事業戦略で競争優位に立つためには
2023.03.31中小企業経営組織づくり
絞り込まれたビジネスはやみくもに戦っても、不毛な戦いになる。目をつぶって全力疾走ができないように、方向を定めることが不可欠です。いわゆる事業戦略です。
事業戦略とは
企業が将来的に事業を展開する上での方向性や目標、手段を決定することです。具体的には、競合環境や市場動向を分析し、企業の強みや弱みを把握した上で、自社製品・サービスの開発・改善や販売・マーケティング戦略、M&Aやアライアンスの戦略など、多岐にわたる方策を立てることが含まれます。
事業戦略は、企業のビジョンやミッションと密接に関連しています。ビジョンとは、企業が将来的に達成したい理想的な状態を表します。ミッションとは、そのビジョンを達成するための使命や目的を示します。事業戦略は、ビジョンやミッションを具体的な目標に落とし込むための重要なプロセスとなります。
事業戦略を立てる上で重要な要素
1.市場分析:競合環境や市場動向、顧客のニーズや行動を分析をします。そして、自社の強みや弱みを的確に把握することができます。結果的に緻密な戦略を立てることができます。
2.製品・サービス戦略:自社製品やサービスの開発・改善、差別化やブランディングなどの戦略を立てます。これは、市場競争力を高めることにつながります。
3.マーケティング戦略:販売チャネルやプロモーション戦略、価格戦略などを決定することで、製品やサービスを市場にアピールし、販売促進につなげることができます。
4.成長戦略:新規市場の開拓、M&Aやアライアンス戦略など、事業拡大や収益の増大を目指す戦略を立てることができます。
5.リスク管理:事業戦略を実行する上で、リスクや課題が生じる可能性があります。事前にリスクを評価し、適切な対応策を準備することが重要です。
今回は、製品やサービスで勝つための方向性について解説します。
製品・サービス戦略の3大ポイント
1、差別化
2、コスト
3、特化
差別化
差別化は競合他社との差別化を徹底します。主に、機能面とブランドの2つの差別化ポイントがあります。機能面的な差別化には、製品自体だけでなく対応力、スピード(時短)などのサービスも含まれます。しかし、成熟した業界では機能的な差別化が難しくなる傾向があります。結果として、ブランドイメージによる差別化を図ります。
コスト
安売りは説明は不要かと思いますが、単純に価格を下げて利益を減らすという戦略ではありません。その本質は、大量生産、または大量仕入れにより製造・調達コストを下げ利益の最大化を狙います。これが本筋ではありますが、実態としては低価格路線によって市場占有率を高めます。場合によっては、利益率自体を下げ、いわゆる薄利多売により利益総額を増やす戦略も時に効果的です。ペイペイは市場占有率を確保するために、リターンを大きくして大赤字で市場占有を果たしました。これも安売り戦略の一つです。
特化
特化は、業界や製品を絞り込みます。または、ターゲット(どこを顧客に設定するか)いわゆるマーケットを絞り込みます。絞り込んだその次に「差別化」か「コスト」かのいずれの戦略を取ります。
携帯電話会社の事業戦略
今の大手キャリアといえば、ドコモ、au、ソフトバンクです。一昔前は、○○がつながりにくいということがありました。今では3社とも品質やサービス、価格に大差はありません。そうすると、差別化するポイントとしてはブランドイメージしかありません。なので各社TVCMに注力しているわけです。
携帯でも安売りをしている会社があります。ヤフーや楽天は、格安SIMを販売しています。新興企業のエックスモバイル社なども格安で勝負しています。これら後発の企業は、大手キャリアと真っ向勝負をすると痛い目にあいます。携帯という同じ市場の中で、価格を前面に打ち出した戦略を講じています。
ドンキとしまむらの事業戦略
ドン・キホーテは圧倒的な販売網、販売力を背景に仕入れを安くすることで”安売りの殿堂”という戦略を取っています。そして、ユニクロやメガネのZOFFもこの戦略と言えます。しかし、最近のユニクロは高付加価値商品を開発しているので、差別化とコストのハイブリットとも言えます。しまむらも、同じ商品を同じ店舗で売らない(同じものを持っている人が同じ商圏にいないという価値)と価格メリットのハイブリット戦略です。
さて、外国人専用の携帯電話をご存知でしょうか?留学生や日本に就労に来ている外国籍の方に特化した携帯会社も存在します。(厳密には取次代理店)
中小企業としては限られたリソースで最大リターンを得るには、集中した戦略、特化かつ差別化による高単価の戦略が好ましいでしょう。
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