管理職が葛藤する13のジレンマ

2022.10.21マネジメント組織づくり

管理職が葛藤する13のジレンマ

多くの企業様では管理職としてのあるべき姿や、職務、職域の設定が明確になっていません。プレイヤーとして優秀だからこそ管理職へ昇進するパターンが多く、プレイヤーとしての責務も果たらなければならない現状です。そこには多くの葛藤や壁が存在しています。

会社としてその障害を取り除く事も必要ですし、場数を踏んで管理職自らが乗り越えることも重要です。今回は「ヘンリーミンツバーグのマネージャの実像」から管理職が直面する13のジレンマについて解説します。解釈は浅井流で再編しています。


思考のジレンマ

①上っ面症候群
自分の業務をこなすプレッシャーや、成果をおう行動が多忙を極める中、どうすれば物事の理解を深めることができるのか。
②計画の落とし穴
単月目標のクリアや予算達成にフォーカスしがちの状況下で、どうやって未来を見据えて戦略的に計画を立てられるようになるのか。
③分析の迷宮
KPIマネージメントが広がりつつある中で、どうやって細かく分解されたミクロ情報をマクロに統合させることができるのか。

推奨解決策

未来志向の課題解決思考が重要となります。上記をマストの業務として捉えられるように、職責の設定、および評価項目に導入が考えられます。


情報のジレンマ

④現場との関わりの難題
現場から離れがちになる傾向がる中で、どうすれば現場の情報や部下の情報を途切れなく入手することができるのか。
⑤権限委譲の板挟み
情報の多くが属人的で可視化されておらず、管理職だからこそキャッチできる情報をいかにメンバーにおろすことができるのか。
⑥数値測定のミステリー
定量的な効果測定ができない場合、定性的なことについてどのようにマネージメントをすればよいのか。

推奨解決策

コミュニケーションツールを導入しデジタル化を図ることや、会議やミーティングのあり方の見直しが考えられます。


人間のジレンマ

⑦秩序の謎
マネージメント活動その者が業務の例外的要素がある中で、部下に対してはどのように秩序をもたらすことができるのか。
⑧コントロールのパラドックス
自分の上司が新たなルールなどを押し付けて来たとき、管理職はどうやって統制された無秩序を維持できるのか。
⑨自身のわな
傲慢の一線を越えないようにしつつ、適度な自信を保ち続け、謙虚さも持つにはどのように立ち振る舞えばよいのか。

推奨解決策

日頃のコミュニケーションを心がけ、信頼関係構築やエンゲージメントを高める施策が考えられます。


行動のジレンマ

⑩行動の曖昧さ
微妙な差異が大きな影響を及ぼすような環境下において、マネージャーは何を元に判断し、決断力を発揮すればよいのか。
⑪変化の不思議
継続性を保つ必要がある状況下で、どのようにして変化や革新、成長をマネージメントすればよいのか。

推奨解決策

企業理念をチームの理念やビジョンに落とし込み、平時からあるべき姿の合意形成を心がけることが考えられます。


全体的なジレンマ

⑫究極のジレンマ
管理職はどのようにして数々のジレンマに同時に対処すればよいのか。
⑬私のジレンマ
管理職が直面する数々のジレンマは、全て個別の問題として捉えられるが、根本原因は同じようなことであり、どのように解釈するべきか。

推奨解決策

問題から課題を抽出し、対策立案を講じて、個人でも組織でもPDCAを回す改善行動が考えられます。

いかがでしたでしょうか。チームをけん引する中間管理職はこれらの葛藤問題のためにパフォーマンスが発揮されにくいポジションであります。組織成長や目標達成のためには、仕組みや制度、そして管理職の能力を高めることが求められます。


中間管理職を脱プレイヤーさせる3つの試み

1、意識改革
プレイヤーとして優秀で昇格した管理職は、それまで自分が残してきた成果に執着をする傾向があります。管理職になったにも関わらず、プレイヤーとしての責務をまっとうすることで仕事をしているように錯覚をします。
これは管理職の視座を変えるしかありません。視座とは物事を考察している際の立ち位置です。経営者視点という言葉があるように、プレイヤーの視点ではなく管理職の視点が必要になります。

ここで課題となるのは、その会社における管理職としての責務が明確になっていないことによって、視座を高める必要性に気づけないことです。
管理職の上司は、どのような視点を持つことが必要なのか、管理職の責務や役割は何かという、成果とは別軸の求められることを伝えることが重要です。

2、モチベーション施策
管理職になりたくないという社員の方が多くいます。自分の会社の課長は、いつも忙しくて責任を負わされて大変だから、自分はそうなりたくない。スキルアップもキャリアも積み上げたいけど、ポジションは欲しくないという若手の意見が散見されます。そもそも部下を育成して成長させることを成果としてみなすことを評価制度に組み入れている企業様が少ないのも要因としてあります。

プレイヤー部分の成果の評価を低くし、チームとしての成果を高く評価するバランス調整も必要になります。また、育成指導の試みなど定性的な活動も評価項目に入れることが大切です。
部下を育成し、部下のキャリアアップに良い影響を与えられるのは管理職です。その価値についての理解も重要となります。

3、スキルアップ
マネジメントのスキルを習得し、それに慣れてくると、自分ひとりで走り回るより効率も良く、チーム運営の面白さや醍醐味に目覚めるケースも多くあります。しかし、性格的にどうしても嫌いな人や、そもそもどうやってマネジメントをしたらよいか分からず感覚的なアクションを取る方が多数です。

「よくわからない→成果がでない→嫌いになる→学ばない」という負のループにハマってしまいます。早期に管理職には、管理職に求められるスキルのトレーニングが重要です。

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