新入社員の配属先、いつ決める?約6割が「入社前・当日」に決定する理由と注意点
4月に新入社員を迎えるにあたり、「配属先を決めるタイミング」で頭を悩ませている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
「入社前に決めるべきか、研修後に適性を見てから決めるべきか…」と迷ってしまいますよね。
調査によると約6割以上の企業が「入社前」もしくは「入社当日」に配属先を決定しています。
本記事では、新入社員の配属を決める一般的なタイミングについて、他社のデータに基づき詳しく解説します。新入社員のモチベーションを下げず、企業と本人の双方が納得する配属を行うためのポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 入社前・入社当日に配属が決まるケースの理由と注意点
- 研修後に配属を決める企業が、配属基準で最も重視しているポイント
- 配属先が急遽変更になるケースと、離職を防ぐための必須の配慮
入社前に決まるのがほとんど
新入社員の配属先は、入社前に決まることがほとんどです。リクナビの調査によると、「入社前」に配属が決まった方が43.3%で、一番多い割合になっています。
「え、入社前に決めるの?」と思われた方もいるのではないでしょうか。では、「入社前に決める」ケースはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
実は、内定式が終わったあと、すぐに配属先が言い渡される会社が存在します。「適性もわからないのに決めて大丈夫か」と思われるかもしれませんが、こういった場合、会社は新入社員をキャリアパスという長い目で見ています。
キャリアパスとは、新入社員をこれからどう育て・どういうスキルや職種を経験させるかというルートです。3年、5年、10年といったスパンで考えているため、最初の配属は「希望に合っていなくても問題ない」としている企業も多いです。
次いで多いのは入社式当日・入社直後
リクナビの調査によれば「入社当日」に知った方が22.5%です。つまり、先ほどの「入社前」の43.3%を足すと、約6割の方が入社前もしくは入社当日に、配属先を知ったことになります。この場合は事前に素質を見ていることがほとんどです。採用時の面接はもちろん、懇親会や事前研修などで新入社員の資質を確認して、各部署にふさわしい人材かどうかを見極めています。
一方、入社当日・入社直後に配属が決まる場合問題になるのは、「転勤」を伴う時です。特に、東京に住んでいるのに地方勤務になった場合は引っ越しが大変です。「入社式に辞令を下して配属」が流れとしてはきれいですが、新入社員にとっては負担になってしまう場合もあります。引っ越しといったことも考慮した配属時期が重要です。
研修中に適性を見て配属先が決める企業もある
企業によっては、新入社員研修での適性や本人の希望を見て配属先を決めます。
株式会社リクルートが2024年に発表した「新入社員の入社後の配属について」の調査によると、配属時に重視される点は、企業側の事情と本人の意向の双方を考慮する方向へと変化しています。
同調査において、配属のやり方を見直しできている企業が「配属に関する実施方針」で重視している項目の割合は以下の通りです。
- 学生/新入社員のスキルや経験と配属先での職務とのマッチング度合い:79.3%
- 学生/新入社員の成長機会や能力開発観点:79.3%
- 部署の人員充足:78.4%
- 学生/新入社員の希望:77.5%
このように、かつてのように「適性」だけが突出して重視されるのではなく、「適性(マッチング度合い)」、「本人の希望」、「成長機会」、そして企業の基本である「部署の人員充足」がいずれも8割近くの高い水準で重視されていることがわかります。
もし仮に新入社員の希望通りの部署に入れたとしても、適性がなければ本人が思っているような働きができず、仕事に対するモチベーションを失ってしまう可能性があります。一方で、本人の希望を考慮せずに企業の人員充足だけで決めてしまうと、不満や離職につながる懸念もあります。
適性がある部署で早く仕事に慣れるほうが、モチベーション維持につながります。ですから、近年の企業は「人員充足」を満たしつつも、研修等を通じて「本人の適性」と「本人の希望」のバランスをしっかりと見極めて、配属先を決めているのです。
配属先は急に変わる場合もある
実は、配属先が急に変わるケースもあります。例えば、配属先が営業と決まっていたのに、新入社員研修に前向きに取り組む姿が評価されて、重要な部署に配属が変わるということもあります。
もっとも、組織の都合に左右されていることも少なくないです。たまたま欠員があって、そこに新入社員を投入するケースもあります。また、低迷する部署を変える起爆剤として、尖った新入社員をあえてその部署に配属するケースもあるそうです。
ただし、配属先を急遽変える場合は、本人の意向を汲んだうえで進めることが重要です。本人が希望していた部署から、希望でない部署への変更だった場合はなおさらです。本人の意向を汲まずに決めてしまうと、モチベーションの低下や、最悪の場合は退職してしまうこともあるので注意が必要です。
まとめ
今回は新入社員の配属時期について解説してきました。企業の業種・業態によって、他社の事例が合う、合わないといったことはあると思います。しかし、配属の際は、「本人の意向」と「適性」を重視することが、不満のない配属につながります。
新入社員と企業双方にとって、不満や禍根を残さない配属の時期と方法が大切になっていきます。ぜひ参考にしてみてください。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。