中小企業向けの人材・新入社員育成方法とは?課題解決のポイントや成功事例を解説
将来企業を支えてくれる大切な存在である新入社員は、しっかりと育成していかなければなりません。ですが具体的な育成方法がわからず、悩んでいる中小企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、中小企業が新入社員をはじめとする人材の育成に対して抱えやすい課題や、具体的な育成方法について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 中小企業が人材・新入社員の育成で抱えやすい課題
- 効果的に人材を育成するための6つの具体的な方法
- PDCAを定着させる人材育成の成功事例
- 育成費用に活用できる助成金・補助金制度
目次
中小企業が人材・新入社員の育成に抱える課題
中小企業が新入社員の育成をしようと考えた際、抱えやすい課題としてはどのようなものがあるのかについて解説します。
人手不足で育成に手をかけられない
多くの中小企業では、指導役となるべき先輩社員や上司が自らの実務を抱えており、教育に十分な時間を割けないのが実情です。大企業と比較して一人あたりの業務範囲が広いため、日々の業務に追われてしまい、「育成したい気持ちはあっても、教える余裕がない」という構造的なジレンマに陥っています。
育成体制が整っていない
人材育成を体系的に行うためには、社内に一貫した育成ノウハウやカリキュラムが必要です。しかし、多くの中小企業では人材育成に関する専門的な知識を持っている人がおらず、教育を担当できるのが現場の直属の上司や一部のベテラン社員のみというケースが少なくありません。このような属人的な環境では、教える人によって指導内容や評価基準にばらつきが生じやすくなります。
また、担当者が自身の業務で忙しい時には新入社員が放置されて孤立してしまうリスクもあり、結果として組織全体での育成がスムーズに進まない要因となっています。
育成予算がない
中小企業の場合は、大企業に比べて育成の予算の問題も発生しやすいです。十分な予算を捻出することができないと育成のための研修なども行いづらく、特に外部研修ができないケースがあります。
自社の研修会場がある場合は多少費用を抑えることはできますが、そうでない場合は予算不足の関係で育成が進まないケースも多いです。
中小企業で人材(新入社員)を効果的に育成する6つの方法
新入社員の育成に抱える課題についてご紹介しましたが、その中で中小企業が新入社員の育成を行うにはどうすれば良いのでしょうか。効果的な方法について解説します。
1. 育成体制を整備する
まずは育成体制を整備することから始めましょう。育成は教育担当者や現場の誰か1人に任せきりにするのではなく、職場全体で取り組んでいくことが重要です。
具体的には、「入社3ヶ月後には1人で〇〇ができるようになる」といった明確な育成計画書(スケジュール)を作成し、部署全体で共有します。
また、業務を教える教育担当とは別に、メンタル面のサポートや悩みを相談できる「メンター(相談役)」を年齢の近い先輩社員に任せるメンター制度の導入も効果的です。どのような形で新入社員を支援していくのかあらかじめ話し合っておきましょう。
2. 業務のマニュアル化
何度も同じことを教える手間を省くため、マニュアル化できる部分については積極的にマニュアルを作成するのがおすすめです。
例えば、電話応対の基本フレーズや、システムへのデータ入力手順、備品の発注方法など、「よくある質問」や「定型業務」から優先してマニュアル化していきましょう。その際、教える側視点ではなく教わる側の視点(新入社員がどこでつまずくか)でマニュアルを作成すると、新入社員にとってわかりやすいマニュアルを作ることができます。テキストだけでなく、実際の画面キャプチャ(画像)やスマートフォンの動画を活用するのも効果的です。
また、マニュアル作成時は業務の手順だけでなく、「なぜそうなるのか」「なぜそれが必要なのか」についても意識して作成しましょう。
3. 課題を与えてフィードバックする
ただ横で仕事を見せるだけでなく、フィードバックによって理解度を高めていくのも効果的な育成です。いきなり大きな仕事を任せるのではなく、まずは「会議の議事録の作成」や「簡単なデータ入力」といったスモールステップ(小さな課題)を設定します。 繰り返し課題を与えてフィードバックすることによって課題を把握したり、モチベーションをアップにつなげたりすることもできます。
「ここは正確にできていて良かった」「次はもう少しスピードを意識してみよう」と、良かった点と改善点をセットで伝える(ポジティブなフィードバック)ことで、新入社員は安心して次の業務に取り組むことができます。
4. eラーニングシステムの活用
教育リソースや時間が不足している場合は、eラーニングシステムも積極的に活用していくと良いでしょう。ビジネスマナーやコンプライアンスの基礎、ITリテラシーといった共通の学習内容は、社内でゼロから教えるよりも外部のシステムを利用したほうが効率的です。
