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評価面談とは?目的・進め方・話す内容・コツを徹底解説

評価面談とは、一定のサイクルで上司と部下が1対1で行い、評価結果のフィードバックや人材育成を目的とする重要なコミュニケーションの場です。

一方で、「何を話せばいいのか分からない」「部下が評価に納得してくれない」と悩む人事担当者や管理職の方は多いのではないでしょうか。

本記事では、評価面談の目的から効果的な進め方、話す内容、面談者に求められるスキルまでを解説します。事前準備のチェックリストや実践的な質問例も網羅しているため、今日から実務ですぐに使える具体的なノウハウを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読んでわかること

  • 評価面談の本来の目的や、1on1との違い
  • スムーズに進行するための5つのステップと事前準備のチェックリスト
  • 面談で話す内容や、部下の本音を引き出す具体的な質問例
  • 面談者に求められるスキルや、評価に納得しない部下への適切な対応方法
目次

離職率激減!「部下が辞めるNGフィードバック」改善マニュアル

「なぜ、あの部署だけ離職率が高いのか?」その答えは、日々のフィードバックにあります。退職理由の上位に挙がる「上司との人間関係」。その背景には、管理職が無意識に行っている”NGフィードバック”が潜んでいることが少なくありません。本資料では、現場でありがちな8つのNGフィードバック事例と、すぐに実践できる改善手法をご紹介します。▼こんな課題をお持ちの方におすすめです 特定の部署・上司のもとで離職が続いている 退職面談で「人間関係」が理由に挙がることが多い 若手社員の定着率を改善したい 管理職のマネジメント力を底上げしたい採用コストをかけて迎えた人材を、管理職による現場でのフィードバック一つで失っていませんか?まずは本資料で、自社のフィードバック品質を見直してみてください。

評価面談とは?目的

この章では、評価面談の基本的な定義と、実施するうえで欠かせない3つの目的について解説します。

評価面談とは

評価面談とは、四半期、半期、または年1回など一定のサイクルで上司と部下が1対1で行う面談です。評価結果のフィードバック、人材育成、モチベーション向上を主な目的としています。単なる評価通知の場ではなく、双方向のコミュニケーションを図る重要な機会と言えます。

評価面談の3つの目的

評価面談を実施する主な目的は、以下の3点に集約されます。

目的

内容

人事考課

評価結果を処遇(昇給・賞与など)へ反映させる根拠を伝え、本人の納得感を高めます。

人材育成

業務の振り返りを通じて、部下自身に成長課題への気づきを与えます。

モチベーション向上

努力や成果を承認し、次期に向けた前向きな動機を形成します。

評価基準に基づく公正な人事考課を行うことは大前提です。加えて、本人の課題を明確にして成長を促し、組織全体のパフォーマンス向上へとつなげることが求められます。

評価面談と1on1の違い

近年導入が進む「1on1」と評価面談は、目的やスタイルが大きく異なります。

項目

評価面談

1on1

実施頻度

四半期・半期・年1回など

週1回〜月1回など高頻度

主な目的

評価の伝達、目標設定、査定の納得感醸成

業務上の悩み相談、日常的な成長支援

スタイル

評価結果に基づくフォーマルな面談

対話を中心としたカジュアルなミーティング

成果物

評価シート、目標設定シート

特になし(対話メモ程度)

日常的なフォローは1on1で行い、節目での総括を評価面談で行うなど、どちらか一方だけでは不十分であり、併用が効果的です。

評価面談の進め方(5ステップ)

