人材育成に役立つ「CDP」の導入方法と期待される効果について
2021.11.11マネジメント
人材育成しようと考えた際には、どのような方法で進めていくのか明確にしなければなりません。いくつかの方法がありますが、中でも「CDPについて知りたい」と考えている方のために、詳細についてご紹介します。
CDPとは何か、どのようにして導入すれば良いのか、期待できる効果はどういったものかなど参考にしてみてください。
■人材育成に役立つCDPとは
CDPとは「Career Development Program」の頭文字を取ったもので、中・長期的に渡って従業員のキャリア開発、能力向上進めていくための計画を指します。
企業としては作成した計画を実現するために必要な研修プログラムを用意するほか、自主的に学ぶ姿勢を支援するための機会を設けるのが重要なポイントです。計画の中では、必要な資格のほか、どのような経験を積ませるべきか、どういった能力を身につけておけば良いかなどを明確にしていきます。
キャリアデザインと似たものと思われる事がありますが、キャリアデザインでは仕事のみが対象となりますが、CDPではその人の生き方を含めて思い描いていくのが違いです。
■CDPの導入方法
実際にCDPを導入する場合の全体的な流れについて見ていきましょう。以下の5つのプロセスで進めます。
1.事前準備
まずは社員に対して面談や聞き取り調査を行います。その調査・面談の中で社員をそれぞれの特性と希望について理解することが重要です。
2.企業と社員のニーズをすり合わせする
面談や適性テストを行い、企業と社員の間でニーズをすり合わせていきます。すり合わせを行ううちに、双方のニーズを両立するために必要な研修が見えてくるでしょう。
3.プログラムを具体化する
すり合わせの結果から取り組むべきプログラムの内容を具現化していきます。先に社員のニーズについて知り、すり合わせや、従業員の望んでいるキャリアや、必要な能力を理解しておかなければ最適なプログラムの具現化はできません。慎重にニーズのすり合わせを行ってからプログラムの具現化に進みましょう。
4.教育や配属を実行する
決定した教育・配属を実行していきます。適材適所を意識した慎重な配属が必要です。
5.定期的なチェックと運用
CDPは中・長期的にわたって行うプログラムであるため、時代の変化などに合わせて調整が必要です。定期的に求めている効果が得られているかチェックし、運用を行いましょう。
■CDP導入により期待される効果
CDPを導入することにより様々な効果が期待できます。ここでは代表的な効果について4つ解説します。
社員の自主性・自発性を伸ばせる
CDPでは、従業員自身も自分がどのような形でキャリア形成を進めていくことになるのか明確に理解できます。努力の道筋も見えてくるので、その実現に向けた自主性・自発性の高い社員育成につながるでしょう。
離職率の低下につながる
CDPには離職率を低下させる効果が期待できます。早期に企業を離れてしまう従業員の中には、将来の自分のビジョンが見えない、働くモチベーションを保てないなどの理由を挙げる方もいます。しかし、CDPによって自分の将来を想像しやすくなりますし、将来像を実現するためにモチベーションを保った状態で働くことも可能です。
これは、仕事にやりがいを持つことにもつながるでしょう。結果的に離職率の低下も期待できます。
社員のエンゲージメント向上につながる
社員のエンゲージメント向上にもCDPを役立てましょう。CDPでは、企業の中で自分が将来どのような役割を担っていくのかなどについて、早期にイメージできるようになります。 企業の一員として求められること、必要なことなどがわかり、それをどのように実現していくのかなども計画性をもって考えることが可能です。
これは、社員のエンゲージメント向上にもつながるポイントだといえます。
社員の能力やキャリアを可視化できる
CDPでは、社員の将来への希望や、望んでいるキャリアなどについて深く理解したうえで、育成プログラムについて考えることになります。そのため、社員の能力・キャリアを明確に理解することが可能です。
企業の中には自社に存在している社員のデータが見えるようにする「人材の見える化」に取り組んでいるところもあるでしょう。CDPでは社員の能力だけでなく、キャリアについても可視化できるようになるため、人材の見える化につながります。
■理解を深めたうえで取り組む必要がある
社員の成長をサポートするためにも効果的な取り組みであるCDPについてご紹介しました。中・長期的に渡って社員にとって必要な能力や経験、キャリアなどについて考えていける方法です。
社員育成のためCDPに取り組みたいと考えているのであれば、CDPで期待できる効果や、具体的な進め方などについて、よく理解した上で検討していかなければなりません。
自主性・自発性がある社員を育てたい、離職率を低下させたいなどと考えた際にも効果的な方法ではありますが、どのように進めていくのかについては慎重に検討が必要です。
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