新入社員の「離職サイン」を見逃すな!3つの要因「GRC」とは?
2024.11.10
実は新入社員が離職するときには3つの要因があります。
その要因を見ながらどのように新入社員と向き合っていくべきかを解説していきたいと思います。
目次
① 3つの要因
② 事例
③ まとめ
では見ていきましょう。
① 3つの要因
187万5000円。これは、社員1人が入社後3カ月で離職した場合の損失額の概算です。
新入社員の離職率は「3年3割」といわれて久しいですが、せっかく採用した新入社員がすぐに辞めてしまう状況を防ぐ手段はないのかと多くの方が思っているのではないでしょうか。
今年は特に新型コロナウイルスの影響で、入社後即リモートワークとなったり、新入社員研修が不十分だったりと不安に陥る新入社員も少なくないです。
そんな彼らの「離職サイン」を見逃さないことがとても大切です。
では「GRC」とは何なのか。これは、「ギャップ(Gap)」「リレーション(Relation)」「キャパシティー(Capacity)」の頭文字を取ったものです。
Gは、入社後のギャップです。本人が描いていた会社の雰囲気や仕事の内容と現実の間にギャップがあったり、将来自分がここで成長するイメージが描けなかったりすると、ショックを受けて、なかなか会社になじめなくなります。
Rは、上司との関係性です。新入社員なので、深い信頼関係というよりは、相談しやすいかどうかといったレベルの関係性が重要です。適切な支援が受けられないと孤独に陥ってしまいがちです。
Cは、仕事のキャパシティー。業務量が多すぎて仕事に付いていけず、『自分にはできないんじゃないか』と思いながら必死にこなそうとして、心身ともに疲弊してしまうことがあります。ただし、そうしたケースは最近、減ってきています。その一方で増えているのが、働き方改革の影響で、業務量が少なすぎることで離職につながるケースです。単純な作業しか任されず、期待されていないのかと不安になり、『青い鳥症候群』に陥ってしまうようです。
※青い鳥症候群:精神科医の清水將之が、1983年の著書『青い鳥症候群 偏差値エリートの末路』の中で提唱した概念。現状を直視せずに「今よりもっといい仕事があるはず」「今よりもっといい人がいるはず」と理想を追い求める人たちを通俗的に「青い鳥症候群」というようになった。主に、天職を求めて何度も転職を繰り返す、忍耐力に欠けるとされる若者を指して用いられることが多い。
こうした3つの問題も、毎日、新入社員と顔を合わせていれば、普段の様子からうかがい知ることができます。また、新入社員研修などを行うことで、現場に入る前に会社のことを知ることでギャップを小さくしたり、スキルや社内人脈もできたりしてリレーションやキャパシティーの問題は和らぎます。
しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で、入社後即リモートワークになったり、新入社員研修を十分に行えないまま現場に配属されたりしたケースが少なくありませんでした。そのため、例年よりも新入社員のなかで「GRC」の問題が膨らんでいる可能性があります。
② 事例
まずはギャップ(G)です。
新入社員が入社後にギャップを感じるパターンは様々あります。
一番のギャップは「仕事内容や配置について」です。
多くの企業が新卒採用において総合職採用を行っていることから、希望の「会社」には就職できても、希望の「仕事」ができるとは限らない、また、入社前に職務内容までは把握できていないという実態が見えます。「仕事選び」ではなく「会社選び」が強いられる現在の採用システムにおいては、配属リスクも視野に入れた企業研究と、職種ごとの仕事内容の理解が必要となってきます。
Vorkersのアンケートによると以下の声が上がっていました。
「自分から希望を出しても配属が必ずしも希望通りとなるわけではないため、もし希望通りの配属でない場合にどうモチベーションを保つかが問題。(開発/男性/SIer、ソフト開発、システム運用)」
「希望していた部署には行けず、開発とは全くかけ離れた部署への配属となったので、妥当性うんぬんの話ではなくなった。(事務/男性/化学、石油、ガラス、セラミック)」
