新入社員へのパワハラが離職率を大きく上げる。再度確認しよう。

2021.02.05

新入社員に対してパワハラをしてしまった場合、離職してしまう可能性が非常に高いです。指導する側は、新入社員がどのようなことをパワハラとして受け取りやすいのか、パワハラにつなげることなく適切な指導をするためにはどうすれば良いのかについて理解しておきましょう。
おさえておきたいポイントと対策をご紹介します。

■パワハラになるポイントと対策を確認しよう

どこからパワハラとして受け取るかは人それぞれですが、特に働き始めて間もない新入社員は些細なことでもパワハラだと感じ、精神的・身体的な苦痛を溜め込んでしまうことがあります。
特に以下のようなポイントに注意してみてください。

物理的な攻撃

殴る、蹴るなどの物理的な攻撃は、それが軽いものだったとしても間違いなくパワハラです。直接相手に触れることなく、書類や筆記用具を投げつけるなどの行為や、胸ぐらをつかむ行為も同様だといえます。
それから、直接的に相手に対して攻撃しなかったとしても、例えば新入社員を指導している最中にデスクの足を思いっきり蹴る、デスクを拳でたたきつけるなどの行為も物理的な攻撃といえるでしょう。
このような行為は絶対にやめるべきですが、一時的な感情に任せ物理的な攻撃と取られるような行動をしてしまった場合、素直に相手に対して謝罪することが大切です。

精神的な攻撃

全く手を出さないとしても、精神的に相手を追い詰めるような行動はパワハラにあたります。相手に直接言う行為以外に、メールやチャット、電話での発言も同様です。例えば、周りに「こんなこともできないのか」と馬鹿にしたり、他の社員がいる前で怒鳴り付けたりする行為がないように十分注意しなければなりません。
行き過ぎた場合はパワハラどころか名誉毀損罪に該当します。特に相手を否定するように「お前はだから駄目なんだ」「無能だ」などと発言すると、自分自身を否定された気持ちになってしまい、退職に繋がりかねません。

仮に新入社員の上司がこういった行為をする場合、再発防止のための研修に参加してもらうと効果的です。

過大・過小な要求

1人で遂行が難しいような仕事量を与えたり、無理をして長時間労働しなければ達成できないような仕事を与えたりする過大要求もパワハラです。また、仕事を与えない、個人が持っている力を大幅に下回るような仕事のみを割り振る過小要求もパワハラだといえます。
適切な仕事の割り振りができているのかを再度確認しましょう。新入社員本人から直接話を聞くのも効果的です。

プライバシーの侵害

勝手に新入社員のデスク上のスマホや手帳を見たり、業務とは関係ない質問ばかりしたりするのもパワハラに該当します。プライベートな情報を追求したり、就業時間後に業務とは関係ないような連絡をして返信を求めたりするのもよくありません。

こういった行為をしている上司の中には、コミュニケーションのためと勘違いしている方もいるため、どのような行為がプライバシーの侵害にあたるのか、事例で提示して理解してもらいましょう。社内の会議などで情報共有することをおすすめします。

権力の乱用

権力を盾にして「タバコ買ってきて」など仕事とは関係ない業務内容を頼んだり、部下である新入社員に対してノーと言えない形で命令したりする行為はパワハラです。こういった行為をしている上司がいる場合は再発防止のための研修を行うほか、部下に対して適切な対応ができる人間でなければ昇格できないように定めるなど、管理職登用の条件を変更しましょう。

■教育に必要な厳しさもパワハラになるのか?

教育に必要な厳しさもパワハラになるのか?

教育している側としてはパワハラのつもりがなかったとしても、新入社員が「これはパワハラだ」と受け取ってしまえばクレームに繋がりかねません。どこからがパワハラに認定されるかは難しいものではあるのですが、教育に必要な厳しさだったとしても、パワハラと認められる行為があればそれは改善すべきです。

例えば、「新入社員のうちに限界を感じるような厳しいノルマを体験しておいたほうが将来的に忍耐強くなれる」という思いで部下に無理な仕事量を割り振ったとしましょう。確かに教育のための厳しさと考えることもできますが、これを強いられた新入社員はパワハラだと感じるはずです。

パワハラとは、おもに上司が部下に対し、その立場を用いて、精神的・身体的苦痛を与える行為のことをいいます。
パワハラをしてしまう立場にある上司は、部下の気持ちに配慮して行動しなければなりません。これができなかった場合にパワハラに繋がってしまうため、指導する側に対する再発防止策を取ったり、職場環境を改善させたりすることが重要です。

■パワハラ問題を改善して離職率を下げる

パワハラは新入社員が会社に対して不信感・不満感を抱く大きな原因の一つであり、直接的な退職理由にもなってしまいます。せっかく入社してくれた新入社員がパワハラのせいで職場を離れることがないように、しっかり対策をとりましょう。

周囲に気付かれないように悪質なパワハラを行っている社員がいる可能性も考え、常に職場環境を改善させるための取り組みを行っていくことが求められます。

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