【あなたは知ってる?】人材開発支援助成金のコト

2024.11.12

今回は、弊社の研修を受講されている企業様も利用されている、従業員に教育を施すと国から費用が助成される「人材開発支援助成金」の特定訓練コースについて解説していきたいと思います。

目次
①  人材開発支援助成金とは
②  特定訓練コースとは
③  申請のメリットデメリット
④  まとめ

①  人材開発支援助成金とは

皆さん、そもそも人材開発支援助成金とは?という疑問にあふれている方もいらっしゃるかと思いますのでまずは、解説していきたいと思います。

人材開発支援助成金とは、労働者のキャリア形成の促進を目的とした助成金のことです。人材開発支援助成金では、企業が従業員に対して職務に関わる専門的知識や技能獲得のための研修(訓練)を計画・実施した場合や、育成に向けた制度導入を行った場合に助成金が支給されます。実施にかかる経費などを補うことができるため、企業は人材育成に取り組みやすくなります。

上記が人材開発支援助成金の概要です。

今般、慢性的な人手不足を背景とした人材採用難から、自社内で人材を育成する必要性が増えています。

企業が育成に積極的に取り組むことが出来るように、
育成に関する費用の何割かを支援するのがこの助成金の目的です。

この助成金と並ぶものに、キャリアアップ助成金があります。

この2つはよく混同されるため、キャリアアップ助成金についても説明しておきます。有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。

簡単にいえば、非正規雇用者が正規雇用者になるための支援を行い、雇用の安定や処遇の改善を推進するための制度

非正規から正規雇用に転換をすれば助成されるという仕組みです。

人材開発支援助成金が正規労働者向けのものである一方、キャリアアップ助成金は非正規労働者がキャリアアップのための訓練をする助成金です。

なのでこの2つは対象が異なりますので、混同しないようにしましょう。

②  特定訓練コースとは

次に私たちの研修を受講する企業の皆さんがよく活用されている、人材開発支援助成金の中の特定訓練コースについて解説していきたいと思います。

「特定訓練コース」とは、職業能力開発促進センターなどが定める特定の訓練を受けた場合に助成を受けられるコースです。7種類の訓練メニューがあります。

〇コース:生産性向上訓練

内容:労働生産性の向上につながる訓練【Off-JT】

対象: 雇用保険の被保険者

条件:実訓練時間が10時間以上であること

〇コース:若年人材育成訓練

内容:若手労働者のスキルアップを目的とした訓練【Off-JT】

対象:雇用契約締結後5年以内、かつ35歳未満の雇用保険の被保険者

条件:実訓練時間が10時間以上であること

〇コース:熟練技能

内容:育成・承継訓練 熟練技能者の指導力強化や技能承継を目的とした訓練

対象:雇用保険の被保険者 

条件:熟練技能者の指導力強化または技能承継のための訓練、もしくは認定職業訓練のいずれかであること、実訓練時間が10時間以上であること

〇コース:グローバル人材

内容:育成訓練 海外関連の業務に従事する労働者を対象にした訓練【Off-JT】

対象:雇用保険の被保険者 

条件:海外関連の業務を行う事業主が実施する、海外関連の業務に関連する訓練であること、実訓練時間が10時間以上であること(海外の訓練施設などで実施する場合は30時間以上)

〇コース:特定分野認定実習
内容:併用職業訓練 建設、情報通信業を対象にした厚生労働大臣の認定を受けた訓練【Off-JT/OJT】

対象:15歳以上45歳未満で、所定の条件に当てはまる雇用保険の被保険者のうち、建設業、製造業、情報通信業の労働者

条件:建設業、製造業、情報通信業に関する、認定実習併用職業訓練(厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練)であること、実施期間が6カ月以上2年以下であること、キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを交付されること(一部の対象者を除く)
※申請を行う前に、厚生労働大臣の認定を受ける必要あり

〇コース:併用職業訓練

内容:業種を限定しない、厚生労働大臣の認定を受けた訓練【Off-JT/OJT】

対象:15歳以上45歳未満で、所定の条件に当てはまる雇用保険の被保険者

条件: 認定実習併用職業訓練(厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練)であること、実施期間が6カ月以上2年以下であること、キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを交付されること
※申請を行う前に、厚生労働大臣の認定を受ける必要あり

以上5つが特定訓練コースです。

もし皆さんの中で対象となる訓練を受けているにも関わらず、助成金を申請していないんであれば、ぜひ申請してみてください。

申請する場合は各訓練メニューで提出書類が異なります。詳しくは、厚生労働省『人材開発支援助成金(特定訓練コース)の申請に必要となる書類一覧』をご確認ください。

③  申請のメリットデメリット

次に人材開発支援助成金を申請するメリットとデメリットを確認していきたいと思います。

メリット:人材育成にかかる費用が抑えられる
人材開発支援助成金を利用する一番のメリットは、人材育成における企業の費用負担を減らせる点でしょう。特に中小企業に対して手厚い助成額が設定されているので、これまで費用の問題から社員のキャリアアップに力を入れにくかった企業にとってはうれしい制度です。企業側が背中を押すことで、社員自身のキャリアアップへの意欲を高める効果も期待できます。

デメリット:申請手続きに労力がかかる
助成金を申請するには、多くの書類作成が必要です。特に人材開発支援助成金の場合は、訓練などを実施する前後でそれぞれ申請しなければならないので、企業によっては負担に感じることがあるかもしれません。また、訓練完了後の支給申請から受給までに時間がかかることもあります。企業側は一時的にその経費の全額を工面しなければならないので、注意しておきましょう。

以上がメリットとデメリットです。
それぞれを確認した上で活用していきたいですね。

まとめ

ここまで人材開発支援助成金、とりわけ特定訓練コースについて解説をしててまいりました。
人材開発支援助成金は、支給条件や申請手順を理解してうまく活用することができれば、費用負担を抑えて社員教育を行うことができるため、企業と社員の両方にとってメリットの多い制度です。しかし、申請には手間と時間がかかる上、対象者や訓練内容により受給できる金額も様々であるなど、複雑でわかりにくい点もあるかと思います。難しさを感じる場合には、労働局などの相談窓口も利用しながら申請方法などを事前に確認し、自社での活用を検討してみてください。

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