょうか。日産で話題になったのはカルロスゴーン肝いりのGTRですね。GTRの開発には、部署を問わず優秀な人材をスカウトしてチームを作り、今までの開発費の半分で実現したという秘話があります。
このような柔軟なチャレンジも、リーダー企業ではできない試みではないでしょうか。
フォロワー
フォロワーはリーダーに戦いを挑みません。リーダーに追従、模倣し低価格路線を進みます。
革新的な開発を行わないために開発コストを削減でき、低価格を実現することができます。市場の成熟度が増し、かつ撤退コストが大きくなると増えてくるポジションです。
車の業界で例えると、三菱やマツダではないでしょうか。マツダは一世を風靡したロータリーエンジンがありました。三菱はパジェロが人気を博した時代がありました。現在は目新し開発はなく、トレンドを追うデザインで現在のポジションにとどまっているように見受けられます。
特にマツダのデザインは、BMWあたりのデザイナーを引っこ抜いてからそのポジショニングが明確になったように思えます。
ニッチャー
リーダー、チャレンジャー、フォロワーが存在しない、または注力しない市場で勝負をします。
リーダーからすると、特異性や限定性があるがゆえに事業シナジーが働きにくい、または参入障壁が高いなど、さまざまな観点から空いているポジションを狙います。その空いている市場の中で、リーダーとしてのポジションを獲得します。
大きな地位別があり、その中でも細分化された同様の地位別・ポジションが存在するということです。こちらは説明不要ですね。軽に特化したダイハツとスズキです。
ダイハツとスズキはニッチャーと呼ばれる地位別の中で、リーダーというポジショニングを競い合っています。※ダイハツはトヨタグループ
上記の車業界の例えば浅井の主観バリバリで語っています。関係者の方、愛好家の方、ご容赦ください。またEVシフトでこの情勢も変化がありますので、過去の事例ということでご参考ください。
PDCAの学校の競争地位別戦略
さて、PDCAの学校のポジショニングですが、一言でいうと、ダイハツやスズキのような戦略です。
教育業界では、大手というとパーソルやリンクアンドモチベーションという上場会社がいます。賛否あるかもしれませんが、私から見るとこれらの企業がトップリーダーであると認識しています。
弊社は、巨象であるパーソルやリンクアンドモチベーションに戦いを挑んでいません。ですからチャレンジャーではありません。資本力やすでに構築されている販売網(得意先)があるのでこの牙城を崩すのは容易ではありません。そして、模倣もしていませんので、フォロワーでもありません。
弊社は、大手競合が注力しない、中小企業をターゲットにしています。よって、弊社はニッチャーということになります。
さて、中小企業をターゲットにした、研修会社はかなり多く存在しています。ですから当然差別化が必要になります。弊社の強みとしては、6か月間の中長期教育期間です。なおかつ1名から参加できるという集合型でじっくりと育成するというスタイルです。さらに北海道から熊本まで全国で開催していること、年間500社2000名の顧客がいることがすでに主導的要因です。
ニッチなリーダーを目指した
「中小企業に特化し、中長期、かつ1名から参加できる」という研修スタイルのリーダーは当然弊社となります。その他は、フォロワーです。
当然フォロワーは、弊社よりも安い、低価格路線を進みます。弊社はリーダー企業として価格の競争は一切しません。
数年前から弊社のモデルのパクリが増えてきました。そこでよく聞かれるのは、「パクリ企業を訴えないのですか?著作権などで」など同様の質問やらアドバイスをいただきます。しかし、放置しています。答えは簡単です。今まで新人教育すらしていなかった中小企業が若手の教育をする。それが例え弊社でなくても、市場が大きくなっているということであります。それは、リーダー企業の弊社としては市場の拡大、教育の浸透は好ましいことであります。
競争地位別戦略と合わせてこちらもご参考ください。
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代表取締役 浅井隆志
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