ニトリの人材育成の秘密に迫る!「ニトリ大学」の仕組みと具体的な研修プログラム
家具・インテリア業界のトップを走り続けるニトリ。その成長を根底で支えているのは、「教育こそ、最大の福利厚生」という理念に基づく独自の人材育成です。同社は上場企業平均の5倍もの教育投資を行い、世界で活躍できるスペシャリストの育成に力を注いでいます。
本記事では、ニトリが実践している独自の教育制度「ニトリ大学」の仕組みや、ユニークな人材育成プログラムの数々をご紹介します。自社の人材育成体制の見直しや、新たな研修制度の構築を検討されているご担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ニトリの人材育成体系「ニトリ大学」の全貌と教育理念
- 社員の適性を引き出す「3つの教育制度」
- アメリカセミナーや社内サークルなど、ニトリならではの具体的な育成プログラム
- 年代別の目標設定やキャリアアッププランなど、成長を促す仕組みづくり
目次
ニトリの人材育成体系「ニトリ大学」とは
ニトリ大学とは、ニトリの人材育成の総称です。「教育こそ、最大の福利厚生」という考えのもと、スペシャリスト育成を使命とし、人材育成に力を入れています。教育投資額は上場企業平均の5倍とのことなので、いかに教育に力を入れているのかがわかるでしょう。日々の仕事の中でそれぞれに生きがいを探してもらいたいとの考えを持っており、そのための取り組みを行っています。目指しているのは、グローバルに活躍できる社員です。
例えば、年に2回全社員がキャリアアッププランを作成する機会を設けています。キャリアアッププランを作成することにより、自分の目標が明確になるだけでなく、どうすればその目標を達成することができるのか道筋を考えられるため、とても重要な取り組みだといえるでしょう。
また、年代に応じて到達すべき能力レベルを提示しているため、自分が何を頑張らなければいけないのかがわかりやすくなっているのもポイントです。例えば、20代は「さまざまな業務をマスターするとともに、その根底にある理論を学ぶ」、30代は「経営方針に沿った課題に挑戦し、調査と実験を繰り返す」などが定められています。
スペシャリストを育成する3つの教育制度
ニトリではスペシャリストを育成するため、3つの教育制度が用意されています。それぞれ解説します。
配転教育
企業の中には最初に配置された職場で固定になるところもありますが、ニトリでは配転教育を行っており、さまざまな職場・職種を体験させているのが特徴です。実際に自分が仕事をする中で、最も力を発揮できるのはどこか理解することにもつながります。
誰にでも得意なことや苦手なこと、興味を持てることとそうでないことがありますが、配転教育の中で自分がやりがいを持って働ける職場を見つけることも可能です。配転の間隔は約2〜3年となっており、十分に経験を積みながらスキルアップにつなげていくことができます。
知識教育
知識教育では、研修を受けることにより多くの知識を身に付けていくことができます。研修のため、熱海に「ニトリ熱海研修センター」を用意しています。センターの中には、目的に合わせた講義ができる研修室のほか、宿泊施設、食堂、体育館などが併設されています。
自己育成
ニトリでは自己育成も重要と考えています。そこで、さまざまな自己育成ツールを導入し、自己育成のサポートを行っています。社内ツールだけではなく社内ツールも提供し、積極的に学べる機会を設けているのが特徴です。
ニトリの主な人材育成プログラム
ニトリで行われている人材育成のプログラムについてご紹介します。
階層別研修
社員の階層に合わせ、最適な研修を用意しています。若手社員向けとして期別研修が実施されているほか、店長認定研修などもあり、各職位で学ぶべきことや身に付けておくべきことをしっかりと研修で理解できるのが魅力です。
アメリカセミナー
ニトリでは、毎年1,000人規模でアメリカセミナーを開催しています。理論研修のほか、コーディネートの提案、現地・現物での確認などが行われるセミナーです。
流通業の競争が激しいアメリカで、アメリカならではの豊かな生活や、それを可能にしているチェーンストア企業を視察します。ステージに合わせてカリキュラムが用意されているため、自分にとって必要な知識をしっかり学ぶことができます。
グローバル人材育成プログラム
ニトリでは2032年までに世界3,000店舗を目指しています。その実現に向けて、グローバルで通用する人材を育てるための制度がグローバル人材育成プログラムです。海外赴任や現地実務を行うなかでさまざまなことを学びます。
グロービス学び放題
グロービス大学院という世界最大のビジネススクールで培われたメソッドを取り入れた学習サービスです。社員は永年使えるプランが付与されているため、自己育成ツールとして活用することができます。
ニトリワールドサークル
2006年に活動を開始した自由参加型のサークル活動です。現場で発生している問題の改善や改革活動による従業員満足度とお客さま満足度の向上、参加者の成長を目的としています。
地域の予選会で選ばれたチームは経営陣へのプレゼンが可能となっており、優秀な提案については実際に実験や改良が行われ、全社に展開されることになります。
育成の取り組みが充実している企業
多額の教育投資額を確保していることからもわかる通り、ニトリは教育への取り組みに力を入れている企業です。ニトリ独自の教育体系が確立されているのも大きな特徴といえるでしょう。
業務に必要なカリキュラムが学べる環境が整えられているため、社員は段階を踏んで少しずつ成長しながらスペシャリストを目指すことができます。企業の育成について考える際などにぜひ参考にしてみてください。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。