カフェテリアプランとは?メリット・デメリットと導入事例
2025.05.01

カフェテリアプランの基本知識
カフェテリアプランとは、従業員が自分のニーズに合わせて福利厚生メニューを選択できる制度です。名前の由来は、カフェテリアでメニューを自由に選ぶように、福利厚生も自分で選べるという考えから来ています。従来の一律型福利厚生とは異なり、個々の従業員のライフスタイルに合わせたサービスを提供できます。
日本でのカフェテリアプラン導入は1990年代から始まり、当初は外資系企業を中心に広まりました。少子高齢化や働き方の多様化に伴い、従業員のニーズも多様化し、日本企業にも浸透してきています。
カフェテリアプランの仕組み
カフェテリアプランの基本的な仕組みは以下の通りです。
1. 企業が従業員に一定のポイントを付与
2. 従業員はポイントを使って必要な福利厚生メニューを選択
3. 選択したメニューのサービスを受ける
提供されるメニューは、健康診断やスポーツクラブ利用、育児・介護サービス、自己啓発支援など多岐にわたります。
カフェテリアプランのメリットとデメリット
企業側のメリット
– 福利厚生費の効率的な運用:利用されていない福利厚生への無駄な投資削減
– 従業員満足度の向上:個々のニーズに合ったサービス提供による満足度向上
– 離職率の低下:厚生労働省の調査によれば、導入企業の約70%が「従業員満足度向上」を報告
– 採用競争力の強化:魅力的な福利厚生制度は採用における差別化要因に
従業員側のメリット
– 自分のライフスタイルに合わせた選択:状況に応じたサービス選択
– 福利厚生の「見える化」:ポイントで福利厚生の金銭的価値を実感
– 自己決定感の向上:自分で選ぶことによる満足度向上
– ワークライフバランスの改善:必要なサポートで両立がしやすくなる
導入・運用におけるデメリットとその対策
✅カフェテリアプラン導入の課題
– 制度設計・運用管理のコスト:初期設計や管理に人的・金銭的コスト
– 従業員への周知・教育の必要性:制度理解と活用のための施策
– 選択のパラドックス:選択肢が多すぎると逆に満足度低下の可能性
✅デメリットへの対策
– 福利厚生代行サービスの活用
– 定期的な従業員アンケートによる見直し
– メニューの整理と推奨プランの提示
カフェテリアプランの導入事例
企業での導入事例
– 日立製作所:「選択型福利厚生制度」として、健康支援、自己啓発、住宅支援、余暇活動など健康支援、自己啓発、住宅支援、余暇活動など約300種類のメニューを提供。特に健康診断のオプション検査や各種スキルアップ研修が人気メニュー。
(参照:日立製作所CSRレポート https://www.hitachi.co.jp/sustainability/)
– 富士通:「F-Stage」というカフェテリアプランを導入し、全社員に基本ポイントを付与。さらに勤続3年、5年、10年などの節目に追加の「ライフステージポイント」を支給することで、長期勤続者をサポート。社員は健康増進、自己啓発、育児・介護などから自由に選択可能。
(参照:富士通グループ サステナビリティレポート https://www.fujitsu.com/jp/about/csr/)
– サイボウズ:「100人100通りの働き方」を実現するため、社員の多様なニーズに対応したカフェテリアプランを提供。特に育児・介護支援メニューを充実させ、子育て中の社員向けにベビーシッター費用補助や託児所利用補助、介護中の社員向けに介護サービス利用補助などを選択可能にすることで、ワークライフバランスを強力にサポート。
(参照:サイボウズ公式ブログ https://blog.cybozu.io/)
✅成功のポイント
カフェテリアプランを成功させるには、まず従業員のニーズを正確に把握することが不可欠です。年齢層や家族構成などの従業員属性を分析し、実際に求められているサービスを見極めましょう。アンケート調査や個別ヒアリングを通じて、現場の声を丁寧に拾い上げることが重要です。
また、一度構築したメニューを固定化せず、定期的な見直しを行うことも大切です。社会情勢やライフスタイルのトレンドは常に変化するため、従業員のニーズに合わせてメニューを更新し続けることで、制度の効果を維持できます。
さらに、優れた制度も従業員に理解されなければ活用されません。分かりやすいガイドブックの作成や説明会の開催など、制度内容を効果的に周知する活動が利用率向上に繋がります。加えて、ウェブやスマートフォンアプリを活用した簡便な選択・申請システムを構築し、従業員が気軽に利用できる環境を整えることが、制度定着の決め手となるでしょう。
カフェテリアプラン導入のステップ
導入前の準備と検討事項
1. 現状の福利厚生制度の評価:利用状況や満足度調査
2. 導入目的の明確化:具体的な目標設定
3. 予算設定:総額や一人当たりポイント数の決定
4. 運営方法の検討:自社運営か外部委託か
厚生労働省の調査によれば、導入前の従業員ニーズ調査実施企業は約85%と、成功の重要なステップとされています。
制度設計のポイント
– シンプルな仕組み:特に初導入時はメニューを絞る
– 税制面の考慮:非課税と課税対象の区別
– ポイント付与の工夫:基本ポイントと追加ポイントの設計
– 利用期限の設定:一部繰り越し可能などの柔軟性
運用と評価の方法
– 利用状況の定期的モニタリング:メニュー別利用率把握
– 従業員満足度調査の実施:アンケートによる評価
– 制度の改善サイクル確立:年1回程度の見直し
– 社内コミュニケーション強化:好事例共有や利用促進
まとめ:カフェテリアプランで実現する多様な働き方
カフェテリアプランは、従業員が自分のライフスタイルに合わせて福利厚生を選択できる現代の働き方に適した制度です。企業側には費用対効果の向上と従業員満足度の向上をもたらし、従業員側には自分に合った、作所や富士通の大企業から、サイボウズなどの中小企業まで導入が進み、成功のポイントは従業員ニーズの把握と分かりやすい制度設計です。
カフェテリアプラン導入を検討する企業は、現状評価から始め、明確な目的設定と予算確保を行い、シンプルな制度から開始することをお勧めします。導入後も定期的な評価と改善を続けることで、より効果的な制度へと進化させることができるでしょう。
多様な働き方が求められる現代において、カフェテリアプランは従業員満足度と企業競争力を同時に高める有効な手段です。自社に合った制度設計と運用で、より良い職場環境づくりに役立てましょう。
職場環境をより良くしていきたい方はこちらもご参考ください。
⇒記事:https://pdca-school.jp/column/2909
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- カフェテリアプランとは?メリット・デメリットと導入事例
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