評価面談の進め方を5つのステップに分けて解説します。事前に流れを把握しておくことで、限られた時間を有効に活用できます。

ステップ

やること

ポイント

目安時間

1

アイスブレイク

緊張をほぐし、話しやすい空気を作る

3〜5分

2

自己評価のヒアリング

上司の評価を伝える前に、部下の意見を聴く

10分

3

評価結果のフィードバック

ポジティブな点から順に伝える

15分

4

課題の共有

認識のギャップを埋め、改善点を見つける

10分

5

次期目標の合意とクロージング

次の行動を明確にし、前向きに締める

5〜10分

ステップ1:アイスブレイク

面談の冒頭は緊張をほぐす目的で、軽い雑談から入ります。最近の体調や関心事など、仕事以外の話題を1つ振ると効果的です。

ステップ2:自己評価のヒアリング

部下の反発を防ぐため、先に上司の評価を伝えないことが鉄則です。部下自身の自己評価シートを基に、うまくできた点や苦労した点をヒアリングします。会話の主導権は部下に渡し、部下が話す割合を多めにとることを心がけてください。

ステップ3:評価結果のフィードバック

評価を伝える際は、ポジティブな評価→自己評価と一致している項目→不一致のマイナス項目の順で話します。なお、日常で一度も指摘していないマイナス評価を、この面談の場で初めて指摘するのは避けるべきです。

ステップ4:課題の共有

上司と部下で評価にギャップがある項目を中心に、質問を通じて部下自身の考えを引き出します。一方的に押し付けるのではなく、課題の背景を共に深掘りします。

ステップ5:次期目標の合意とクロージング

面談で決めた内容と次期の目標を確認します。最後は「次の半年も期待しています」といった前向きな言葉で面談を締めてください。

評価面談の事前準備(チェックリストとシートの書き方)

充実した面談を実現するには、事前準備が不可欠です。ここでは準備事項と評価シートの書き方のコツを紹介します。

事前準備チェックリスト

  • 評価基準の再確認
  • 対象期間の実績・行動データの収集(状況・行動・影響のメモ)
  • 前回面談の記録確認
  • 自己評価シートの事前提出と読み込み
  • 部下の自己評価と自分の評価のギャップ想定
  • 面談のテーマ整理(特に話すべき1〜2テーマに絞る)
  • 個室・日程(30分〜1時間)の確保
  • バイアス(寛大化傾向・ハロー効果など)のセルフチェック

評価シートの記入例とコツ

評価シートは、業績・能力・情意の3軸で具体的に記載します。

「よく頑張った」「成長した」といった抽象表現はNGです。「〇〇の業務において、従来比20%の工数削減を実現した(業績)」「後輩への指導を月3回自発的に行った(情意)」のように、具体的な事実や数字に置き換えて記入してください。

新入社員個別面談(1on1)人事マニュアル ~新入社員の離職予防&成果に導く~

新入社員の離職予防と早期戦力化を目的にまとめた、人事担当者向けの個別面談(1on1)実践マニュアルです。入社後に生じる不安・不満・疑問を、人事という第三者の立場で定期的に受けとめることの意義、明日から使える具体的な進め方までを本資料にて解説しています。■面談の基本5ステップ①目的を伝える②現状を確認③課題の優先順位を整理④取り組みを検討⑤意欲を確認し行動を決定上記、基本5ステップを、各段階のトーク例とあわせて解説。さらに「君は新人だから」「なぜできないのか」といったNG表現を、信頼関係を損なわない推奨表現へ言い換える対応表や、ネガティブな意見への同調が他責思考を強めてしまうという失敗パターンまで踏み込んで解説。本資料は、面談ノウハウの提供にとどまらず、新人育成の課題を組織全体の仕組みとして捉え直す視点まで得られる構成です。毎年500社2,000名以上の育成実績に裏打ちされた知見が凝縮されており、新人の定着と成長に課題を感じる人事・経営層にとって、次の一手を描くための実践的な指針となる一冊です。

評価面談で部下から話を引き出す質問例

面談では、部下の内省を促す質問スキルが求められます。効果的な質問と避けるべき質問について解説します。

「YES/NO」で答えられない「拡大質問(WHAT・WHY・HOW)」と、前向きな思考を促す「肯定質問」の使い分けが有効です。

目的別の質問例

具体化質問

上司:「今期取り組んだ施策の中で、一番効果的だったのはどれですか?」

振り返り質問

上司:「今回のプロジェクトを通じて、どんな学びがありましたか?」

肯定質問

上司:「どうすれば、来期は目標を達成できるようになるかな?」

NG質問例

否定、誘導、詰問は部下の心を閉ざす原因になります。

「なぜそんなミスをしたの?(詰問・否定)」
「このやり方が一番いいよね?(誘導)」

評価面談で話すこと(5つのポイント)

