企業向け研修サービスPDCAの学校
コラム
管理職・マネジメント

簡単!「リーン」「デザイン思考」「アジャイル」の違いをわかりやすく解説!

新規事業やシステム開発の現場で頻繁に耳にする「リーン」「デザイン思考」「アジャイル」。それぞれの言葉の意味を何となく知っていても、具体的な違いや実践での使い分けに迷うことはありませんか?

本記事では、これら3つのビジネス手法の基本から決定的な違い、そしてプロジェクトを成功に導くために欠かせない「相互の関係性」までをわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 「リーン」「デザイン思考」「アジャイル」とはなにか
  • 3つの手法の「違い」
  • 実践におけるポイント
目次

「リーン」「デザイン思考」「アジャイル」とは

リーン、デザイン思考、アジャイルとは何かについて解説します。

リーン

「リーン」とは「ムダがない」ことを意味し、もともとはアメリカのマサチューセッツ工科大学がトヨタ生産方式を研究して生み出した「リーン生産方式」に由来します。

現在ビジネスで使われる「リーン(リーン・スタートアップ)」は、この考え方を新規事業や製品開発に応用したものです。最初から完璧なものを目指すのではなく、必要最小限の機能を持った製品(MVP)をいち早く世に出し、顧客の反応を見ながら改善や方向転換を行うのが特徴です。

初期投資や失敗した際のリスクを最小限に抑えられるため、資金が潤沢でないケースや不確実性の高いプロジェクトに適しています。

デザイン思考

デザイン思考とは、消費者やエンドユーザーを深く観察し、共感することで、彼ら自身も気づいていない「潜在的なニーズ」を理解し、新たな価値を生み出すアイディアを創出する考え方です。

作り手側の都合や思い込みを捨て、徹底したユーザー視点で物事を考えます。「ユーザーが本当に求めているものは何か」「どんな課題を解決したいのか」を突き詰め、技術革新やサービス開発の土台を作ります。

アジャイル

アジャイルは、主にシステムやソフトウェア開発で用いられる開発手法の一つです。従来は、設計から製造、テストまでを一直線に行い、工程の後戻りをしない方法(ウォーターフォール型)が一般的でした。

対してアジャイルは、システム全体を一度に作るのではなく、小さな単位ごとに「実装」と「テスト」を短いサイクルで繰り返しながら開発を進めます。これにより、途中の仕様変更や顧客からのフィードバックに柔軟に対応でき、素早さ(アジリティ)を重視した開発が可能になります。

目的とフェーズで比較!3つの手法の「違い」

「リーン」「デザイン思考」「アジャイル」の3つは、いずれも効率的で価値のあるビジネス・開発を目指す点では共通していますが、「何に焦点を当てているか」と「どの段階で力を発揮するか」に明確な違いがあります。つまり、それぞれ目的とフェーズに違いがあるのです。

3つの手法の「違い」

手法

メインテーマ

得意なフェーズ

目的

アプローチの特徴

デザイン思考

何を作るか?

・ゼロからイチを生む
(アイデア創出)

ユーザーの潜在的なニーズや、本当に解決すべき課題を発見すること。

モノを作る前に、まずはユーザーを観察・共感し、深く理解する。

リーン

それは売れるか?

・ビジネスモデルの検証
(価値の証明)

生み出したアイデアが市場で通用するか、無駄なコストをかけずに検証すること。

最小限の製品(MVP)を市場に出し、顧客の反応を見ながら軌道修正する。

アジャイル

どう早く作るか?

・プロダクトの開発・実行
(開発の遂行)

途中の仕様変更などに柔軟に対応しながら、スピーディーに製品を作り上げること。

全体を一度に作るのではなく、小さな単位で「実装」と「テスト」を繰り返す。

ここでは、それぞれの手法の違いに焦点を当てて解説します。

デザイン思考:「何を作るべきか」を探求する(ニーズの発見)

プロジェクトの最も初期段階において、そもそも何を開発すべきなのかを探るためのアプローチです。作り手側の思い込みや都合を一旦捨て去り、ユーザーの行動を深く観察して共感することで、彼ら自身すら気づいていない潜在的なニーズや本当に解決すべき課題を見つけ出します。

リーンが「まずはモノを作って市場の反応を見る」手法であるのに対し、デザイン思考は「モノを作る前に、まずは相手を深く理解する」というゼロからイチを生み出す段階に重きを置いている点に決定的な違いがあります。

リーン:「ビジネスとして成立するか」を検証する(価値の証明)

見つけ出した課題やアイデアが、本当に市場で売れるのか、ビジネスとして通用するのかを確かめるための手法です。最初から完璧な完成品を目指すのではなく、必要最小限の機能だけを持たせた製品(MVP)をまずは世に出します。その上で、実際の顧客の反応を確かめながら改善を加えたり、時には思い切って方向転換したりと軌道修正を繰り返します。

デザイン思考がニーズの発見を目的とするのに対し、リーンはアイデアを実際に形にして市場に問い、「無駄なコストをかけずにビジネスモデルを構築・検証する」ことに特化している点が異なります。

アジャイル:「どうやって早く・柔軟に作るか」を実行する(開発の遂行)

作るべきものやビジネスの方向性が定まった後に、それを実際にどう形にしていくかという実行プロセスに特化した手法です。システム全体を一度に作るのではなく、小さな単位ごとに実装とテストを短いサイクルで繰り返しながら開発を進めていきます。開発途中での仕様変更や顧客からのフィードバックに柔軟に対応でき、変化の激しい状況下でもスピーディーに製品を作り上げることが可能になります。

デザイン思考やリーンが「何を・どう売るか」というビジネスの方向性を探るフェーズであるのに対し、アジャイルはすでに決まったものを「どう効率よく確実に作るか」という開発の遂行に特化している点に明確な違いがあります。

それぞれの手法の関係性

それぞれの手法は全く関係性がないわけではありません。

例えば、リーン・スタートアップとアジャイルの関係について考えた際、大きな括りとしてリーン・スタートアップがあり、その中の一部としてアジャイルが挙げられます。リーン・スタートアップとアジャイルを組み合わせるケースも非常に多いです。お互いに補助的な関係性と言われることもあるため、リーン・スタートアップだけではうまくいかない部分にはアジャイルを活用し、その反対についても検討してみると良いでしょう。

また、それぞれの関係性の中にデザイン思考を導入することにより、更に求めているものや行わなければならないことが明確になるケースがあります。できる限り顧客のニーズを満たしている商品を作りたいと考えた際にはリーン・スタートアップとアジャイル、デザイン思考をそれぞれ活用していくことが重要だといえます。

柔軟な考えで取り組んでいくことが必要

リーン、デザイン思考、アジャイルとは何かについて解説しました。ビジネス開発や商品・サービスの開発も行っていく際にはリーン、デザイン思考、アジャイルを役立ててみてはいかがでしょうか。

どの方法を選択しようか考えた際に「リーンか?アジャイルか?」と考えてしまうことがありますが、どちらも検討していくのが正しいといえるでしょう。それぞれ関係性があるものなので、切り離して考えるのではなく、デザイン思考も含めてすべて活用しながら最適な方法について考えていく必要があります。

まずはご相談ください

自社の課題を整理し、最適な研修・育成の方向性を明確に。 PDCAに精通したコンサルタントが、現状に合わせた具体的な選択肢をお伝えします。

浅井 隆志
著者情報

浅井 隆志

代表取締役

現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。

コラム一覧に戻る

関連記事

お役立ち資料をダウンロードする