管理職に求められる問題解決力とは?3種類の課題と実践アプローチを解説
管理職には、目の前で起きているトラブルへの対応だけでなく、組織に潜む課題を見つけ、将来を見据えた施策を考える力が求められます。
本記事では、管理職が押さえておきたい「問題の3種類」をはじめ、問題を早期に察知するポイント、原因志向型・未来志向型の問題解決アプローチ、実行力を高めるアクションプランの考え方までわかりやすく解説します。
この記事を読んでわかること
- 組織内で起こる3種類の問題
- 問題を事前に察知するために必要なこと
- 問題解決のためのアプローチ方法
- 問題解決のためのアクションプラン設定のポイント
目次
問題の3種類(発生・発見・創造)
問題は、その性質や捉え方によって、発生型・発見型・創造型の3つに分類できます。
管理職には、目の前で起きている問題に対応するだけでなく、立場や視点を変えて課題を見つけ出し、将来起こり得るリスクまで見据えて対策を講じることが求められます。
発生型は「誰でも認識ができ、すぐに手を打つべき問題」
起こった事象が誰でも認識できる問題が、発生型の問題です。
お客様からのクレームやトラブル、納期の遅延、事故の発生、離職の問題、近年ではハラスメントの問題などがあります。営業進捗が悪いというのも発生型の問題です。
この発生型の問題は放置ができないため、応急処置が必要となります。
管理職に求められる発生型の問題解決能力は、問題処理ではなく、同様のことが起きないように対策を講じることです。
発見型は「視座を変えて探すことであらわになる問題」
視座、つまり視点を変えて見えてくる問題が、発見型の問題です。視座とは立場を変えて物事を捉えることです。お客様の目線になる、相手の立場になる、という考え方は日頃よく耳にします。
お客様の立場、取引先の立場、上司の立場、経営者の立場、部下の立場などさまざまな立場があり、立場の数だけ見え方も変わります。
客観視というのは、どこまでいっても当事者による客観視なので、純粋な客観的視点は持てませんが、時に一度立ち止まり、捉え方を変えることはとても大切です。
創造型は「時間軸を未来に変え、将来に起こる可能性のある問題」
時間軸を長くとることによって見えてくる問題が、創造型の問題です。
例えば、毎年社員を2、3人採用している企業であった場合、その年に採用ができず0人だったとします。それが原因で2、3年後に倒産してしまうかといえばそうではありません。
しかし、その採用ができない状態が10年、20年と続けば、これは大問題となります。
他にも、今の業態や仕事の進め方のままで、30年後、50年後も会社は存続できますでしょうか。
未来は不確実性の高く、技術革新も進んでいる近年では、変化が必要になります。
問題を察知するには
問題を察知するには察知能力を高めるか、行動レベルでの施策が必要になります。問題の察知にはコミュニケーションが欠かせません。逆に言えば、コミュニケーションを取ることによって問題を早期に察知できます。
特に察知しやすいのは挨拶の時の表情です。何かしらの問題や不安がある場合、表情や目に現れます。
「大丈夫?」と声掛けをしても「大丈夫です」と回答があるだけで、言葉だけで判断せず、言葉の温度感も見極めて行く必要があります。
おすすめの行動レベルの管理
問題を察知のための、おすすめの行動管理方法は、以下の3つになります。
- 報告連絡相談を密にとる
- タスクの見える化や共有をする
- 1on1面談の実施
仕事の基本とされる事項やルールのマニュアル化などを徹底することで、問題を見逃すことなく察知ができるようになります。
原因志向型の問題解決アプローチ
原因志向型の問題解決アプローチは、主に発生型や発見型の問題で活用します。問題が起きた時に、その問題に対処すれば終わりではありません。
例えば、虫歯になって痛みが出た時に、痛み止めを飲みます。その時の痛みは緩和できますが、根本的な解決に至っていません。問題が起きるには原因があります。その原因を特定し、その原因に対するアプローチが必要となります。
原因思考型の問題解決アプローチ
原因志向型の問題解決アプローチは、主に発生型や発見型の問題に用いられます。
問題が起きたときは、目の前の事象に対処するだけでなく、その原因を特定し、再発防止につなげることが重要です。表面的な対応にとどまらず、根本原因にアプローチすることで、より本質的な解決が可能になります。
- 問題設定:現れている問題を捉えます。時には立場を変えて物事をみることも大切です。
- 原因追求:「なぜそれが起きたのか?」というWhyの視点で原因を深掘りします。
- 対策立案:その原因が今後起きないよう、対策立案を考えます。
- アクションプラン:実行力を伴うように実施タイミングを設定し、効果測定をします。
未来志向型の問題解決アプローチ
未来志向型の問題解決アプローチは、主に創造型の問題で活用します。これにはOODAループが参考になります。
OODAループ
OODAループとは、状況に応じて最適な意思決定をするためのフレームワークです。主に以下の4つを循環させて、問題解決のアプローチを行います。
- 観察
- 分析
- 決定
- 改善
未来志向型の問題解決アプローチは、OODAループのように外部環境や内部環境の変化をくみ取ります。状況を観察したうえで、あるべき姿を設定します。当然、現状とあるべき姿にはギャップがあるので、そのギャップを埋めるために施策が必要となります。
外部環境も内部環境は刻々と変化をし、そのスピードも早く、予想が難しいという側面があります。そのため、コンティンジェンシープラン(シャドープラン)と呼ばれる、Bプラン、Cプランを策定することが好ましいです。
ただ、手間もコストも掛かるので、どこまで作り込むかはリソース次第でしょう。
アクションプラン設定のポイント
いずれかの捉え方で抽出された課題は、具体的な施策や行動レベルに落とし込み、推進していく必要があります。実行力が伴う計画にするには、下記3項目が重要になります。
- 行動する言葉
- タイミング設定
- アウトプット設定
行動する言葉
「心がける」「注意する」など意識系の言葉は、実行力が低くなります。必要なのは行動であって、マインドではありません。その意識をどのような行動に移すのかまで設定することが重要です。
タイミング設定
通常業務で忙しい中、緊急性は無くても重要な施策を実行していくためには、タイミングの設定が重要です。いつかやろう、時間が空いたらやろうは永遠に来ない可能性があります。何曜日の何時からという詳細が必要です。
アウトプット設定
施策の進捗を把握し、PDCAを回すためにも効果測定が必要になります。効果測定のためには、見える化やアウトプット(成果物)が好ましいでしょう。チーム内での共有にすれば、ナレッジの共有にもなります。
まとめ
管理職に求められる問題解決力とは、発生した問題に対処するだけでなく、原因を特定して再発防止につなげること、さらに立場や時間軸を変えながら将来の課題まで捉えることです。日頃のコミュニケーションや情報共有を通じて問題を早期に察知し、具体的な行動計画に落とし込んで実行していくことが重要です。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。