なぜ古参メンバーは居場所が無くなるのか

2023.06.09中小企業経営組織づくり

なぜ古参メンバーは居場所が無くなるのか

「10年、20年と会社に貢献してきた社員。今や会社の幹部になったのに、どうも居場所がないようだ……」

古参メンバーが残らない。このように感じたことはありますでしょうか。過去、会社の立役者だった社員、創業から一緒に走ってきてくれた社員が残らないということがよくあります。このような相談が多く寄せられます。
経営者としてはこのまま活躍してもらいたい。けれど、まわりがそれをなかなか許さないという状況もあります。どうしてこのような状況に陥るのか、その原因と対策についてお話いたします。
創業期から現在に至るまで貢献してくれた社員。間違いなく戦闘力が高いです。職種に寄りますが、いずれにしても成果が出せる人材です。また、労力を惜しまず、貢献意欲も高いです。(以下創業メンバーと呼びます)

・名プレイヤー名監督にあらず

古参メンバーはいわばその道のプロフェッショナルです。しかし、会社が大きくなるにつれて、人が増えます。人が増えると会社を組織化してマネジメントが必要になります。
創業や古参メンバー達は成果を出す力がありますが、マネジメント力がありません。それでもチームとして成果を出さなければいけないので、自分で動いて成果を出します。部下は基本的に放置となります。結果、過去の実績で役職についたものの、チームとして成果を出すことができなくなり、居場所がなくなります。

解決策その1 マネージメント教育

プレイヤーとして成果を出すために必要なスキルと、マネージャーに必要なスキルは別物です。多くの企業では、プレイヤーとして優秀だった社員が必然的に管理職のポジションに就きます。中小企業において昇格試験がある企業はほぼありません。また、昇格基準を満たすための教育施策もありません。
プレイヤーからマネージャーに昇格した場合、速やかな管理職教育が必要です。マネージャーとして必要な知識やスキルがない状態で、チーム成果を問うのは酷です。

実情としては「どうしたらいいかわからない」という状態に陥り、会社の立役者だった社員たちが居場所がなくなり辞めていく事態が訪れます。

解決策その2 昇格基準を見直す

そもそも論になりますが、マネージャーとしての資質がないのに、過去の実績だけで昇格させることが誤りです。古参メンバーで、会社に貢献してきた人材だからこそ、高いポジションに就いてもらいたいという気持ちはよく理解できます。しかし、その後に不調を来たし、居場所が無くなってしまうのなら、本人のためにも好ましくありません。

昇格させるまえに、テストを導入することをおすすめします。一般的には課長補佐という役職に就けます。そこで少人数の部下を率いて評価をします。チーム全体の成果のみならず、部下の成長度合いも非常に重要な指標です。

成果が出せなければ、昇格しない。過去の実績だけで昇格をさせない。経営者の強い意思が必要でしょう。本人の気持ちを考えるのであれば、次の施策も効果的です。

解決策その3 マネージメントさせない

成果を出し、そこそこの年齢と社歴を積めば、誰しもが管理職になる。このような常識をお持ちではありませんでしょうか。古参メンバーは必然的にポジションにつきます。

前述したように、プレイヤーとマネージャーの仕事は明らかに違います。マネージャーをさせずに、プレイヤーとして専念させたほうが、本人にとっても会社にとっても良い方向に働くことがあります。

優秀なプレイヤーがマネージャーになったせいで、本人がつぶれてしまう。そのままプレイヤーとしてなら会社に貢献し続けた人材なのに、ということがあります。

キャリアパスの設定で、プレイヤーとして突き進めるプランがあっても良いのではないでしょうか。例えば、プロフェッショナルコースとマネジメントコースのような位置づけです。

プロフェッショナルコースを選んだ社員は、マネージメントをせず、本人の成果のみで評価をします。プロフェッショナルコースにあった等級と役職を設定すれば問題は起きません。実際に大企業では部下を持たない、一人課長や一人部長というポジションが存在しています。

まとめ

・無理に管理職のポジションを与えない
・部下を持たない管理職を制度として制定する
・管理職に昇格するのなら前後に教育をする

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