若手社員の退職でショックを受ける前に行いたいこと
多大なコストをかけて採用した人材が、早期に退職してしまう。これほど残念なことはありません。
まだ育ちきっていない段階での退職は、企業としてのダメージも大きく、手厚く育てた若手が急に相談もなしに辞めてしまう状況は、上司や人事にとっても大変残念な事態です。
今回は、若手社員が退職する前兆と対策についてご紹介します。
この記事でわかること
- 若手が突然辞めることで上司が受ける心理的ショックと主な離職の背景
- 退職を決意した社員が発する危険な予兆
- 若手の退職を事前に防ぐための対策
目次
若手社員が辞めるとよくあるショック
「期待していた若手が、まさか辞めるなんて……」
手塩にかけて育ててきた部下から突然の退職報告を受けたとき、管理職が受ける衝撃は計り知れません。それは単なる人手不足への不安だけでなく、注いできた情熱や時間が否定されたような、心理的なダメージを伴うものです。
「自分の教育が悪かったのか?」「あんなに目をかけていたのに」と、自信を喪失してしまうケースも少なくありません。
若手社員が会社を去る際、上司が直面しがちな「ショック」の代表的なパターンを、その背景にある若者世代の価値観とともに見ていきましょう。
手厚く育てた部下が辞める
「部署に期待の若手が入ってきた。」これほど管理職として育成に気合いの入る瞬間はありません。毎日手厚くフォローし、時には食事に連れて行って悩みを聞く。それでも突然その時は来ます。
「辞めたいです。」
上司からすると、対象の部下はイキイキと働いており、前向きに仕事に取り組んでいるように見えました。それでも辞めたいという言葉を発するときがあります。
主な理由として挙げられるのは、「このままこの会社にいても成長を感じることができない」という不満です。昨今の若手は、自分の成長にこだわる傾向があります。手に職をつけたいというスペシャリスト志向の強まりから、専門職を志望する人も増えてきました。仕事をしている中で、将来の展望が危ういと感じたとき、退職という決断を下すのです。
優秀な部下が辞める
一般的に優秀な人材であるほど、会社の環境が整備されていなければ退職の決断も早い段階で下すと言われています。優秀な部下が辞めてしまう理由も、前述と同様に「今のままでいいのか?」という疑問から生じます。
相談なく突然辞める
上司の立場からすると関係構築ができていると思っていても、若手からするとそうでもない、というケースは非常に多いようです。
ただ、手塩にかけた若手が相談もなしに退職を決断するのは、上司として自分自身の能力を否定された気分にもなり、残念すぎる退職例の一つです。
辞める理由が自分にあった
部下の退職の原因が、自分自身の振る舞いにあったというのは管理職として非常に悲しく、反省する瞬間ではないでしょうか。
しかし、部下の退職がきっかけとなり、管理職自身が成長する好機になることもあります。なかには、行動の改善が見込める管理職も少なくありません。
ただし、管理職による不適切な振る舞いが会社の中で当たり前となっており、続々と退職者が出るような状態は改善しなければなりません。
競合他社への転職
この理由での退職は、主に以下の2つの思いから決断することが多いようです。
- 条件面でより良い企業が見つかったから
- 今の会社と他社を天秤にかけたときに、顧客へ最大の価値を提供できる環境を追求したいという考えたから
ライバル会社へ転職されるとノウハウも流出しますし、会社にとって大きな損失といわざるを得ません。
若手社員が退職する前兆
退職を考えている社員には、外見・行動・コミュニケーションの3つの側面で顕著な変化が現れます。わかりやすい兆候で言えば、以下のような変化が見受けられます。
- 転職活動に伴う頻繁な離席や有給取得の増加
- 面接を意識した身だしなみの変化
- 会議での発言減少といった意欲の低下
- 周囲との接触を避ける単独行動の増加
外見の変化は比較的気づきやすいですが、行動やコミュニケーションなどの気づきにくい変化にも注意が必要です。
「最近、雰囲気が変わった」「仕事が他人事のように見える」と感じたら、それは心の中で決別が進んでいるサインかもしれません。こうした微細な変化を早期に察知することが、離職防止の第一歩となります。
以下の記事では、若手社員が辞める前兆について、より詳しく解説しています。「離職の前に対策したい!」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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若手社員が辞める11の兆候|若手社員が辞める理由もあわせて解説
若手社員の退職を防ぐ対策方法
ここからは、若手社員の退職を未然に防ぐ方法をお伝えします。
採用のミスマッチを改善
実は若手社員の早期退職の多くは、採用手法を見直すことで改善が可能です。
例えば、社風とのミスマッチ、面接でのオーバートーク(話の盛りすぎ)などは、早期の退職を促す傾向にあります。採用戦略を見直すことで退職者の減少を目指しましょう。
若手社員の離職の要因には「GRC」呼ばれる3つの要素が関係しています。以下の記事では、GRCについて詳しく解説しつつ、若手の離職を未然に防ぐ方法について解説しています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
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新入社員の「離職」につながる3つの要因「GRC」とは?若手の離職を未然に防ぐ
相談の機会を設ける
何か困ったときに、気軽に相談できる環境が整っているかどうかで、その差は大きく開きます。最近では、駆け込み寺という立て付けで、上司ではなく人事に相談できる仕組みを設けている会社も存在します。ポイントは上司以外に相談できる環境づくりです。
人間関係を改善する
仕事上の悩みの多くは人間関係に起因するものであり、上司と部下間の人間関係を円滑にすることも退職防止に効果的です。部下に媚を売りなさいというわけではなく、上司として人間的な魅力を見せたり、部下に対して歩み寄る姿勢を取るだけでも、若手にとっての働きやすさは、格段に向上するはずです。
部下の提案を受け入れる
前述した人間関係構築の過程で、部下の提案を受け入れることも大切です。部下の提案をそのまま採用するというわけではなく、部下が提案してくれたことにまずは感謝を示すことで、部下の承認欲求を満たすことができます。
まとめ
今回は、若手社員が退職する前兆と対策についてポイントを書きました。 これから会社の未来を担っていく若手が、早期で退職の決断をするのは会社としても非常に痛手です。上司だけでなく会社全体として体質改善を行い、人材が定着し成長できる環境を整備する必要があります。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。