評価面談の内容と面談者スキル
2023.03.23評価制度組織づくり
評価面談は充実していますでしょうか。評価制度は構築したものの、運用はやはり人です。どんな優れたクラウドを活用したとしても、最終的には評価者のスキルに依存します。もちろんその依存度を軽減する仕組みはありますが、すべてにおいて網羅できるわけではありません。今回は評価面談において、面談のポイントと面談者に求められるスキルについて解説いたします。
評価面談の内容
目標の確認
まず、組織全体で目指す目標について再確認をします。次に、前回の面談で設定した目標や、評価期間中に個人が達成しようとした目標について確認することが必要です。
その目標がどの程度達成されたかの進捗を明確にすることで、今後の目標設定や改善点を考える上での基盤となります。合わせて目標の意義や目的についても適宜、意識を浸透させることが重要です。
評価基準の共有
評価制度における評価基準は、事前に共有しておくことが重要です。基準や指標が明確でない場合、双方が判断基準を共有できていないため、公正な評価が行われない可能性があります。評価基準を共有することで、両者が同じ目標に向かって努力することができます。
対立軸ではなく、協力者であるというスタンスを見せることも大切です。
フィードバックの提供
フィードバックは、個人の成長にとって非常に重要な要素です。面談では、個人の強みや改善点を具体的に示し、今後の方向性やアドバイスを提供することが必要です。
ただし、フィードバックはポジティブなものだけでなく、改善点を指摘するネガティブなフィードバックも重要です。その際には丁寧な理由を添えることを忘れてはいけません。
目標の再設定
前回設定した目標を振り返り、今後の方向性や目標設定を再考することが必要です。目標が達成された場合は、より高い目標を設定することが望ましいです。一方で、目標が達成されなかった場合は、その原因を分析し、達成可能な目標を再設定する必要があります。
高すぎる目標はモチベーションを低下させます。しかし、低すぎる目標は成長を促しません。少し頑張らないと達成できない目標を常に与え続けることが必要となります。
キャリアプランの検討
評価制度の面談は、個人のキャリアプランについても話し合う機会となります。今後のスキルアップやキャリアアップに向けたアドバイスや支援を提供することが、個人の成長につながります。
キャリアプランと評価制度がマッチしていないのであれば修正が必要です。鶏と卵にならないように、キャリアプランに紐づいた評価制度の構築が重要です。
以上が、評価制度の面談におけるポイントです。評価制度は、個人の成長と組織の発展にとって重要なものであるため、評価制度の面談には十分な準備が必要です。また、評価者のスキルも欠かせない要素です。
評価面談に必要なスキル
コミュニケーション能力
評価制度の面談は、評価者と被評価者の双方が互いの意見を共有し、理解しあう場です。面談においては目標の共有のみならず、信頼関係の構築も目的に含まれます。コミュニケーション能力を持ち、適切な質問を投げかけ、相手の意見に耳を傾けることが必要です。
面談をAI分析して、上司と部下の話す割合と部下の満足度を調査したところ、部下が7割話している面談では満足度が高くなります。ついつい上司が話し過ぎてしまうことに注意です。
フィードバックの提供
フィードバックは、個人の成長にとって非常に重要です。具体的なフィードバックを提供し、適切なアドバイスを行うことが必要です。態度教育も大切ですが、気合根性やマインドで終始しないようにしましょう。特に、具体的な行動レベルでのフィードバックが求められます。
さらにコーチング要素を取り入れて、質の良い質問を取り入れるとフィードバックのパフォーマンスが向上します。部下に考えさせ、内省を引き出す質問を準備しておくと良いでしょう。
ヒアリング能力
面談では、被評価者(一般的には部下)が自分の考えや意見を述べることが多くあります。評価者は、聴取能力を持ち、相手の話を理解することが重要です。また、消極的な部下に対しては、自発的に話したくなるような雰囲気つくりもヒアリング能力の一部です。
特に、部下の話を途中でさえぎったり、否定をするとその後、口を開かなくなります。どのような内容でも受け止める姿勢が必要です。万が一、批判ができら、容認はせず受けとめに留めるようにしましょう。
問題解決能力
面談で発生した問題や課題を解決する能力が必要です。評価制度は、個人の成長と組織の発展にとって重要なものであるため、問題解決能力を持ち、適切なアクションプランを作成することが必要です。気を付けなければならないのは、具体的な施策を授けてあげずに「なんとかしてください」と突き放すのは成長につながりません。具体的には、アクションプランや事例(ケーススタディ)などを用いて、課題解決に向けた施策を提供します。
以上が、評価制度の面談におけるスキルです。評価は存在すれば良いだけではありません。面談も実施するだけでは意味を為しません。評価制度は、個人の成長と組織の発展にとって重要なものであるため、スキルを磨き、適切な面談を行うことが求められます。
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