体育会系の企業に多い「ブラック」新入社員研修は要注意!理由とは?
新卒採用に伴い、多くの企業が実施する「新入社員研修」。新入社員に早く一人前になってほしい、気合を入れたいという思いから、かつてのような精神論や根性論を押し付けていませんか?
実は、体育会系企業に多く見られる行き過ぎた指導、いわゆる「ブラック研修」は、今の若手社員には通用しないばかりか、パワハラによる離職や訴訟、企業の風評被害といった深刻なリスクを孕んでいます。
本記事では、企業にとって要注意となる「ブラックな新入社員研修」の具体的な特徴と、時代遅れの研修が引き起こす危険性について詳しく解説します。
時代に合わない危険な研修を見直し、新入社員のポテンシャルを最大限に活かすためのヒントとして、ぜひ最後までお読みください。
この記事からわかること
- 体育会系企業に陥りがちなブラック研修の3つの特徴
- 今の若手層に「感情論」や「根性論」が響かない・逆効果になる理由
- ブラック研修が企業にもたらす計り知れないリスク
- 新入社員のモチベーションと成長を根本から引き出す「正しい教育アプローチ」
目次
そもそも体育会系の企業とは?
そもそも体育会系の企業とはどういう企業でしょうか。
体育会系といわれる企業の定義は決まっていないようですが、一般的に体育会系の部活動や、サークル出身者が多く在籍している傾向があります。特徴としては上下関係に厳しく、飲み会や会社内での付き合いが多いです。体育会系の企業の採用では、もちろん体育会系の出身者が重宝されます。
その理由として、肉体的・精神的にきついことや、多少の理不尽さにも耐えられる人材を求めているからです。業界で言うと、証券会社や大手広告会社、テレビ局、新聞社、訪問販売の企業に多く見られます。
成果重視、人との繋がり、縦社会を大事にするという特徴が、お互いのニーズと強み両面にマッチしている点があげられます。
「ブラック」新入社員研修とは?
それでは、体育会系の企業が導入しがちな新入社員研修とは、どのような研修なのでしょうか。注意点についてもご紹介します。
精神論や感情論が多い
「本気を出せ」「気持ちが足りない」「最後までやり切れ」というような、曖昧な表現で指導をすることが多いです。確かにこれらはビジネスではとても大切ですが、新入社員研修では具体的なHOWTOにもフォーカスすることが必要です。
なぜなら昨今の若年層には、直接的な感情論や根性論は敬遠されやすいからです。感情論や根性論では、具体的にどうすればよいのかがわからず、受け取り方も人それぞれになります。
特に入社当初の新入社員は、仕事の進め方ややり方を求めます。たしかに、感情論や根性論が大切になるケースもあります。しかし、真っ向から気持ちが大事だと伝えても、多くの若年層にポカンとされてしまうでしょう。
もし社会人としてのマインドセットや、根本としての人間性を鍛えたい場合は、スキルからアプローチをしてみましょう。例えば、100人が営業スキルを学んで、100人全員がきちんとスキルを現場で発揮しても、全員が全員、成果を上げるわけではありません。それはスキルではなく、顧客を思う気持ちや商材への愛着など、気持ちの側面が関係します。「技を磨いて心に至る」教育が、今の若手に適しているといえます。
とにかく大声を出す
大声で挨拶をする、社歌を歌う、という行為を何度も何度も繰り返します。最初から大きな声を出しても関係ありません。とにかく何度も何度も繰り返します。「ブラック」研修を受けた後の効果にも関係しますが、少し前にこの研修が流行ったのは、研修終了後、会社に戻った時に声が大きくなって帰ってくるからです。「元気の良い挨拶が出来ていいね」と、研修に行く前と後で変化をわかりやすく感じることが出来ます。
ただしその効果が続くのも長くて2週間です。2週間後には夢から覚めたように元通りになってしまうでしょう。
精神的な圧力をかける
「お前はダメだ」「価値がない」「何もできない」「採用の失敗だ」など、新入社員の人格否定を行い、精神的に圧力をかけます。しかも、全員の前で罵倒され続けます。ひたすらに圧力をかけることで、会社と新入社員の力関係を明白にし、「会社に従う従順な社員」を創り出そうとします。
会社のカラーを手っ取り早く植え付けるのには良いかもしれません。結果的に「会社にとって都合の良い人材を創り出す」ことができます。しかし、新卒採用の意図として新しい風を入れるという意味合いを込めている場合は逆効果です。
変化の速い時代に新しい考えを持った人材の力は非常に大切です。ただ、人格否定をすることで思考を捻じ曲げ、偏った考え方を植え付けることで、研修受講者のアイデンティティは破壊されてしまいます。
「ブラック」新入社員研修はパワハラと感じやすい
今までも「ブラック」新入社員研修を受けた後の受講者が、パワハラを理由に訴訟を起こしています。行き過ぎた場合は研修を受けた方が自殺をし、遺族が勤め先などに損害賠償を求めているケースもあります。企業としても非常にリスクが高いです。
「ブラック」研修を行うのにも企業として、理由があるからだと思いますが、SNSなどの普及により、一人ひとりの発信力の影響もある中で、企業として社員を追い詰めるような研修を行うことは社員のメンタルダウンはもちろん、風評被害や、損害賠償など数えきれないほどのリスクを伴うでしょう。
まとめ
今回は、体育会系の企業に多い「ブラック」新入社員研修の特徴と要注意点についてお伝えをしました。
社員の普段の行動がいまいちパッとしない、気合を入れさせたいと考える経営者や上司は少なからずいらっしゃると思います。そのためのアプローチは「ブラック研修」ではありません。
成功実感を与える、本人自ら気づかせるというアプローチをとることで、根本からの改善につながります。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。