心理的安全性を高める方法 | 組織パフォーマンスを向上させる7つの実践ステップ
2025.09.16

目次
- 1. 心理的安全性の基礎と重要性
- 1-1. 心理的安全性とは何か
- 1-2. なぜ組織にとって重要なのか
- 1-3. 信頼関係が低い組織で起こる問題
- 2. 心理的安全性を高めるための7つの実践ステップ
- 2-1. ステップ1: リーダーから率先して弱みを見せる
- 2-2. ステップ2: 積極的な傾聴を実践する
- 2-3. ステップ3: 失敗を学びの機会として捉える文化の醸成
- 2-4. ステップ4: フィードバックの仕組みを整える
- 2-5. ステップ5: 組織の安全性を測定・モニタリングする
- 2-6. ステップ6: 1on1ミーティングの効果的な実施
- 2-7. ステップ7: 多様性を尊重する組織文化の構築
- 3. まとめ:信頼関係を高める取り組みを組織文化に
心理的安全性の基礎と重要性
心理的安全性とは何か
心理的安全性とは、チームメンバーが対人関係においてリスクを取っても安全だと感じられる共有された信念のことです。簡単に言えば、「自分の意見や質問、失敗を恐れずに表明できる環境」を指します。
ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱したこの概念は、現代の組織マネジメントにおいて重要視されています。このような職場環境が確保されると、メンバーは自分の考えを自由に発言でき、失敗を恐れずにチャレンジできます。
なぜ組織にとって重要なのか
GoogleのProject Aristotleという研究では、高パフォーマンスチームに共通する要素として「心理的安全性」が重要であることが明らかになりました。この環境が整ったチームでは以下のような効果が期待できます。
✅イノベーションの促進:新しいアイデアが生まれやすい
✅問題の早期発見:懸念事項が隠されずに表明される
✅学習と成長:失敗から学ぶ文化が形成される
✅職場の満足度向上:メンバーが本来の能力を発揮できる
信頼関係が低い組織で起こる問題
信頼関係が低い職場では、会議で本音が語られず形骸化する「サイレント・ミーティング」、問題が表面化せず大きな危機につながる「隠れた問題」、新しい提案が出てこない「イノベーションの停滞」などの問題が生じます。
心理的安全性を高めるための7つの実践ステップ
ステップ1: リーダーから率先して弱みを見せる
心理的安全性を高める第一歩は、リーダーが自らの弱みや失敗を率直に認めることです。「私もわからないことがある」「これは私のミスだった」と正直に伝えることで、チームメンバーも自分の弱みや失敗を隠さなくても良いという安心感が生まれます。
✅実践方法
・自分の失敗体験を共有する
・「わからない」「間違えていた」を素直に認める
・学びのプロセスを重視する姿勢を見せる
ステップ2: 積極的な傾聴を実践する
リーダーが積極的な傾聴を実践することは信頼関係構築の基盤として重要です。メンバーの発言を遮らず、判断を保留して真剣に理解しようとする姿勢を示しましょう。
✅実践方法
・会議では全員が発言する機会を設ける
・面談での発言量は上司3割、部下7割にする
・「もう少し詳しく教えてください」と質問する
・パラフレーズで理解を確認する
ステップ3: 失敗を学びの機会として捉える文化の醸成
失敗を非難するのではなく、学びの機会として捉える文化が組織の安全性を高めます。失敗から得られた教訓を共有し、同じ失敗を繰り返さないための仕組みづくりに注力しましょう。
✅実践方法
・上司が協力して失敗からの学びを言語化する
・「失敗共有会」を定期的に開催する
・失敗を報告したメンバーに感謝の意を示す
ステップ4: フィードバックの仕組みを整える
建設的なフィードバックが日常的に交換される環境は、信頼関係構築に効果的です。フィードバックの与え方や受け取り方についてのトレーニングも必要です。
✅実践方法
・SBI(Situation-Behavior-Impact)モデルなどの具体的なフィードバック手法を導入する
・フィードバックを「贈り物」として捉える文化を醸成する
・研修でフィードバック手法を身に付ける
ステップ5: 組織の安全性を測定・モニタリングする
心理的安全性を継続的に高めるためには、現状を定量的に把握し、改善の効果を測定することが重要です。
✅実践方法
・サーベイの実施による現状把握(例 エドモンドソン教授の7つの質問)
・結果をチームで共有し改善策を考える
ステップ6: 1on1ミーティングの効果的な実施
定期的な1on1ミーティングは、チームの信頼関係を強化する有効な手段です。上司と部下が率直に対話する場を設けることで、日常では伝えにくい懸念事項や提案を共有できます。
✅実践方法
・最低でも月1回の頻度で実施する
・業務確認だけでなく感情面や成長に関する対話も重視する
ステップ7: 多様性を尊重する組織文化の構築
多様な背景や考え方を持つメンバーが互いに尊重され、その違いが組織の強みとして活かされる文化を構築することは、安全な環境づくりの仕上げとして重要です。
✅実践方法
・多様性と包摂性に関するトレーニングを実施する
・異なる意見や視点を積極的に求める姿勢を示す
まとめ:信頼関係を高める取り組みを組織文化に
心理的安全性を高めることは、組織のパフォーマンス向上と人材の定着・育成に大きく貢献します。本記事で紹介した7つのステップは、明日からでも実践できる具体的な方法です。
ポイントは、これらの取り組みを一時的なものではなく、組織文化として定着させていくことにあります。リーダーの率先垂範と継続的な実践によって、メンバー全員が本来の能力を最大限に発揮できる環境を作り上げていきましょう。
特に重要なのは、測定と継続的な改善です。組織の状態を定期的に測定し、効果を確認しながら取り組みを調整していくことで、着実に組織文化を変革することができます。
人事担当者や経営者の皆様がこれらのステップを実践することで、イノベーションが生まれやすく、課題に強い組織づくりが実現し、持続的な成長につながることを願っています。信頼関係の向上は、組織変革の最も効果的な起点となるのです。
職場環境の改善・チームの活性化についてはこちらの記事をご参考ください。
⇒記事:https://pdca-school.jp/column/2909
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- 心理的安全性を高める方法 | 組織パフォーマンスを向上させる7つの実践ステップ
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