若手が育たない時に試してみたい教育法

2020.12.11

若手が育たないと感じたことはありませんか?最近の若手は何を考えているのかわからない!成長のスピードが年によって圧倒的に違う!そんな時に「今年は採用が悪かった…」と採用のせいにしてしまっては、解決することが出来ません。今回は、若手が育たないときに試してみたい教育法について解説します。

「若手が育たない理由や職場の特徴」

毎年多くの会社に新入社員研修を行っていると、若手が育たない会社には共通点があることがわかりました。

■相談できる環境がない

■今までのやり方にこだわる

■教育が俗人的

■成長のチャンスがない

相談できる環境がない

昨今、若手は職場に風通しや人間関係の良さを求めます。そんな時に職場の雰囲気が殺伐として、気軽に話しかけることができない状態だと若手は定着しません。

■良くない職場の雰囲気

・殺伐した空気で相談ができない。雑談ができない。

・上司が「ながら聞き」をしてしまう

特に、何か作業をしながら若手の話を聞くという行為は、上司の多くが行ったことはあるのではないでしょうか。若手からすると話を聞いてもらえてない感がぬぐえず、相談の機会も徐々に減少します。

今までのやり方にこだわる

若手「このほうが効率よくないですか?」

上司「うちのやり方はこうだからね」

若手の意見を尊重せず、今までの旧態依然とした組織体から抜け出せないと、若手は育たず、早期に離脱をする傾向にあります。会社の中で、変えていいものと変えてはいけないものが明確になっていないと、上記のような事態は起こりえます。特に、上司の頭が固く、変化を嫌う組織体は若手が伸び悩みます。

教育が俗人的

若手が育たない会社の特徴として、教育を現場任せにしている組織が挙げられます。

上司それぞれで成功への考え方が違い、結果的にA上司とB上司で言っていることが違う!となると若手は右往左往します。「そんなの本人が試行錯誤して答えを見つければいいじゃないか!」そう思う気持ちもわかります。ただ、サポートのない中、本人が試行錯誤をして見つけた先には3つあります。

・上司の思う通りの答えを見つける。

・新しい成功パターンが誕生する。

・わけもわからず潰れてしまう。

このうち多くの場合が、成功まで辿り着くことができず潰れてしまいます。

成長のチャンスがない

経験の長い人を上に据える年功序列では、若手からすると先を見据えることが出来ず、早期の離脱に繋がってしまいます。若手にチャンスやチャレンジの機会がないと、「この会社にいても先が見えない」と考え、早期離脱の原因となりうるでしょう。

「業務のプロセス化とゴールの明確化」

昨今、若手を伸ばすために、ほめる教育が大事とされていますが、ほめるだけでは不十分です。

前提として、「どのくらいの山を登るのか?」というゴール設定と、ゴールを本人に認識させることが大切です。そして、「山をどうやって登るのか?」というプロセスを可視化していきます。

ただ闇雲にほめるだけでは、今自分がどのくらいの地点にいるのか見えなくなります。ゴールを踏まえたうえで「○○はすごくできているけど、○○はもう少しだね」というフィードバックがあると、若手は自身の立ち位置が明確になり、やるべきことに集中できます。

この枠組みを現場に任せていては、若手は育ちません。仕組みを設けることで、合理的に成果をもたらすことに近づき、会社に若手が育つ文化が醸成されます。

「仕事の面白さや手応えを実感させる教育法」

若手が育つために仕事の面白さを感じてもらい、成長実感を味わい、手応えを感じさせることは重要であり、欠かせません。ただ、ひとえに仕事の面白さといっても、感じかたはそれぞれであり、基準が異なります。

その考え方の参考になるのが、代表システムです。

代表システムとは

人は五感によって外部を認識しています。その五感とは、視覚、聴覚、身体感覚、味覚、臭覚のことを言います。人は外部のものを理解するときや、内的なものを思考するときにも これら5つの感覚を使っています。これらのことを代表システムと呼び、視覚(Visual) 聴覚(Auditory) 触覚(Kinesthetic)の3つの感覚の頭文字をとって、VAKと呼ばれています。※臭覚と味覚は触覚(Kinesthetic)に含みます。

まさにそれぞれの仕事の面白さの感じ方も、VAKに分けることが出来ます。

目に見える事実 視覚(Visual)タイプ

「目に見えるハードルをクリアした!」「数字を達成した!」という事実に対して面白さを感じる人がいます。若手に対して、目に見える明確な目標を設けると、このタイプには影響を与えやすいです。また、報酬やインセンティブ、資格取得のような、頑張った証拠を用意することも当てはまります。

周囲の反応 聴覚(Auditory)タイプ

自分がしたことに対して「お客様に喜ばれた!」「上司から褒められた!」という反応に、やりがいを感じる人がいます。若手がしたことに対して反応することで、承認欲求も満たすことが出来ます。

成長実感 触覚(Kinesthetic)タイプ

「できなかったことができるようになった」と自身が実感することで、初めて自信を得ることができ、また仕事に対して愛着を感じることができます。実感をさせるには、本人を褒めることもそうですが、成長記録を書かせ、自分で気づかせるような施策も効果的です。

「若手を伸ばす伝え方のコツ」

では、具体的に若手に声をかけるときには、どのようなことを心掛け、日々指導に当たればよいのでしょうか。若手に対してこのような言葉を使っていませんか?

・わからないことがあったら聞いてね!

・こまめに報連相してね!

・会議では積極的に発言して!

・きちんとメモを取って!

上記の言葉はすべてNGです。

わからないことを聞いてと言われても何がわからないかわからないし、こまめに報連相手と言われても、会議で積極的に発言してと言われてもタイミングがわからない。これが若手、新人の本音です。

この時、気をつけたいのが、模範行動と言葉の意図を伝えることです。

わからないとき、こまめにとはどのようなタイミングで、実際にどのように質問や、報連相をすればよいのか、模範となる行動を見せましょう。その行動を見せたときに、わからない点などを促せば、今まで出てこなかった「○○な時はどうすれば良いですか?」という質問が出てきます。

また、発言の意図やメモの意図を伝えることで、若手の「僕なんかが発言したって」という不安や悩みを払しょくできます。

「新しい考えを持っている○○君が発言をしてくれると、周囲にもいろんな気づきがあるから会議の冒頭で考えをシェアしてもらっていい?」

このような声がけがあると、承認欲求が満たされ、本人も期待に応えようと努力をします。

ポイントは、「模範行動」と「意図」この2つです。

まとめ

さて、今回は若手が育たない時に試してみたい教育法について触れていきました。若手が育たない時は、組織としての怠慢、上司の怠慢が顕著になります。若手が育たないときに「昨今の若手は~」と他責にしていては、企業としても上司としても成長はありません。若手が育たない時こそ、教育体制にテコ入れを行うのが、企業としてあるべき姿です。

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