「どの部署で何をしているかを事前に確認しておくべき。マッチングが大切。(開発/男性/総合電機、家電、AV機器)」
「どこの部署に行くのか全く分からないので、それぞれの仕事内容や勤務体系を理解しておくべき。例えばコンシューマー営業になった場合、量販店・ショップの担当営業になった場合、土日・祝は基本出勤であり、世間通りの休みはない。(ちゃんと日数は休めるが)。(営業/男性/通信、ISP、データセンター)」
「入社理由の妥当性はあったかと思う。実際に日本の根幹を支えるシステムを多く手掛けているし、そのような大規模プロジェクトをチームで推進していくことに対するやりがいは大きい。しかし、大企業である分、配属リスクも大きいことは認識しておくべきことだと思われる。(一般社員/男性/SIer、ソフト開発、システム運用)」
次はリレーション(R)です。
離職の理由として挙げれらる代表例は「人間関係」です。
職場における好ましくない人間関係は、日々じわじわと新入社員にダメージを与えてしまいます。
基本的に切っても切り離せないもので、日常的にかかわることになるからこそ、新入社員にかかるストレスは大きいです。
特に上司と部下の関係性は大きく、両者間で円滑なコミュニケーションが図れないと、新入社員は相談もできず不安をため込んでしまうことになります。
上司と部下の世代間ギャップは、そうしたコミュニケーション問題にも拍車をかけてます。たとえば、上司世代に多い、見て覚える、効率より仕事にかける時間、叱って育てるといった感覚は、残念ながら若い世代には通じないのです。
そういった昔ながらの感覚が強い上司は、知らず知らずのうちに、新入社員に苦手意識を植え付けます。さらには、発言がパワハラと受け取られることもあります。
しかし、こうした直接的なかかわりがない場合も、人間関係に不満が生じやすいです。協力関係が築けていないなどの職場環境で人間関係が希薄すぎても、新入社員が自身の存在意義に不安を覚え、離職に至ってしまいます。
最後はキャパシティー(C)です。
入社してから時間が経つと新入社員の出来る仕事も増え、上司や先輩は仕事を任せるようになります。
任されることが増えてうれしいと感じる新入社員の方がいる一方で、今までの業務量よりも増えてつらいと感じる方もいます。
その結果キャパオーバーしてしまいます。キャパオーバーの前兆は何個かあります。
①残業で仕事の帰りが急に遅くなる
月末や四半期末など、特定の時期は忙しく残業が増えるという人は少なくないでしょう。しかし、繁忙期でもないのに急に残業が増えてきたら、仕事量が多すぎて就業時間内に終わっていない証拠。明らかなキャパオーバーの前兆です。
また残業が慢性化して、帰りが遅くなることが続くようになったら危険信号。多忙な状態が日常化すると、そのうち精神的にも肉体的にも完全なキャパオーバーになってしまいます。
②仕事の失敗が増えてくる
キャパオーバー気味になってくると、仕事に丁寧さが欠けてくるようになります。見直しをしたり、丁寧に処理したりという時間の余裕がなくなってくるため、つまらないミスが多くなってしまうのです。
最近新入社員の方が間違いを指摘されることが多い、ダメ出しされることが多いなと感じるようになったら、キャパオーバーの前兆かもしれません。
③ まとめ
今回は新入社員が離職するときの3つの要因と対策事例を見てきました。
「GRC」とは、「ギャップ(Gap)」「リレーション(Relation)」「キャパシティー(Capacity)」の頭文字を取ったものです。
これを解消するために、コミュニケーションをとることが一番大切です。
皆さんの会社の新入社員のGRCは把握できていますか?
187万5000円。これは、社員1人が入社後3カ月で離職した場合の損失額の概算です。
この損失をなくすために、GRCの把握とコミュニケーションをはじめとした対策を行うことが重要です。
今回は以上です。
お読みいただきありがとうございました。
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