なぜ古参メンバーは会社で居場所を失うのか?原因と活躍を促す3つの対策
創業期から会社を支え、長年にわたって成果を出してきた古参メンバー。企業にとって欠かせない存在である一方、会社の成長や組織化が進むなかで、これまでの強みを発揮しにくくなり、次第に居場所を失ってしまうケースは少なくありません。
特に、優秀なプレイヤーとして活躍してきた人ほど、マネジメントとの役割の違いに戸惑いやすい傾向があります。
この記事では、古参メンバーの居場所がなくなる原因と、組織の中で活躍し続けてもらうための具体的な対策を解説します。
この記事でわかること
- 古参メンバーの居場所がなくなりやすい理由
- プレイヤーとマネージャーの役割の違い
- 古参メンバーが活躍し続けるための具体策
目次
じつは古参メンバーが離職するケースは多い
「古参メンバーが会社に残らない…」、と感じたことはありませんか?
過去、会社の立役者だった社員、創業から一緒に走ってきてくれた社員が残らないということはよくあります。このような相談は少なくありません。
創業期から現在に至るまで貢献してくれた社員は、(以下創業メンバーと呼びます)間違いなく戦闘力が高いです。職種に寄りますが、いずれにしても成果が出せる人材です。また、労力を惜しまず、貢献意欲も高いです。
経営者としてはこのまま活躍してもらいたいと考える一方で、周囲がそれをなかなか許さないという状況もあります。
なぜ古参メンバーの居場所がなくなってしまうのか
古参メンバーはマネジメント業務がうまくいかず、会社で居場所がなくなるケースがあります。
古参メンバーはいわばその道のプロフェッショナルです。しかし、会社が大きくなるにつれて人が増えます。人が増えると、会社を組織化してマネジメント力が必要になります。
しかし古参メンバーは成果を出す力が強い反面、マネジメント力がない場合があります。マネジメント力がない方の場合、部下をうまくまとめることできず、チームとして成果を出すことができないでしょう。
上記のようなことが続くことで、会社からの評価が落ちてしまい、古参メンバーの居場所がなくなってしまうのです。
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古参メンバーが活躍するための解決策
古参メンバーの居場所を守り、活躍を促すための解決策についてご紹介します。
マネジメント教育
古参メンバーにとって、管理職としてのマネジメント力はとても重要です。
プレイヤーとして成果を出すために必要なスキルと、マネージャーに必要なスキルは別物です。多くの企業では、プレイヤーとして優秀だった社員が必然的に管理職のポジションに就きます。
中小企業において昇格試験がある企業はほぼありません。また、昇格基準を満たすための教育施策もありません。そのため、プレイヤーからマネージャーに昇格した場合、速やかな管理職教育が必要です。
マネージャーとして必要な知識やスキルがない状態で、チームの成果を求めるのは難しいです。成果を求めてプレッシャーをかけ過ぎると、会社の立役者だった古参の社員たちの居場所がなくなってしまう可能性があります。
そもそもマネジメント層に求められる役割について知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。プレイヤーとマネジメント層の違いを把握することで、より古参社員の立ち位置を理解しやすくなるはずです。
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マネジメント層とは?役割や育成方法をご紹介
昇格基準を見直す
昇格基準を見直すことも、古参メンバーの居場所を守ることに繋がります。
そもそも論になりますが、管理職としての資質がないのに、過去の実績だけで昇格させることは誤りです。古参メンバーで会社に貢献してきた人材だからこそ、高いポジションに就いてもらいたいという気持ちはよく理解できます。
しかし、その後に不調を来たし、居場所が無くなってしまうのなら、本人のためにも好ましくありません。
そのため、昇格させる前に、一度テストをしてみることをおすすめします。
一般的には課長補佐という役職に就け、少人数の部下を率いた結果を評価をします。チーム全体の成果だけでなく、管理職としての成長度合いも非常に重要な指標です。
評価するためには、「成果が出せなければ昇格しない」、「過去の実績だけで昇格をさせない」という経営者の強い意思が必要でしょう。本人の気持ちを考えるのであれば、次の施策も効果的です。
マネジメントさせない
どうしても古参メンバーが管理職として活躍することが難しい場合は、マネジメントさせないという選択肢もあります。
成果を出し、そこそこの年齢と社歴を積めば、誰しもが管理職になるという常識をお持ちではないでしょうか。一方で、前述したように、プレイヤーと管理職の仕事は明らかに違います。優秀なプレイヤーが管理職になったせいで、本人が潰れてしまうこともあります。
そのため、管理職をさせずに、プレイヤーとして専念させたほうが、本人にとっても、会社にとっても良い方向に働くことがあります。
例えば、プロフェッショナルコースとマネジメントコースのような位置づけです。プロフェッショナルコースを選んだ社員は、マネジメント業務をせず、本人の成果のみで評価をします。プロフェッショナルコースにあった等級と役職を設定すれば問題は起きません。
このようにキャリアパスの設定で、プレイヤーとして突き進めるプランがあっても良いのではないでしょうか。実際に大企業では部下を持たない、一人課長や一人部長というポジションが存在しています。
まとめ
古参メンバーが会社で居場所を失ってしまう背景には、本人の能力不足ではなく、会社の成長に伴う役割の変化と、評価・配置のミスマッチがあります。優秀なプレイヤーが必ずしも優秀なマネージャーになるとは限りません。だからこそ企業には、昇格基準の見直しや管理職教育の充実、さらにはプレイヤーとして活躍し続けられるキャリアパスの整備が求められます。
古参メンバーの強みを正しく活かす仕組みをつくることが、本人の働きがいを守り、組織全体の成長にもつながるのです。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。