「空気が読める新入社員」の育て方:管理職が実践すべき4つのアプローチ
現代のビジネス環境では、チームの力がますます重要視されています。特に、若手社員は新鮮な視点やエネルギーを持っており、会社の成長に大いに貢献できます。
しかし、彼らが十分に能力を発揮できる環境を整えることは容易ではありません。
管理職の皆様には、若手社員の育成において、彼らが「空気が読める」人材となるようサポートする役割が求められます。それには、適切なフィードバックや指導、そして良いモデルとなる行動を示すことが不可欠です。
この記事では、若手社員の育成において、「空気が読める」人材を育てるためのヒントをご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
この記事でわかること
- 「空気が読める」とは何か、その意味とビジネス上の重要性
- 空気が読める人・読めない人の違い
- 新入社員にその力が求められる理由
- 空気が読める人に共通する特徴
- 若手社員の「空気が読める力」を育てる具体的な方法
- 管理職が育成時に意識すべき関わり方のポイント
- 「空気を読む」という考え方の日本的な文化背景
目次
空気が読める新入社員
「気が利く」「状況判断ができる」と評価される新入社員は、単に指示を待つだけでなく、職場の温度感や人間関係の機微を捉える努力をしています。ここでは、ビジネスシーンにおける「空気が読める」状態とは具体的にどのようなものか、その定義や重要性について詳しく解説します。
空気が読めるとは
周囲の人々の雰囲気や状況を把握し、それに適した行動や言動を取ることを指します。空気を読むことで、ほかの人々と円滑にコミュニケーションを図れます。
察することができれば、状況に応じて適切な行動や発言ができるため、人間関係の構築や仕事の進行において大きなメリットを享受できるでしょう。
空気が読めるという表現自体は、日本特有のものであり、主に日本のビジネス文化や社会において使用されています。日本の組織や職場では、上司や先輩の言動を見て学び、周囲の空気を察知しなくてはなりません。そのため、日本人の間では空気が読める能力を持つことが重要視される傾向があります。
一方で、空気が読めないという概念も、日本独特の文化や社会構造によって生まれたものと言えます。一昔前は「KY」という表現が流行りました。海外で個人主義が強い社会や、直接的なコミュニケーションが求められる文化の中では、空気が読めないという問題はあまり取り上げられることがありません。
上司と部下のコミュニケーションの質を高めること。これが「空気が読める」若手社員育成の本質ではないでしょうか。
空気が読めないとは
周囲の雰囲気や状況を把握せず、不適切な行動や言動をしてしまうことを指します。空気が読めない人は、ほかの人々とのコミュニケーションが円滑に進まず、人間関係や仕事の進行に支障をきたすことがあります。
空気が読めない行動や発言は、周囲の人々に不快感を与えかねません。
空気が読めるかどうかの重要性
若手社員が組織で円滑に機能するための重要な要素と言えます。また、将来的に企業の中心的な人物(管理職)として活躍していくために必要な要素でもあります。
空気が読める人は、周囲の人々とのコミュニケーションが円滑に進み、協調性やリーダーシップの面でも優れた成果を上げることができます。
一方で、空気が読めない人は、コミュニケーションの障害やトラブルを引き起こすことがあり、組織内での信頼性や信用を失うおそれがあるのです。
空気が読める人の特徴
空気が読める人の特徴としては、以下のようなものがあります。
- 周囲の人々の表情や態度、雰囲気を敏感に察知できる。
- 適切なタイミングで適切な行動や発言ができる。
- 状況に応じた柔軟な対応ができる。
- 目的や目標に合わせてほかの人々と協力し、チームをまとめられる。
このように見ると、ビジネスをスムーズに動かしていく人材として、必要不可欠な能力にも感じられます。
空気が読める力を育てる方法
空気が読める能力は、一部の人にしか備わっていないわけではありません。実際に、この能力は磨くことができます。以下に、空気が読める力を育てるための方法をいくつかご紹介します。
①コミュニケーションを重視する
相手の話をよく聞き、相手の感情やニーズを理解する必要があります。適切な反応や返答をすることで、相手との信頼関係を築くことができます。これにはコミュニケーションのスキルトレーニングが有効です。
推奨されるコミュニケーションスキルは、ラポールスキル(信頼関係構築法)やヒアリングスキルです。今すぐにできることとしては、復唱確認など会話のキャッチボールを増やすことなどが挙げられます。
とはいえ、新人社員とのコミュニケーションで悩みを抱える先輩社員も珍しくはありません。以下の記事では、新入社員が抱えるよくあるコミュニケーションの悩みのほか、コミュニケーションを高める方法についても詳しく解説しています。
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②背景や意図を認識させる
組織や職場のルールや慣習を把握する必要があります。ただし、表面的な理解だけでは空気が読める力に及びません。その背景や意図、ルールができた経緯を丁寧に解説してあげることが必要です。物事にはその意図や背景が存在するということを認識させることが求められます。
すぐにできる方法としては、上司が部下に対して指示を出した際に「どういう意図があると思うか?」という質問と共に、部下に考えさせるのも効果的なトレーニングです。PDCAの学校の若手研修では「上司の意図読みワーク」というものが好評です。
③経験を積む
一般的には、空気を読む力は、経験を通じて磨かれます。さまざまな人や状況に触れ、自身の感性を磨くことで、空気を読む能力を高められます。
新卒者や若手社員でも学生時代のアルバイト経験、特に接客業の経験があると養われやすい傾向があります。また、部活動や集団行動の有無も、この力が養われる好適な環境と言えるでしょう。社会人になってからは、対外的なコミュニケーションを積極的に取るのが効果的です。
一方で、「新入社員をすぐに社外の取引先へ出すのは不安…」と感じることもあるでしょう。そのような場合は、社内でディスカッション研修を行うのもおすすめです。ディスカッション研修については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
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④フィードバックを受け入れる姿勢
自身の行動や発言に対するフィードバックを素直に受け入れることが求められます。ほかの人からの意見やアドバイスを参考にすることで、自身の空気を読む能力を向上させられます。
まずは、部下に対して「空気が読めていない」ことを指摘します。その悪影響についてしっかりと伝え、空気が読めるようになったときのメリットと期待についても伝えます。空気が読めるようになることへの動機づけが重要です。
まとめ
「空気が読める」とは、周囲の状況や人間関係を適切に理解し、それに応じた行動やコミュニケーションができることを指します。この能力は、管理職として重要なスキルの一つであり、チームの調和や効率を高めるために必要です。
空気が読める力を育てるためには、周囲とのコミュニケーションを重視し、組織文化や経験を積み重ねることが重要になります。また、フィードバックを受け入れる姿勢を持つことも大切です。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。