この章では、面談で具体的にどのような内容を話すべきか、5つの重要なポイントに分けて解説します。

目標の確認

まず、組織全体で目指す目標を再確認します。その上で、前回の面談で設定した目標がどの程度達成されたか、進捗を明確にします。目標の意義や目的についても適宜共有し、意識を浸透させることが重要です。

評価基準の共有

評価制度における基準や指標が不明確な場合、公正な評価と見なされない可能性があります。業績評価・能力評価・情意評価の3要素がどのように判断されるのかを事前に共有します。上司は対立軸ではなく、部下の成長を支援する協力者であるというスタンスを示してください。

フィードバックの伝え方(OK例・NG例)

フィードバックは具体的な行動レベルで行うことが不可欠です。状況(Situation)、行動(Behavior)、影響(Impact)、改善(Improvement)を伝えるSBII話法を意識すると伝わりやすくなります。

OK例

上司:「先月のA社への提案(状況)で、競合比較の資料を自主的に作成してくれたね(行動)。おかげで先方も納得し、スムーズな受注につながったよ(影響)。今後はどの領域を伸ばしていきたい?」

NG例

上司:「今期はすごく頑張ったと思います。」(抽象的で何が評価されたか不明)

上司:「君はいつも仕事が遅いね。」(人格否定)

以下の記事では、SBIIを用いたフィードバック方法を詳しく解説しています。ぜひ本記事とあわせて参考にしてみてください。

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パワハラにならない叱り方とは?厚労省の基準とSBIIフィードバック

目標の再設定

前回設定した目標を振り返り、今後の方向性を再考します。高すぎる目標はモチベーションを低下させますが、低すぎる目標は成長を促しません。少し頑張らないと達成できない、適切なストレッチ目標を設定することが求められます。

キャリアプランの検討

今後のスキルアップやキャリアアップに向けた支援を提供します。キャリアプランと評価制度がマッチしていない場合は修正が必要です。キャリアプランに紐づいた評価制度の構築が、個人の成長と組織の発展につながります。

評価面談は、これら5つの視点を網羅して対話を進めることが理想的です。

面談者に求められるスキル(磨き方)

面談の質は、評価者のスキルに大きく左右されます。ここでは、面談を成功に導く4つのコアスキルを紹介します。

コミュニケーション能力

面談では目標の共有だけでなく、信頼関係の構築も求められます。パーソル総合研究所(2025年2月)の1on1定量調査などからも、部下の話す割合が高いほど、面談への満足度や成長実感が高い傾向にあることがわかっています。ついつい上司が話し過ぎてしまうことには十分注意してください。

出典

部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査|パーソル総合研究所

コーチングスキル

質の良い質問を取り入れ、部下に考えさせて内省を引き出すスキルです。 例えば、「この課題に対して、あなたなら次にどんなアプローチを試してみる?」といった問いかけにより、部下の主体的な思考を促すことができます。

ヒアリング能力(聴取能力)

部下の話を途中でさえぎったり、否定したりすると、その後口を開かなくなります。どのような内容でもまずは受け止める姿勢が不可欠です。

万が一批判が出た場合も、容認はせず受け止めに留めるようにします。消極的な部下に対して、自発的に話したくなるような雰囲気づくりもこのスキルの一部です。

問題解決能力

課題が発生した際、具体的な施策を授けずに「なんとかしてください」と突き放すのは成長につながりません。アクションプランの策定をサポートしたり、類似のケーススタディを提供したりしながら、共に課題解決に向けた道筋をつくる能力が必要です。

