内定式のプログラム(式次第)とは?基本の内容から時間、テンプレートまで
10月1日は、多くの企業で内定式が行われます。内定式は、企業が内定者に正式に内定を通知する行事です。しかし、ただ内定を通知するだけでなく、実際に働くイメージを持ってもらったり、入社へのモチベーションを維持したりするのも内定式の目的の1つです。
内定者の記憶に残り、入社へのモチベーションを維持してもらうためには、内定式の意義を理解し、式のコンテンツを工夫する必要があります。
この記事では、内定式の基本、開催方法、入社式との違い、内定者の記憶に残るためのコンテンツなどについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 内定式の基礎知識(開催の目的・時期・入社式との違い)
- 内定式を開催するメリット・デメリット
- 一般的なプログラム(式次第)の流れと所要時間
- 実務ですぐに使える内定式のタイムスケジュールテンプレート
- 記憶に残る内定式プログラムを企画・運営するためのポイント
目次
内定式とは?目的や時期、入社式との違い
内定式とは、企業が正式に内定を通知する場のことです。
現在は政府が主導する就職活動ルールによって、10月1日以降に正式な内定通知を出すことが推奨されています。そこで、内々定を出していた学生に対し「採用内定書」を発行し、それと引き換えに「入社承諾書」を受け取る式典が「内定式」です。
一般的に内定式は、10月1日に開催されます。ただし、土日などに該当する場合は、翌営業日に開催される企業もあります。
内定式を行う理由
内定式は、内定者に内定を正式に通知するための行事です。内定式や懇親会などを通じて、内定者が会社の雰囲気をつかんだり、入社へのモチベーションを高めたりする効果もあります。
売り手市場と言われている今、学生の中には複数の企業から内々定をもらっている人も少なくありません。しかしそんな学生も、最終的には入社する会社を決めなくてはなりません。そこで内定式を開催することで、「入社意志の最終確認」を行ない、誓約書を交わします。
企業側は学生のグリップを握るため、これを一番の目的として、内定式を実施します。
内定式はどのように開催する?
従来の内定式は、自社の会議室や外部の貸し会議室、ホール、ホテル、宴会場などを利用して、対面で行うことが一般的です。会社の雰囲気を実際に感じられるほか、社員や同期のメンバーとスムーズに顔合わせを行える点がメリットです。
一部の企業では、内定式をオンラインで開催するケースもあります。
2024年に実施された株式会社学情のアンケート調査によると、約9割の企業が対面形式で内定式を実施することが分かりました。オンラインでの開催は、会場の手配にともなう負荷が減らせるというメリットがある一方で、コミュニケーションに課題を感じる企業も多いようです。
また、対面とオンラインとを併用するケースもあります。社長挨拶などの式典はオンラインで行い、懇親会などは対面で行うケースです。対面とオンライン、それぞれのメリットを活かすことができます。
内定式と入社式の違い
内定式は、内定を正式に通達するための行事です。内定者が企業の雰囲気を掴んだり、入社のためのモチベーションを高めたりするために行います。
入社式は、新入社員の入社を企業が迎え入れるための行事です。企業文化や理念への理解を深めるほか、研修や配属の説明を受けることもあります。また、入社式にあわせて雇用契約書を交付するなど、入社のために必要な手続きを行う場でもあります。
内定式のメリット・デメリット
次に内定式を実施するメリットやデメリットについて説明します。
採用内定書を渡し、内定承諾書を受け取るだけなら、わざわざ内定式を開催する必要はありません。内定式を開催するため、会場費や人件費や学生の交通費などさまざまなコストも発生します。だからこそ内定式を実施する際には、メリット・デメリットを充分に理解したうえで、効果を最大化する必要があります。
内定式のメリット
内定式には、以下のようなメリットがあります。
- 企業理解を深められる
- 社員と内定者の距離を縮められる
- 内定者の不安を払拭できる
それぞれ詳しく紹介します。
メリット1. 企業理解を深められる
内定式では、企業のトップが経営理念やビジョンを語ったり、人事担当者が会社のことを改めて説明するプログラムを含めるケースがあります。そのような機会を設けることで、企業への理解を深められる点がメリットの1つです。
特に新卒採用の場合、内定者は基本的に社会人としての経験がなく、どの企業にも属したことがない「白紙」な状態と言えます。色がついていないからこそ、企業の文化を浸透させやすい状態ともいえます。内定式を活用することで、早い段階から企業文化を浸透させられるでしょう。
メリット2. 社員と内定者の距離を縮められる
内定式は、内定者と社員が直接顔を合わせられる貴重な機会です。内定者の表情を見ながら、社員からのメッセージを発信したり、入社までにしておいてほしいことや入社後に期待することを伝えることができます。
