Z世代が会社に求める働きがいとは?採用・定着のカギを徹底解説
2025.05.08

近年、職場に新たに加わりつつあるZ世代。1995年以降に生まれたデジタルネイティブ世代は、従来の世代とは異なる価値観を持ち、「働きがい」についても新しい視点を提示しています。企業がZ世代の採用と定着に成功するためには、彼らが求める働きがいを理解することが不可欠です。本記事では、Z世代特有の働きがいの価値観と、それに応えるための具体的な戦略を解説します。
Z世代とは?基本的な特徴と価値観
Z世代は、生まれた時からインターネットやスマートフォンがある環境で育った初めての世代です。デジタル技術に精通し、SNSを通じた情報収集や発信が日常的な彼らは、常に世界中の情報にアクセスできる環境で育ちました。
総務省の「令和3年版情報通信白書」によれば、Z世代の95.8%がスマートフォンを所有し、1日の平均インターネット利用時間は3時間以上と報告されています
このようなデジタル環境での成長は、Z世代の価値観形成に大きな影響を与えています。特に注目すべきは、彼らが「透明性」「真正性(オーセンティシティ)」「社会的意義」を重視する傾向にあることです。
従来の世代と異なる働きがいの捉え方
Z世代の働きがいに対する考え方は、バブル期を経験した団塊ジュニア世代や、就職氷河期を経験したミレニアル世代とは明確に異なります。
株式会社マイナビの「2023年卒 マイナビ大学生就職意識調査」によると、Z世代の就職活動生が企業選びで重視する要素として「自分のやりたい仕事ができる」(58.3%)が「安定している」(56.8%)を上回りました。
つまり、Z世代にとっての働きがいは、単なる経済的安定や社会的地位ではなく、より個人的な充足感や社会への貢献と密接に結びついているのです。
Z世代が重視する働きがいの要素
Z世代が働きがいを感じるために重視する要素は、次の5つに集約できます:
1. 社会的意義・インパクト
Z世代は、自分の仕事が社会にどのような影響を与えるかを強く意識します。デロイトの「2021 Deloitte Global Millennial and Gen Z Survey」によれば、Z世代の60%が「社会的・環境的に責任ある企業で働きたい」と回答しています。
彼らは単に利益を追求するだけでなく、SDGsなど社会課題の解決に貢献する企業に働きがいを見出す傾向があります。
2. ワークライフバランス
Z世代は「働くために生きる」のではなく「生きるために働く」という価値観を持ち、ワークライフバランスを重視します。リクルートワークス研究所の調査によれば、Z世代の73%が「プライベートの時間を犠牲にしてまで仕事をしたくない」と回答しています。
3. 成長機会と学習環境
Z世代は継続的な学習と成長を重視します。リンクトインの調査では、Z世代の76%が「新しいスキルを学べる環境」を重要視していることが明らかになっています。
4. 多様性と包括性
様々な価値観に触れて育ったZ世代は、多様性を重視します。Glassdoorの調査によれば、Z世代の求職者の76%が企業の多様性を重視すると回答しています。
5. デジタル環境と柔軟な働き方
デジタルネイティブであるZ世代は、最新技術を活用した効率的な働き方や、リモートワークなどの柔軟な勤務形態を好みます。パンデミック後の新しい働き方に適応する柔軟性も持ち合わせています。
企業がZ世代の働きがいに応えるための戦略
Z世代の働きがいに対する価値観を理解したところで、企業はどのようにしてこの世代の採用と定着を促進すべきでしょうか。以下に具体的な戦略を紹介します。
1. 採用段階でのZ世代への訴求ポイント
Z世代を惹きつけるためには、単に給与や福利厚生だけでなく、以下の点を強調することが効果的です。
✅企業の社会的使命(ミッション)
御社がどのように社会に貢献しているのかを具体的に示しましょう。
Z世代は「なぜ」その仕事をするのかに強い関心を持ちます。
✅成長機会
研修制度や自己開発支援など、スキルアップできる環境をアピールすることが重要です。
厚生労働省の調査によれば、Z世代の約65%が「キャリアアップの機会」を重視しています。
✅デジタル戦略
最新テクノロジーの活用状況や、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みは、
デジタルネイティブであるZ世代の関心を引きます。
✅柔軟な働き方
リモートワークやフレックスタイム制など、多様な働き方を選べる環境を提示しましょう。
2. Z世代の定着率を高める職場環境づくり
Z世代の定着率を高めるためには、彼らの働きがいを持続的に満たす環境が必要です。
特にZ世代は定期的なフィードバックを求める傾向があります。Forbes JAPANの2018年の調査では、Z世代従業員の65%以上が「少なくとも週1回はフィードバックを受けたい」と回答しています。
フィードバックの他、個別の成長をサポートするメンタリング制度は、Z世代の満足度を高めます。
また、失敗を恐れずに意見を言える環境づくりが、Z世代の創造性と帰属意識を高めます。
ボランティア休暇や企業のCSR活動への参加機会も、Z世代の働きがいを高める効果があります。
3. 成功事例
サイボウズの成功
「100人100通りのマッチング」を推進し、リモートワークや時短勤務など柔軟な働き方を導入。
離職率が28%(2005年)から4%(2019年)に大幅改善しました。
ユニクロの成功
2030年までに温室効果ガス90%削減などサステナビリティ目標を設定し、RE100加盟や店舗での廃棄衣料リサイクルプログラムを実施。
環境負荷低減とブランド価値向上の両立に成功しました。
環境先進企業で働いているという誇りが若手社員のエンゲージメントを高め、企業への忠誠心や帰属意識を強化していると考えられます。
4. 今後の展望:Z世代の働きがいを支える未来の職場
Z世代の価値観は、今後の職場環境の標準となっていく可能性があります。
✅ 目的主導型組織
社会的インパクトを重視する企業文化が主流になるでしょう。
✅ 成果ベースの評価
「いつ・どこで働くか」ではなく「何を達成したか」を評価する文化への移行が進みます。
✅ 技術と人間性の融合
デジタル技術を活用しながらも、人間同士のつながりや共感を大切にする職場が求められます。
✅ 継続的学習文化
常に新しいスキルを学び続ける文化が、組織の競争力を左右するでしょう。
まとめ:Z世代の働きがいを理解し、未来の職場を創る
本記事では、Z世代が求める働きがいの特徴と、それに応える企業戦略について解説してきました。デジタルネイティブとして育ったZ世代は、社会的意義、ワークライフバランス、成長機会、多様性、そしてデジタル環境と柔軟な働き方を重視しています。
企業がZ世代の採用と定着に成功するためには、単なる報酬や安定性だけではなく、彼らの価値観に共鳴する職場文化を構築することが不可欠です。具体的には、明確な社会的ミッション、継続的な学習機会、頻繁なフィードバック、柔軟な働き方、そして真の多様性と包括性が鍵となります。
Z世代の働きがいに対する革新的な価値観は、実は全ての世代にとっての理想的な職場環境を示唆しています。彼らが求める「意義ある仕事」「バランスの取れた生活」「継続的な成長」は、年齢を問わず多くの人が共感できる普遍的な価値観と言えるでしょう。
Z世代の働きがいを理解し、それに応える組織づくりを進めることは、単に若い世代の採用・定着率を高めるだけでなく、すべての従業員にとって働きがいのある持続可能な組織を創造することにつながります。これからの時代、真にZ世代の働きがいに応える企業こそが、人材市場での競争優位性を確立していくことでしょう。
Z世代の育成方法についてはこちらをご参考ください。
⇒記事:https://pdca-school.jp/column/3924
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