研修グループワークのおすすめテーマ・ゲーム事例と成功する進め方
企業の研修において、ぜひとも実践したいのが「グループワーク」です。座学でのインプットだけでなく、グループワークを行うことによって、協力しながら課題を解決する実践的な力を身に付けることができます。
ただ、一口にグループワークといっても様々な種類や進め方があり、「自社の課題に合ったテーマがわからない」「受講者のモチベーションが上がらない」とお悩みの人事・教育担当者も少なくありません。
そこで本記事では、グループワークの基本と代表的な種類、目的別のおすすめテーマ事例、そして現場で成果を出すための「進め方のポイント」について詳しく解説します。
この記事で分かること
- 研修におけるグループワークの目的と得られるメリット
- 受講者がグループワークを嫌がる理由と、その解決策
- 目的・対象者に合わせたおすすめのテーマやゲーム事例
- オンライン(Zoom・Teams等)でも実施可能なワークとツール
- グループワークを成功に導くファシリテーションのポイント
目次
研修における「グループワーク」の目的とメリット
そもそもグループワークとは、社員を複数のグループに分け、共同のテーマに取り組みながら課題の達成を目指す取り組みです。チームの中で自分に与えられた役割を果たし、メンバーと協力しながら課題解決のプロセスを体験していきます。
研修にグループワークを導入する主なメリットは以下の通りです。
コミュニケーション能力の向上
グループワークでは、自分の意見を相手にわかりやすく伝える力や、他者の異なる意見を傾聴し受け入れる力が養われます。多様な価値観を持つメンバーと議論を交わすことで、普段の業務では関わりの薄い相手ともスムーズに意思疎通を図るトレーニングになります。
また、オンライン環境下でのワークであれば、チャットや画面越しならではのコミュニケーションスキルを磨くことも可能です。
主体性と協調性の育成
与えられた課題に対し、チームで協力して答えを導き出す経験は、現場でのチームプレーに直結します。個人の力だけでは解決できない問題に直面した際、自ら率先して動く「主体性」と、周囲と歩調を合わせてプロジェクトを前進させる「協調性」のバランスを実践的に学ぶことができます。
適性や人柄の把握
人事や教育担当者にとって、グループワークは受講者のスキルやパーソナリティを深く知る絶好の機会となります。一人ひとりのリーダーシップやフォロワーシップ、思考のプロセス、プレッシャー下での振る舞いなどを観察することで、配属先の決定や今後の育成プランの策定に役立てることが可能です。
なぜ「グループワーク研修は嫌い・無意味」と言われるのか?
受講者アンケートなどで「グループワークは嫌い」「疲れるだけで無意味だった」といったネガティブな感想を目にしたことがあるかもしれません。特に新入社員や若手社員がグループワークを「つらい」「苦手」と感じるのには、明確な理由があります。
目的が不明確で「やらされ仕事」になっている
「なぜこのワークをやるのか」という根本的な目的が共有されていない場合、受講者はただ時間を消費するだけの「やらされ仕事」と感じてしまいます。業務直結のスキルが身につくのか、それともチームビルディングが目的なのかが曖昧なまま進行すると、参加意欲は著しく低下し、「通常業務をしていた方がマシだった」という不満に繋がります。
心理的安全性が低く発言への恐怖感がある
初対面のメンバーが多かったり、社内の上下関係がそのまま持ち込まれたりしていると、心理的安全性が確保されません。「的外れなことを言ったらどうしよう」「否定されるのが怖い」というプレッシャーから活発な議論が生まれず、沈黙が続く息苦しい時間になってしまいます。
発表へのプレッシャーが強い
グループの代表として全体の前でプレゼンテーションを行うことは、人前で話すのが苦手な受講者にとって大きな苦痛を伴います。特に「うまく話せなかったら評価が下がるのではないか」という不安から、ワークそのものを楽しむ余裕がなくなり、強いストレスを感じる原因となります。
一部のメンバーに負担が集中し孤立する人が出る
