名ばかり管理職が増殖する理由とは

2022.08.25マネジメント

名ばかり管理職が増殖する理由とは

名ばかり管理職が増殖しています。

日本はプロパー文化

日本の企業は新卒採用文化です。高度経済成長前に、地方から集団就職で人を集め、自社で教育をしながら組織を作ってきたという歴史的背景があります。一方海外ではキャリア採用やジョブ型雇用と言われるように、仕事の能力を前提とした採用が行われています。

日本型の新卒採用では、安定的に人材が確保でき、また長期に定着させるのには向いています。日本企業は10年以上勤務している社員の割合は約25%で、世界1位の長期雇用です。ちなみにアメリカは16%程度です。

企業のトップもプロパーが多い

日本の大企業の多くでは、新卒で入社したプロパー(生え抜き社員)が経営トップを務める傾向があります。トヨタしかり、起業も転職も経験していない人が、企業のトップに立ちます。中小企業の2代目は依然として代襲(家族内継承)が一番多い状況です。
ちなみに浅井は様々な企業様をコンサルティングしていく中で、プロパー社長が多いことを経験値から気づき、弊社も人材獲得を7年前から新卒採用メインとしました。

日本企業の風土として、マネージメント力のある人が上に立つのではなく、1から積み上げてきた実績や背景が説得力となり、上司としてのポジションを得ます。海外ではマネージメント能力をかわれて、マネージャーとして招致することが多くあります。日本で同様のことをすると、部下になる社員からポッと出の上司に対して軋轢が生まれることもままあります。

管理職は能力ではなく実績重視

管理職への昇進の仕方は、プレイヤーとして業績を出すことができ、それなりの社歴とそれなりの年齢を重ねると管理職としてのポジションを与えられます。管理職としての能力があるからではなく、管理職能力とは関係ないプレイヤーとしての過去の成績で昇進します。

また、日本の企業では“企業内だけの特別な能力”が重要視される傾向もあります。企業ごとのガラパゴス化現象とも言えるでしょう。優秀な管理職をヘッドハンティングしてきたのに、転職先で成果を出せないというのもこのガラパゴス化が原因です。独自文化や生え抜きが評価される背景、労働市場の低流動性によって、名ばかり管理職が生まれてしまっているのではないでしょうか。

管理職の仕事とプレイヤーの仕事は別物

プレイヤー(一般社員)に求められるのは業務遂行です。一方、管理職に求められることは、チームとしての成果、育成指導です。日本の管理職は大企業含め97%はプレイングマネージャーです。

管理職はプレイヤーとしての業務遂行も担います。管理職の役割があるにも関わらず、自分の業務を優先してしまうのはこのような背景があるからでしょう。

管理職教育が行われない実態

HR総研の調査によると、301~1000名規模の中堅企業では77%が管理職研修を実施しています。一方、300名以下の中小企業では47%の実施率です。浅井の肌感覚では100名以下の企業では2-30%ではないかと思います。

大手では当たり前のように管理職になる前の研修があり昇格試験があります。中小企業では、管理職の仕事は別物であるにも関わらず、管理職になる前、または着任後の研修実施率は高くはありません。場合によっては社長に気に入られているから管理職になるというケースもたまに見受けられます。

中小企業は経験によるマネージメントが中心

適切な管理職への教育が実施されないと、管理職は自分の感覚においてのマネージメントしかできません。自分がされたマネージメントを部下に繰り返します。まるで虐待を受けた経験がある人が、虐待を繰り返すが如くのようです。良い指導であればポジティブな成果に繋がりますが、悪い指導が繰り返されると、当然ネガティブな成果に繋がります。

価値観の違う若い世代に向けて、ザ昭和の指導を繰り返していると、ハラスメントや離職の問題へと繋がります。

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