また、内定者からの質問など生の声を聞くことで、相互理解を深められるだけでなく、一体感を高めるという効果も期待できるでしょう。内定者同士がコミュニケーションを取ることができるのも魅力の1つです。
メリット3. 内定者の不安を払拭できる
学生にとって、就職先を決めるというのは人生の一大イベントです。近年では、採用活動の開始時期が早まり、内定から入社までの期間が長期化することによって、内定後も不安を感じる学生が増えています。
学生は内定が決まった後も、翌年の入社までにさまざまな不安を抱いています。「もっと他に良い選択肢がないだろうか」「自分が本当に活躍できるだろうか」など揺らぐ方もいるでしょう。
だからこそ内定式を開催し、学生たちに励ましのメッセージを伝えたり、活躍している社員の姿を見せたりすることで、内定者の不安を払拭できるという効果を期待できます。
新卒採用を成功に導くための重要なポイントとは
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内定式のデメリット
さまざまなメリットのある内定式ですが、一方で以下のようなデメリットもあります。
- 人件費や会場費などのコストがかかる
- 内定式後に採用した学生との差が出る
内定式の開催を計画する際は、デメリットも考えたうえで検討しましょう。ここでは、それぞれのデメリットについて解説します。
デメリット1. 人件費や会場費などのコストがかかる
まずは、コスト面の問題です。内定式を開催すると、会場費や人件費、学生が遠方から来る場合は交通費も必要になります。さらに懇親会を行なう場合は、その費用も準備しなければなりません。
学生と企業側が直接顔を合わせる貴重な場なので手を抜くのも難しく、一定のコストがかかってしまいます。
試算例
内定者10名・社員10名(計20名)で都内開催した場合
項目 | 単価・計算式 | 金額の目安 |
|---|---|---|
会場費 | 外部の貸し会議室・宴会場(半日貸切) | 約100,000円 |
懇親会費 | 5,000円 × 20名 | 100,000円 |
交通費 | 10,000円 × 10名 | 100,000円 |
備品・雑費 | 内定証書、記念品代など | 20,000円 |
合計 | 約320,000円 |
デメリット2. 内定式後に採用した学生との差が出る
内定式を実施するのは、一般的に10月1日以降です。通年で採用活動を行なっていたり、内定式以降も採用活動を継続したりしている企業の場合、内定式後に採用した学生にはフォローの場となる内定式がありません。そういった場合、内定式に参加した内定者とそうでない内定者の間に、企業理解度やモチベーション、意識度合の差が生じてしまう可能性があります。
内定式の一般的なプログラム(式次第)と所要時間
内定式でなにをやるのか、時間がどれくらいなのかは内定者が気にするポイントです。内定式の一般的なプログラムは、以下の通りとなります。
- 社長や取締役など経営層による挨拶
- 内定証書の授与
- 社員代表からの挨拶
- 人事による入社までのスケジュール・手続き説明
- 事業内容、業務内容の説明
- 内定者による自己紹介
- 懇親会
内定式自体は1〜2時間程度で終え、内定式の後に懇親会を行うのが一般的です。
内定式の主なプログラム内容と進行のポイント
内定式を開催するにあたって、一番頭を悩ませるポイントは内定式のコンテンツではないでしょうか。ここからは、内定式のコンテンツについて説明していきます。
内定証書(採用内定書)の授与
まずは、内定証書(採用内定書)の授与です。内定者の人数にもよりますが、一人ひとり名前を読み上げて授与するケースもあれば、代表者を決めておいて授与するケースもあります。
社長・役員からのあいさつ
続いて「社長や役員からのあいさつ」です。内定者に向けて、社長や役員、人事からのあいさつを行なうことがあります。
あいさつの内容は企業によってそれぞれですが、新しい仲間に対する歓迎のメッセージ、入社後に期待すること、残りの学生生活でやっておいてほしいことなどを話すことが一般的です。
事業内容の説明
内定者に対して、改めて事業内容を説明する企業もあります。就職活動中に企業研究をしているとはいえ、事業内容や業務内容の理解がまだまだ不十分なケースも少なくありません。
社会人として働くことを意識づけるため、改めて詳しい説明をしたり、職場見学をしたりすることがあります。
内定者の自己紹介
内定者にとっても、他の内定者に会うのはこの日が初めてということも多いです。そのため内定者の自己紹介を内定式で行なうこともあります。内定者にとっては自分のことをアピールできる良い機会ですし、一緒に働く同期を知る場として有効です。
人事担当者としては、内定者が入社後に活躍できるよう、一人ひとりの考えや想いをしっかり受け止め、タイプを見きわめる機会としても活かせるのではないでしょうか。