役割分担が適切に機能していないと、自己主張が強い人や声の大きい人だけで議論が進んでしまう傾向があります。結果として、意見を言い出せないメンバーが孤立してしまい、「自分は参加しなくても同じだった」と無力感や無意味さを抱えて研修を終えることになります。
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研修向けグループワークの主な種類と手法
グループワークには、大きく分けて以下の3つの種類があります。目的や対象者のレベルに合わせて使い分けることが重要です。
1. プレゼン型
用意された課題に対してディスカッションを行い、プレゼンのような形で結論を発表するタイプのグループワークです。模造紙やホワイトボードを使ってグループの答えをまとめます。議論を行う中で、個々の論理的思考力やコミュニケーション能力を測ることができます。
プレゼン型はさらに「自由討論型(フリーディスカッション)」と「ディベート型」に分かれます。自由討論型は自由度が高いテーマが選ばれるため意見が分散しやすく、相手を納得させるプレゼン力やまとめる力が試されます。一方、ディベート型は「メンター制度は導入すべきか?」といった賛否が分かれるテーマに対し、自身の意見を論理的に説明する力が求められます。
2. 作業型
議論のほかに、具体的な「作業」が発生するタイプのグループワークです。例えば「ホームページやチラシを作る」といった内容があります。作業型の場合は、議論だけでなく作業にあてる時間配分も考える必要があるため、時間感覚やコスト感覚、貢献性、スキルなどを判断するのに役立ちます。
3. ビジネスゲーム・没入型
特定のシチュエーションを設定し、ゲーム感覚で取り組むワークです。ルールや制約が設けられており、楽しみながらもチームビルディングや合意形成の難しさを学ぶことができます。研修の序盤など、アイスブレイクを兼ねて行われることも多い手法です。
【目的・対象別】おすすめの研修グループワークテーマ・ネタ一覧
対象者や目的に合わせた具体的なグループワークのおすすめネタをご紹介します。自社の課題に合わせて最適なものを選んでみてください。
新入社員・若手向けテーマ(プレゼン型・作業型)
新入社員研修や若手社員のフォローアップ研修では、対象者のビジネスリテラシーに合わせたテーマ設定が重要です。自社や業務への理解を深めるものから、論理的思考を鍛えるものまで幅広く活用できます。
テーマ名 | 種類 | 概要・期待できる効果 |
|---|---|---|
自社の業界は5年経つとどのように変化するか? | プレゼン型 | 未来のことなので正解はわかりませんが、これまでの変化などを参考にある程度考察し予想します。 |
無人島に持っていくアイテムを3つ選ぶなら? | プレゼン型 | 自由討論型の定番テーマです。 |
架空の商品PRチラシの作成 | 作業型 | ターゲットや訴求ポイントを議論し、実際にペーパーやツールを使ってチラシを作成します。 |
業務効率化のアイデア立案 | プレゼン型 | 実際の現場での課題を想定し、その解決策を提案します。 |
理想の働き方・キャリアパスとは? | プレゼン型 | 若手社員の価値観を共有し、互いのビジョンを知ることで、会社へのエンゲージメントを高める効果が期待できます。 |
コミュニケーション・チームビルディング向けゲーム
チーム内のコミュニケーション活性化や、相互理解を深めるのに最適なゲーム形式のワークです。研修の序盤や、中だるみしやすい午後の時間帯に盛り込むと効果的です。
ゲーム名 | 種類 | 概要・期待できる効果 |
|---|---|---|
NASAゲーム | プレゼン型(合意形成) | 月に不時着した船員であると想定し、船に残った15のアイテムの中から何を持っていくのか話し合いながら決めるゲームです。 |
ペーパータワー | 作業型 | A4用紙を20~30枚程度用意し、その紙を使って最も高い自立するタワーを作って競うゲームです。 |
バースデーライン | 没入型(非言語) | 話をしたり筆談をしたりすることなく誕生日順に並ぶゲームです。 |
