管理職に求められる問題解決能力とは

2022.09.13マネジメント

管理職に求められる問題解決能力とは

管理職に求められる問題解決について解説いたします。

頻繁に起こるトラブルや潜在的な組織の課題、将来を見据えて打つべき施策など、管理職には課題を抽出し施策を講じる役割があります。問題解決に役立つ3つの視点と便利なフレームワークをご紹介します。

目次
1.問題の3種類(発生・発見・創造)
2.問題を察知するには
3.原因志向型の問題解決アプローチ
4.未来志向型の問題解決アプローチ
5.アクションプラン設定のポイント
6.まとめ


1.問題の3種類(発生・発見・創造)

問題は3種類に分類することができます。①発生型②発見型③創造型です。

①発生型は「誰でも認識ができ、すぐに手を打つべき問題」です。

お客様からのクレームやトラブル、納期がずれる、事故が起こる。離職の問題や最近ではハラスメントの問題もあります。予算通りに営業進捗が悪いというのも発生型の問題です。この発生型の問題は放置ができないため応急処置が必要となります。

管理職に求められる発生型の問題解決能力は、問題処理ではなく、同様のことが起きないように対策を講じることです。

②発見型は「視座を変えて探すことであらわになる問題」です。

視座とは立場を変えて物事を捉えることです。お客様の目線になる、相手の立場になる、という考え方は日頃よく耳にします。お客様の立場、取引先の立場、上司の立場、経営者の立場、部下の立場などさまざまな立場があり、立場の数だけ見え方も変わります

客観視というのはどこまでいっても当事者の客観視なので純粋な客観的視点は持てませんが、時に一度立ち止まり、捉え方を変えることはとても大切です。

③創造型は「時間軸を未来に変え、将来に起こる可能性のある問題」です。

例えば、毎年社員を2,3人採用している企業であった場合、その年に採用ができず0人だったとします。それが原因で2,3年後に倒産してしまうかといえばそうではありません。しかし、その採用ができない状態が10年、20年と続けばこれは大問題となります。

他にも、今の業態、仕事の進め方のままで、30年後も50年後も会社は存続できますでしょうか。不確実性の高い未来であり技術革新も進んでいるので、変化は必要になります。このように、時間軸を長くとることによって見えてくる問題が創造型の問題です。


2.問題を察知するには

問題を察知するには察知能力を高めるか、行動レベルでの施策が必要になります。問題の察知にはコミュニケーションが欠かせません。逆に言えばコミュニケーションを取ることによって問題を早期に察知できます。

特に察知しやすいのは挨拶の時の表情です。何かしらの問題や不安がある場合、表情や目に現れます。「大丈夫?」と声掛けをしても「大丈夫です」と回答があるだけで、言葉だけで判断せず、言葉の温度感も見極めて行く必要があります。

おススメの行動レベルの管理

①報告連絡相談を密にとる
②タスクの見える化や共有をする
③1on1面談の実施などがあります。

仕事の基本と言われることやルールやマニュアルなどを徹底することで、問題を見逃すことなく察知ができるようになります。


3.原因志向型の問題解決アプローチ

主に発生型や発見型の問題で活用します。問題が起きた時に、その問題に対処すれば終わりではありません。

例えば虫歯になって痛みが出た時に、痛み止めを飲みます。その時の痛みは緩和できますが、根本的な解決に至っていません。問題が起きるには原因があります。その原因を特定し、その原因に対するアプローチが必要となります。

原因思考型の問題解決アプローチ

①問題設定
②原因追及
③対策立案
④アクションプラン

①現れている問題を捉えます。時には立場を変えて物事をみることもたいせつです→②なぜそれが起きたのか?というWHYの視点で原因を深掘りします→③その原因が今後起きないように対策立案を考えます→④実行力を伴うように、実施タイミングを設定し、効果測定をします。


4.未来志向型の問題解決アプローチ

主に創造型の問題で活用します。これにはOODAループが参考になります。

OODAループ

①観察
②分析
③決定
④改善

未来志向型の問題解決アプローチはOODAと同じく外部環境や内部環境の変化をくみ取ります。状況を観察したうえで、あるべき姿を設定します。当然、現状とあるべき姿にはギャップがあるので、そのギャップを埋めるために施策が必要となります。

外部環境も内部環境も刻々と変化をし、そのスピードも早く、予想が難しいという側面があります。そのためにコンティンジェンシープラン(シャドープラン)と呼ばれる、Bプラン、Cプランを策定することが好ましいです。ただ、手間もコストも掛かるので、どこまで作りこむかはリソース次第でしょう。


5.アクションプラン設定のポイント

いずれかの捉え方で抽出された課題は、具体的な施策や行動レベルに設定し推進していく必要があります。実行力が伴う計画にするには、①行動する言葉②タイミング設定③アウトプット設定が重要になります。

①心がける、注意するなど意識系の言葉は実行力が低くなります。必要なのは行動であってマインドではありません。意識はどのように行動に移すのかまで設定することが必要です。

②通常業務で忙しい中、緊急性は無くても重要な施策を実行していくためにはタイミングの設定が重要です。いつかやろう、時間が空いたらやろうは永遠に来ない可能性があります。何曜日の何時からという詳細が必要です。

③施策の進捗を把握してPDCAを回すためにも効果測定が必要になります。効果測定のためには見える化やアウトプット(成果物)が好ましいでしょう。チーム内での共有にすればナレッジの共有にもなります。


6.まとめ

管理職は問題が起きれば、同じような問題が起きないように施策を講じる必要があります。また、常に立場を変えて物事を捉え、将来を見据え課題を抽出することも大切です。

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