集合研修とは異なりインターネットを利用して学習ができるので、モバイル端末を活用すればいつでもどこでも学習できるのが魅力です。自分のペースで学ぶことができますし、学習者の進捗管理もしやすくなるので、誰がどこまで理解しているのかも把握できます。学習後に簡単な小テストやレポート提出を設けることで、知識の定着度を確認できます。
無料で学べるEラーニング 全4章「新入社員研修」
お申込いただいた方へ、以下のコンテンツの動画とテキストを納品いたします。無料とは思えないほど大量にコンテンツがございます。超実践!ビジネスマナー第一印象で差をつける!表情、挨拶、敬語などの基本動作お客様との対応力を高める!名刺交換、訪問、来客対応の仕方業務効率向上!ホウレンソウ(報連相)報連相の基本で差をつける!報告・連絡・相談の基礎業務中にミスをした場合の報告・連絡・相談シミュレーション絶対関係構築!コミュニケーションコミュニケーションで差をつける!信頼関係を構築する3つのスキル相手の発言から意図を汲み取る!理解力浸透トレーニング限定コンテンツ〜番外編 最短で信頼関係を構築する方法クレームをファンに変える!顧客対応クレームのメカニズムを学ぶ対応力で差をつける!苦情をファンに変える方法実際のクレーム事例をもとにしたクレーム対応シミュレーション 入社したばかりの社員にまず覚えてほしいビジネスマナーや業務の基本である報連相、コミュニケーション、クレーム対応など、実用的で役立つ情報を動画で学ぶことができます。Eラーニングだからスマホからも閲覧可能です! ーこちらも何かお役立ていただければ幸いですー記事:そもそも、階層別研修はなぜ必要なのか?動画:新入社員を育てる研修「ビジネススキル研修」ダイジェスト無料研修体験:20代社員の行動をガラッとかえる3時間オンライン研修
5. マネジメント層に対する教育
教育する立場になるマネジメント層(管理職やOJT担当者)に対する教育を行うことも重要です。「名プレイヤーが必ずしも名コーチとは限らない」と言われるように、自分が仕事ができることと、人に教えるスキルは異なります。
また、育成の方法や重要性についてマネジメント層が正しく理解していないと、適切な形で教育ができない可能性があります。昔ながらの「見て盗め」という指導ではなく、現代の若手の価値観に合わせた「傾聴」や「承認(コーチング)」のスキルが求められます。
マネジメント層を集めて受け入れ体制を構築するための研修などを行うのも効果的です。
6. 国のガイドラインや支援ツールを活用する
「何から手をつければいいか全くわからない」という場合は、公的な機関が提供している情報を活用するのも一つの手です。
例えば、中小企業庁が提供している「中小企業・小規模事業者人材活用ガイドライン」や各種「人材確保支援ツール」、厚生労働省の「人材育成事例集」などは、自社の育成方針を策定する際の有用な参考資料となります。これらのサイトで他社の成功事例を読んだり、提供されている育成計画書のフォーマットをダウンロードして自社用にアレンジしたりするだけでも、育成体制づくりの大きな第一歩となります。
育成費用・コスト課題には「助成金・補助金」を活用しよう
中小企業の中には費用の問題があり、新入社員の育成に取り組めないケースがあります。そういった場合は、助成金を活用してみてはいかがでしょうか。社員の教育や育成のためにかかるコストを支える助成金制度が用意されています。
新入社員の育成費用を支援してくれる制度として代表的なのが、厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。訓練コースの一部(旧:特定訓練コース、一般訓練コースなど)は、現在「人材育成支援コース」等に統合・整理されていますが、企業のニーズに合わせた職業能力開発支援という目的は変わりません。実施する訓練や取り組みによって選択できるコースや支給率が異なります。基本は座学が認められる形になりますが、一部はOJT(職場内訓練)を組み合わせた訓練も認められているので役立ててみてはいかがでしょう。助成金は返金の必要もないので条件に該当する場合は活用してみるのがおすすめです。
ただし、注意点として助成金の要件には、事前の計画書提出や、支給申請時に適切な労働管理(出勤簿や賃金台帳の整備)がなされていることなどが求められます。気軽に導入して途中で廃止することが難しい場合もあるため、その点も含めて自社で利用可能か十分に検討しましょう。また、国だけでなく各都道府県や市区町村が独自に実施している「中小企業人材育成支援事業補助金」などの制度が設けられている場合もあります。
まとめ:計画性を持って中小企業の人材育成に取り組もう
中小企業は大企業に比べて人材を大量に採用することも難しく、獲得した新入社員は大切に育成していく必要があります。指導する立場の人間が少ない、教育体制が整っていないなどの問題を抱えている中小企業もありますが、一つずつ問題を解決していくための取り組みを行いましょう。場合によっては補助金や助成金を役立てることもできるので、費用面でのメリットが大きい場合は活用してみるのもおすすめです。
「自社に合った実践的な研修を取り入れたい」「現場で成果を出す若手を育てたい」とお考えの中小企業様は、ぜひ一度『PDCAの学校』の研修・伴走型コンサルティングをご検討ください。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。