マシュマロチャレンジ | 作業型 | 乾燥パスタ、テープ、ひもを使い、頂上にマシュマロを置いた自立可能なタワーの高さを競います。 |
謎解き・脱出ゲーム | 没入型 | チームで協力して会議室内に隠された暗号や謎を解き明かします。 |
オンライン(Zoom・Teams)対応ワーク・ツール
昨今のWeb研修やオンライン研修でもグループワークは十分に実施可能です。ブレイクアウトルーム機能を活用し、オンラインならではのツールを組み合わせて進行します。
ワーク・ツール名 | 種類 | 概要・期待できる効果 |
オンライン・ブレインストーミング | プレゼン型 | Googleドキュメントやオンラインホワイトボード(Miro、Jamboard等)を利用し、リアルタイムでデジタルの付箋を貼り付けてアイデアを出します。 |
オンライン合意形成ゲーム | プレゼン型 | 「砂漠からの脱出」など、NASAゲームのオンライン版にあたるワークです。 |
共通点探しゲーム | コミュニケーション | グループ内で話し合い、制限時間内にできるだけ多くの「メンバー全員の共通点」を見つけるゲームです。 |
オンライン謎解きゲーム | 没入型 | ブラウザ上で展開される謎解きを画面共有しながらチームで進めます。 |
研修グループワークを成功させる進め方のポイント
グループワークを「意味がない」「疲れる」ものにしないためには、研修運営側の進行(ファシリテーション)が鍵を握ります。現場で高い効果を生むための具体的なポイントを解説します。
1. 目的の事前共有を徹底する
ワークを始める前段階で、「なぜこのテーマを行うのか」「終了後にどうなっていてほしいのか」を研修担当者が丁寧に説明します。たとえば「このワークでは論理的に相手を説得する力を養います」「今回は正解を出すことよりも、全員が意見を出し合う過程を重視します」といった具合です。ゴールが明確になることで、受講者のモチベーションとワークの質が飛躍的に向上します。
2. 役割分担を明確化させる
グループ内で「リーダー」「タイムキーパー」「書記」「発表者」などの役割を明確に割り振ります。役割があることで「自分がチームに貢献しなければならない」という当事者意識が芽生え、特定の人のみが発言する状況を防げます。また、オンライン研修の場合は「画面共有係」などを設定すると、よりスムーズに進行します。
3. 発表が苦手な受講者への配慮を行う
グループワークの集大成であるプレゼンテーションにおいて、発表が苦手な受講者に無理に大役を負わせるのは避けるべきです。講師やファシリテーターは、発表の出来栄えだけでなく、書記としてきれいに意見をまとめたことや、タイムキーパーとして時間を管理したことなど、プロセス全体をしっかり評価してフィードバックを行いましょう。これにより、受講者の自己肯定感と研修への満足度が高まります。
4. 振り返り(リフレクション)の時間を設ける
ワークが終了した後は、すぐに次のカリキュラムに移るのではなく、「うまく進んだ点」「改善すべき点」「実務にどう活かせるか」をチーム内で振り返る時間を必ず確保します。客観的に自分たちの行動を分析することで深い気づきが得られ、グループワークが単なる「楽しいゲーム」で終わらず、現場で役立つ実践的な学びに昇華されます。
まとめ:目的と対象者に合ったグループワークで研修効果を高めよう
グループワークを実践することにより、短期間でコミュニケーションが取りやすくなり、実践的なスキルが身につきます。特に新入社員や若手社員のコミュニケーション不足や主体性の欠如を感じた際は、研修でグループワークを実践することについて検討してみてはいかがでしょうか。自社にとって最適なものを選択し、大きな研修効果を生み出しましょう。
株式会社PDCAの学校では、現場で成果を出すための実践的な指導を強みとしており、若手・新入社員教育や管理職向け現場マネジメント研修など、企業の課題に合わせた「目的別オリジナル研修」を展開しています。グループワークの設計やファシリテーション、研修の内製化でお悩みの人事・教育担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。