評価制度の方法5選

2023.06.09評価制度組織づくり

評価制度の方法5選

評価制度にはさまざま指標や方法があります。それぞれメリットもあれば気を付けなければならない注意点もあります。本日は、人事評価に活用される主要な評価手法を簡単に解説します。

評価制度の方法

MBO(目標管理制度)- 目標を主体的に決め定量評価する
OKR - 企業全体の目標から逆算し、個人レベルで目標設定を行う
360度評価 - 複数の立場の人から多角的な評価を得る
コンピテンシー評価 - 資質や行動特性を指標とする
バリュー評価 - 自社の価値観や行動規範を指標とする

MBO(目標管理制度)

MBOとは、達成度を(定量的に)評価する評価制度です。チームで達成すべき目標や社員一人ひとりが達成すべき目標と様々です。社員が自ら目標を設定します。主体的に進捗や実行を管理するのも特徴です。社員の自主性を促して自律的に成長するチームをつくりあげるのに役立ちます。

目標設定といえば会社側が決めたことを、人数で割り振って、おろすイメージがあります。会社から予算やノルマという位置づけで与えられます。
MBOは上司と部下がコミュニケーションをとりながら、合意形成をして目標を定めます。

また、一律に目標を決めるのではなく、社員個人の能力に見合った目標を設定することもポイントです。

導入のメリット
・社員の自主性を促すことで責任感をもたらすことができる。
・個人差を加味して設定することができるので個人としての成長を促せる。

導入のメリット
・社員が目標以外の業務は他人事になってしまう。
・会社が求める水準の目標をしてもらえない。よって全体目標と合致しない。

 

OKR「全体目標と構成要素」

OKRは、会社が決めた全体目標に対して、各部門やチーム、社員個人に細分化して設定をします。企業が達成すべき全体目標がObjectives。チームや個人の構成要素がKey Resultsです。全体成果への寄与度や貢献度も評価がしやすい特徴があります。

前述のMBOは上司と部下で目標を決めます。OKRは全社的に目標を共有します。個人の成果がどれだけ全体に影響を及ぼしているのかが可視化されます。参画意識や貢献意欲を引き出すことができます。

導入のメリット
・誰がどのような役割を担っているのかが理解できる。
・一体感を醸成して企業理念やミッション、ビジョンが浸透しやすい。

導入のデメリット
・進捗の良し悪しが明らかになるので、必要以上にプレッシャーを与える。
・定性的な業務と定量的な業務の評価を混在させにくい。

 

360度評価

360度評価は上司だけの評価に不満がでることをなくすことができます。一般的には同僚からの評価を取り入れます。また、他部署や部下からの評価を取り入れるケースもあります。サービス業の場合、顧客からの評価もあります。

客観的で公平な評価が期待できます。評価される社員自身も納得感が醸成されやすいでしょう。多人数からの他視点の評価は、本人の成長に貢献するフィードバックの役割にもなります。

しかし、評価する側との人間関係の問題があります。能力や成果は抜きにして、好き嫌いで評価にバイアスがかかる場合があります。また、360度評価のために、本来言わなければいけないことを控えてしまうような弊害もあります。

導入のメリット
・公平な評価という納得感がある。
・自分自身で気づけなかった強みや弱点を理解できる。

導入のデメリット
・日頃の関わりが少ないと、平均的な評価しかしなくなる。
・人間関係がギスギスしたり、気にしすぎて疲れる。

 

コンピテンシー評価

業績につながる資質や行動特性を分類したものが、コンピテンシーです。成果そのものより成果を出す能力評価と表現すればわかりやすいでしょう。

優れた業績を出し続けるための行動やスキル、知識などの行動特性を分析します。おススメは社内にいるハイパフォーマーの分析です。組織の規模やフェーズに準じた都度の柔軟な運用が可能です。

コンピテンシーのみの評価になると年功序列的な職能評価に近くなります。合わせてMBOやOKRを併用することで、業績達成の可能性が担保されます。

導入のメリット
・行動レベルで何をすべきかが明確になる。
・自社の社員としてのあるべき姿が定義されて、理念が浸透します。
導入のデメリット
・理想的なコンピテンシーを選択できているかの検証が難しい。
・経営環境(規模や情勢)が変わるごとに軌道修正が必要になる。

 

バリュー評価

企業の行動基準を評価のメインにします。一昔前までは行動基準や行動指針という表現が一般的でした。最近では、企業の価値観(バリュー)として表現されています。

企業の掲げるミッションや理念などはあいまいなものが多いので、具体性を持たせることが必要です。価値観を現場に合わせた行動レベルへの解説が必要になります。

コンピテンシーに近しいですが、コンピテンシーは業績に紐づいた行動特性。バリュー評価は企業理念に紐づいた行動特性。重複するところとしないとこが混在します。

導入のメリット
・価値観をすり合わせることでエンゲージメントを高められる。
・態度教育(仕事への姿勢やマインド)の効果もある。
導入のデメリット
・会社の価値観が明確になっていないと設定ができない。
・理念と価値観のつながりに納得感を持たせづらい。

 

まとめ
どの評価制度にもメリットとデメリットがあります。企業の特色、または方向性によって選択が必要です。組み合わせることで評価の広がりもあります。

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