これらのスキルは、実践と研修を通じて継続的に磨くことができます。

評価に納得しない・落ち込む部下への対応

自己評価と上司の評価に大きなギャップがある場合、部下が不満を抱くのは自然なことです。このような場面では、事実と具体例を基に評価の根拠を示すことが重要です。

まずは「なぜそのように評価したのか」という部下の考えを先に聞き、否定も容認もしない受容の姿勢を示します。議論の対象は本人の「態度・人格」ではなく、あくまで「行動・結果」に限定してください。

厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」等でも、労働条件や人間関係への不満が離職理由の上位に挙がっており、評価不満が離職意向につながるリスクは軽視できません。面談後も目標の進捗確認など、継続的なフォローアップを行うことが離職防止に繋がります。

参考

厚生労働省|令和5年雇用動向調査

給与・処遇についての話し合い方

評価結果が給与や賞与にどう連動するかを明確に説明する責任が上司にはあります。評価基準と処遇決定のルールを隠さず伝え、納得感を持たせることが肝要です。

部下から給与に関する要望や質問が出た際は、自分の決裁権の範囲を明確にしたうえで回答します。また、説明責任を果たし法的リスクを回避するためにも、面談での処遇に関する話し合いの内容は正確に記録に残すことが求められます。

リモート・オンラインでの評価面談

オンラインでの評価面談では、互いの顔がしっかり見えるカメラの設定や、静かな個室の確保など、環境整備が必須です。また、物理的な距離がある分、評価シートや目標の資料を画面共有しながら、成果とプロセスを視覚的に可視化して進める工夫が有効となります。

評価面談を「意味がない・形骸化」にしない運用のコツ

「評価面談は意味がない」「めんどくさい」と感じられる理由の多くは、面談が単なる年中行事となり、一方的な伝達の場で終わっていることにあります。

形骸化を防ぐためには、期初・期中のフォロー面談を徹底し、1on1ミーティングと併用して日常的な接点を持つことが有効です。また、面談の記録を次期の面談に確実に引き継ぎ、目標達成率や面談後の満足度を効果測定することで、制度の運用を改善し続ける仕組みが必要となります。

よくある質問(FAQ)

Q. 評価面談とは何ですか?

A. 評価面談とは、一定の期間ごとに上司と部下が1対1で行い、評価結果の共有や人材育成、動機付けを目的とする面談のことです。

Q. 評価面談と1on1の違いは何ですか?

A. 評価面談が評価伝達や査定を目的とし半期や年単位で行われるのに対し、1on1は業務上の悩み相談や育成を目的に週〜月単位の高頻度で実施される対話の場です。

Q. 評価面談はどのくらいの頻度で実施すべきですか?

A. 企業の評価制度によりますが、四半期、半期、または年1回のペースで実施されるのが一般的です。

Q. 評価面談の前に準備しておくことは何ですか?

A. 評価基準の再確認、部下の行動記録の収集、前回面談の記録の確認、自己評価シートの事前読み込みなどを済ませておくことが重要です。

Q. 評価面談で部下が納得しない場合、どうすればよいですか?

A. まずは部下の意見を否定せずに傾聴し、そのうえで具体的な事実や行動に基づいて評価の根拠を説明してください。

Q. オンラインで評価面談をする際の注意点はありますか?

A. 通信環境や静かな場所を確保し、画面共有を活用して評価シートなどを可視化しながら丁寧に進行することがポイントです。

Q. 面談の内容はどの程度記録すべきですか?

A. 次期面談への引き継ぎや、説明責任を果たす(言った・言わないのトラブルを防ぐ)ため、合意した目標や指摘事項は正確にシート等へ記録すべきです。

まとめ

評価面談は実施して終わりではなく、部下の納得感と成長につなげて初めて効果を発揮します。目的や進め方を正しく理解し、面談者のスキルを磨きながら運用を継続的に改善していくことが重要です。

また、評価面談を形骸化させず、組織の成長につなげるためには、制度の整備だけでなく評価者自身の「面談スキル」を継続的に向上させることが欠かせません。

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浅井 隆志
著者情報

浅井 隆志

代表取締役

現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。

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