5フォース分析で儲かる商売を見極める
2023.03.31中小企業経営組織づくり
5フォース分析とは
5フォース分析は、企業戦略の枠組みの1つです。(提唱者はマイケル・ポーター)競争環境を分析するために用いられます。5つのフォースを分析することで、競合環境を正確に把握することができます。結果的に、自社の競争力を高めるための戦略を立てることができます。
ビジネスは何で勝負をするかより、どこで勝負をするかが重要です。いわゆる業界の選択です。優れた商品を開発できたとしても、勝てるとは限りません。すでに圧倒的シェアを持つ大手が存在する場合、苦戦を強いられるでしょう。
しかし、その業界で利益を生めるかどうかの判断基準は競合の有無だけではありません。今回は、5フォースモデルを使いながら、業界に未来があるかどうかのジャッジについて解説を致します。
5フォース分析の要素は5つあります。
①競合、②新規参入、③代替品、④仕入れ、⑤売り先
①競合
その業界でどれだけの同業者が存在しているかは重要な問題です。競合が多ければ、当然に熾烈な戦いが待っています。市場が成熟し、市場規模の成長が望めない場合もあります。差別化が難しい商品やサービスであると、大きな利益は見込めません。
携帯電話の業界はどうでしょうか?競合の数(キャリアの社数)は少ないですが、すでに大手キャリア数社が市場を独占しています。これだけ強烈な競合がいると、新規参入が容易でないことは容易に理解できます。よって、競合の社数だけではなく、競合の強さも含めて考える必要があります。
②新規参入
その業界に参入しやすいか、参入しにくいかも要素の一つです。現時点で競合他社が少なかったとしても、未来に向けて参入が増えれば当然競争が激化します。何かしらのきっかけで突然参入がしやすくなり、儲かる業界が突如として儲からなくなるということもありえます。
お酒やたばこの販売は許認可で独占的です。町のタバコ屋さんがつぶれないのも、こうした新規参入がしにくい背景があるからこそ、生き残れるわけです。
③代替品
代替品に対する脅威も存在します。代替品は直接的なものと、間接的なものが存在します。イノベーションによって、その商品やサービス自体が存在しなくなる、または内包されることで起きます。
また、同じような効果を得られる代替品の市場拡大に伴う脅威も存在します。
イノベーションによる代替品の脅威でわかりやすい例といえば、デジカメです。現在は携帯のカメラ機能が充実しており、デジカメを単体で持つ方は少なくなりました。よってデジカメの業界は、一般向けからプロ志向(マニア)へ転換せざる得なくなりました。
④仕入れ
仕入れが困難であり不安定になれば、機会損失、すなわち利益を損なう可能性があります。仕入れによって利益が流動的になる業界は仕入れ先に依存している状態と言えます。価格決定の主導権が握られてしまいます。特許や希少資源などがこれにあたります。
ひと時問題になったレアアースの貿易問題を考えるとわかりやすいでしょう。買い手側ではなく売り手側にイニシアティヴ(主導権)があります。
⑤売り先
BtoBとBtoC、いずれも企業の場合は売り先があります。顧客と言い換えても良いでしょう。販売網を持っている顧客、大量に買ってもらえる顧客には頭が上がりません。また、最近はネットでの価格比較が簡単なことから、個人消費者も影響力を持ちます。
例えば、小売りの強いドン・キホーテ。販売網を持っているからこそ、そこに商品を卸すメーカーはドン・キホーテに主導権を握られます。代理店、FCにも同じことが言えます。
少し前、家電量販店では店内でネット検索をして価格比較をすることを禁止にしていたこともあります。商売の大原則である売り先は、常に脅威を持っていますが、過剰な依存にならないか否かの判断が必要です。
このような要素で業界を見たときに、どれだけの脅威があるかを見極める必要があります。しかし、例え脅威があったとしても儲かる市場にすることは可能です。そのために、トレンド、市場成長率、セグメント(特化)などが重要になります。
5フォース分析の後に、事業戦略も重要になります。
こちらもご参考ください。
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