若手の離職防止策まとめ!人事担当必見
2020.12.11
若手社員の早期離職は、多くの企業が頭を抱える人材課題の一つではないでしょうか。
厚生労働省によると新規学卒者の3年以内の離職率は3割を超えており、3人に1人は3年以内に離職しています。これでは、人材の確保・育成への多大な投資が無駄になってしまうだけでなく、人員配置や正常な事業運営にも影響を及ぼします。離職防止のための取り組みに着手しなくては、とお考えの方も多いでしょう。
そのためには、離職防止の取り組みを行うために、まず離職理由を知ることが肝心です。この記事では、新卒の離職率や理由、早期離職を阻止する対策について解説します。
「若手の離職防止には原因の分析が重要」
人材が不足してしまったら採用を行えば良い、と考える方もいるかもしれませんが、求人広告費・説明会資料や会場費、入社後の研修費などが発生し、従業員一人に対しての採用にかかる経費は平均50万円(※1)程度と言われています。
参照:マイナビ│企業新卒内定状況調査)
※1社あたり新卒採用費総額の平均を1人あたりの採用単価にした場合
仮に離職が慢性化してしまったら、人材にかかるコストが会社の利益を圧迫することに加えて、モチベーションの低下など、生産性に関わる問題も発生します。それを防ぐために、原因を分析し、離職防止の取り組みを行ことはとても重要です。本記事では、離職理由を大きく4つに分けて、解説していきます。
「労働条件の見直し」
エン・ジャパンが2019年に実施した「退職のきっかけ」実態調査によると、20代の退職のきっかけは「給与が低かった」が46%で第1位でした。さらに、残業時間や業務過多も離職の原因の1つです。とりわけ、ワークライフバランスを重視する傾向にある若手にとっては、残業時間や業務過多が離職の原因となることが多いでしょう。
労働時間を言及しての退職が多くみられる場合は、より効率的な働き方を模索するのが効果的です。なぜならば、給料形態には満足していても、プライベートの時間がないことに不満を抱いている可能性があるからです。対策としては、在宅勤務制度を取り入れることです。リモート勤務や時短制度を取り入れることで、同じ仕事内容をこなしても、作業効率を上げられます。
「職場の人間関係の改善」
仕事で成果を上げようと張り切っている従業員は少なくないはずです。
そんな中でも「人間関係」が原因で若手の早期離職が多いのであれば、正しいコミュニケーションが行われていない可能性があります。対策例としては「おひたし」があります。おひたしとは、お:怒らない(感情的に)、ひ:否定しない(頭ごなしに)、た:助ける(困っていることがあれば)、し:指示する(出来るだけ具体的に)です。これを管理職に浸透させるだけでも離職予防に繋がります。
「仕事への充実感や成長環境への見直し
働きがい研修所が出しているデータによると、最も多い退職理由は「キャリア成長が望めない」だそうです。日本に根強く定着していた終身雇用も終わりを迎えた今日、キャリア成長のために早期離職をする若手も増えてきているのかもしれません。対策の一つとして、インセンティブポイントというのがあります。もともとインセンティブポイントとは、社員の「やる気」を報奨によって引き出すことを目的に作られたポイントシステムです。アミューズメント施設を運営するY社は、かつて離職率が157%と危機的状況でした。そこでこのインセンティブポイントを導入し、結果、離職率が38%まで低減しました。
「自分がやったことが数字として評価される」とわかる制度があると、モチベーション向上に効果が期待できます。
「若手の退職希望者の引き止め方」
もし若手の退職希望者が出てしまった場合、どのようにして引き止めるかは、リーダー層や人事担当者が向き合わなければいけない問題です。引き止め方のポイントを、3ご紹介します。
1.しっかりと話を受け止めること
まず、希望者の意向を受け止めることが大事です。どのような理由から退職をするのか、いつ頃の退職を検討しているのかなど、とにかく聞く姿勢をとると、その後の話がスムーズに進みます。
2.本音を聞き出す
3つのポイントの中で最も重要なのは、この本音を聞き出すことです。退職希望者は建前の用意してくる可能性が高いです。建前の理由について議論を重ねても、若手の早期離職は防げません。そのためにも、誠実に向き合い、話し合いを重ねることが重要です。
3.自己開示をする
本音を聞き出すコツは、自己開示を行うことです。自身の体験談を織り交ぜつつ、今後の会社の方向性や若手にどんな成長を望んでいるかなどを話すことで、退職希望者も最後の1歩を踏み留まるかもしれません。
まとめ
一昔前までは、「転職」はネガティブな言葉として捉えられていました。それがいまでは、世の中には求人メディアが溢れています。転職することが選択肢の1つになったことで、若手の早期離職にも拍車がかかりやすくなるのは、容易に想像できます。だからこそ、人事側が対策を講じるだけではなく、管理職のマネジメントスキルの向上(教育)も含めて、対策防止の外部サービスも検討するなど、継続的な施策を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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