中小企業の経営

2023.03.23中小企業経営組織づくり

中小企業の経営

中小企業の経営は、大企業とは異なる多くの課題を抱えています。中小企業は資金調達や人材採用、市場競争など、多くの分野で限られた資源を有効に活用しなければなりません。今回は、中小企業が成功するためにいくつか考慮すべきことのポイントについて解説します。

中小企業の経営指針

戦略の策定

中小企業は、綿密な戦略の策定が必要です。自社の状況を正確に把握し、長期的なビジョンを持って事業を展開する必要があります。具体的な行動計画を策定し、その実行を監視・評価することで、経営者はよりよい意思決定をすることができます。
※中小企業の経営戦略については後半で詳しく解説いたします。

リスクマネジメント

すべての企業にとって、リスクマネジメントは非常に重要です。中小企業にとっては特に重要です。そこで、リスクを把握し、リスクを軽減するための計画を立てることが必要です。ただ、資金的な体力のない中小企業においてBプランまでの策定の余裕がないのも現状です。

顧客中心主義

顧客が企業の収益源であることを理解し、顧客中心主義を実践することが重要です。中小企業は、製品やサービスの品質を向上させることで、顧客の信頼を得ることができます。また、お客様のニーズを的確に理解することで、新たなビジネスチャンスを見つけることができます。

社員の採用・育成

中小企業は、資金やリソースが限られています。そのために、いかに優秀な従業員を採用するのか。早期戦力化に向けて、どうのように育成するのかが非常に重要です。日本の中小企業は採用と育成に投資をする割合が極端に低いです。少子高齢化の日本においては採用と育成は今後の命題になります。

財務管理

ひと昔前、中小企業の社長の仕事は資金繰りと言われていました。中小企業は、資金調達に困難があります。どんぶり勘定ではなく、収支計画やキャッシュフロー管理など、定期的な決算分析を行うことで、資金の流れを予測し、必要な対策を講じること必要です。銀行や投資家との良好な関係を築き、必要な調達を資金決済に進めることも重要です。

市場調査

中小企業は、市場の変化に迅速に対応することが必要です。市場調査を定期的に行い、消費者の需要や競合状況を把握することが求められます。しかし、費用とリソースの問題でなかなか着手できない現状です。そこで、現顧客からのフィードバックを参照するのはいかがでしょうか。製品やサービスの改善点を把握し、ビジネス戦略の修正を行うことができます。

テクノロジーの活用

中小企業は、新しいテクノロジーを積極的に取り入れることが必要です。DX化によって業務の効率化や生産性の向上を試みることができます。規模が小さいからこそ導入も撤退も身軽さがあります。また、インターネットやソーシャルメディアなどを活用して、市場調査やマーケティングの手法を改善することもできます。

以上のポイントを解決することで、中小企業は経営の安定化と成長を目指すことができます。専門人材を置くことが難しい状況下において、必要に応じて専門家・外部ののアドバイスを受けることも重要です。

中小企業の経営戦略

中小企業が競合優位性を獲得し、成長するためには、以下のような戦略を検討することが重要です。

1. 差別化戦略

競合他社との差別化を図り、高付加価値製品やサービスを提供することで、顧客のニーズに応え、市場でのシェアを拡大​​することができます。そのためには、商品やサービスの品質向上、デザインや機能の改善、独自の技術や特許の活用などが必要です。

2.コストリーダーシップ戦略

コストを削減し、価格競争力を高めることで、競合他社との差別化を試みることができます。コストリーダーシップ戦略を採用するために、原材料の調達コストの削減が求められます。ほかにも、製造プロセスの最適化や物流の効率化などが必要です。

3.集中戦略

特定の市場や顧客層に焦点を絞り、競合他社との競争を避けます。集中戦略を採用するために、ニッチ市場の発掘や特定の顧客層のニーズに合わせた商品やサービスの提供が必要です。

4.成長戦略

新規市場や新しい商品・サービスの開発に取り組み、成長を目指します。成長戦略を採用するため以下の施策が重要です。1.新規市場の調査や市場参入戦略の立案。2.新しい商品やサービスの開発。3.資金調達などが必要です。

中小企業が競合競争性を獲得するためには、市場調査や競合他社の分析を行い、上記の戦略の選択が求められます。
しかし!しかしです。これは理想論であって、リソースの乏しい中小企業で本当に実行できるのかが問題となってきます。

そこで浅井は提言いたします!
中小企業は規模の経済が働かず、コストリーダーシップの戦略は難しいと考えます。また、マス市場を対象にした低価格路線では利益圧迫で疲弊するのでお勧めできません。
さらに、開発に投資する資本も少ないことから成長戦略も取りづらいのではないでしょうか。

よって、中小企業の取るべき経営戦略として、差別化戦略と集中戦略の2択が残ります。

差別化戦略と集中戦略の掛け合わせ

他社では真似できない(模倣困難性)ことを中核にすることが差別化戦略のキモと言われています。しかし現代において模倣困難であることは難しいのではないでしょうか。

そこで取りうる差別化としては「手間が掛かって面倒で誰もやりたがらない」ことではないでしょうか。例えば手作り、徹底したアフターフォローが考えられます。顧客に合わせたフルカスタマイズなどが良い例です。

大手は多品種大量生産でマスを狙います。よって市場は大規模を狙い、最大公約数的なニーズを取りに行きます。中小企業としては大企業が「とるに足らない市場」かつ「うかつに手を出せない面倒な」市場で戦えば良いのです。

PDCAの学校の場合

例えばPDCAの学校を題材にしてみましょう。大手の教育会社は上場会社をターゲットにしています。年間の取引単価は約1憶円と言われています。一方100名未満の企業をターゲットにした教育会社は多くはありません。個人事業主レベルの方が参入している市場です。100名前後の中小企業への教育を提供する会社で絶対的な王者が不在だったので、そこに参入しました。

また限られたリソースで効率よく運営するために、提供するサービスも3種ほどに限定をしました。これによって、効率化を図り、専門性を高めました。

めんどくさいことも引き受ける、顧客のニーズに徹底的に向き合う、サービスを絞る、この3点が中小企業経営の極意ではないでしょうか。ちなみに、これを極めたのがキーエンスであり、日本電産です。

経営を考える上でトップの役割が大きいです。
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代表取締役 浅井隆志

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