内定者懇親会
内定者懇親会も、内定式の定番のコンテンツとなっています。社長や役員からのあいさつ、事業内容の説明、自己紹介などを通じて、内定者一人ひとりのモチベーションも上がっているでしょう。そのタイミングで同期となる内定者同士で話し合うことによって、自社に対するロイヤルティを向上させることができるでしょう。
食事会や立食形式の懇親会など、形式はさまざまです。
先輩社員との交流会
内定者懇親会と同時に行なうこともありますが、先輩社員との交流会を行なうことが多いです。ここで大切なのが、内定者が「こんな先輩みたいになりたい」「こんな風に成長できるんだ」と感じられるロールモデルとなるような人材に参加してもらうことです。
内定者の年齢に近い若手の活躍社員に参加してもらえるよう、予めスケジュールをおさえておきましょう。
他にも、最近はユニークなコンテンツを実施されている企業様もいらっしゃいます。仮装パーティー形式にしたり、バンジージャンプを飛んだり、内定式の形もさまざまです。
すぐに使える!内定式のプログラム(式次第)テンプレート
実務ですぐに活用できるよう、一般的な内定式(所要時間1時間半〜2時間程度)のタイムスケジュール例をご紹介します。オフライン・オンラインどちらでもベースとして応用可能です。自由にカスタマイズしてご活用ください。
時間 | プログラム内容 | 進行・準備のポイント |
|---|---|---|
13:00〜13:05 | 開会の辞 | 司会(人事担当者など)が歓迎の意を伝えます。 |
13:05〜13:15 | 社長・役員挨拶 | 内定者への期待や企業ビジョンを簡潔に伝えます。 |
13:15〜13:25 | 内定証書の授与 | 人数が多い場合は代表者1名に授与します。 |
13:25〜13:40 | 事務連絡・スケジュール説明 | 入社までの流れや提出書類について案内します。 |
13:40〜13:45 | 閉会の辞・休憩 | 一度式典を締め、リラックスできる雰囲気に切り替えます。 |
13:45〜14:15 | 内定者自己紹介(アイスブレイク) | 1人1分程度。趣味などを交えると盛り上がります。 |
14:15〜15:00 | 懇親会・先輩社員との交流 | 飲食を伴う歓談や、少人数のグループワークなどを実施します。 |
新卒採用を成功に導くための重要なポイントとは
▼ このような方にオススメです母集団がお模様に形成できない。行き当たりばったりの採用となっており、人材が定着しない。入社後早期での離職に悩む。多くの企業が「採用」に力を入れる一方で、入社後の教育・研修体制の準備が不十分なために、せっかく採用した新卒が定着せず、早期離職や高い離職率という課題を抱えている現状があります。その根本的な原因を✅「採用がゴールになっている」✅「教育を教育のプロではない社員に任せている」といった観点から掘り下げたうえで、新卒の教育を成功させ、定着率を高めるための5つのポイントを、アンケートデータなどを交えて具体的にご紹介します。新卒の定着率向上や研修体制の構築に課題を感じている企業の担当者様、次の一手を検討する際の判断材料としてご活用ください。
記憶に残る内定式プログラムを企画するためのポイント
次に「記憶にも記録にも残る内定式」を作るために大切なポイントを説明していきます。
ポイント1. 目的の明確化
まずは、内定式の目的を明確にすることが大切です。目的なく内定式を開催しても、狙っていたような成果を挙げることはできません。
ここまでに解説した通り、具体的には以下のような目的で内定式を開催します。
- 入社意志の最終確認と内定者の確保
- 働くイメージの醸成と企業理解を深めること
- 社員や同期との距離を縮め、一体感を高めること
- 内定者の不安払拭と辞退の防止
- 入社に向けた双方の準備
まず目的を明確にすることで、プログラムの中身を検討しやすくなります。
ポイント2.マンネリ化を防ぐユニークなプログラムの導入
前述の目的の明確を行うことで、実施すべきコンテンツが見えてきたら、具体的なプログラムを検討しましょう。
特にオンライン内定式などを実施する場合、会社側から一方的に発信するだけのコンテンツになってしまうと、内定者のモチベーション向上を図ったり、相互理解を深めたりすることが難しくなります。
たとえば、社長からのメッセージを対話形式に変更してみる、研修も座学からワークへと移行してみる、企業理解を深めるための資料を動画化するなど、新しい時代にマッチした内容に見直していくことが必要です。
ポイント3.参加する先輩社員(会社側)の慎重な人選
内定式では、先輩社員が参加し、挨拶や業務の説明などを行います。参加する先輩社員も内定者の記憶に残る重要なポイントとなるので、慎重な人選を行いましょう。
明るくユーモアのある社員に参加してもらい、場を盛り上げることで内定者にポジティブなイメージを持ってもらいやすくなります。また、業務内容をわかりやすく説明できる先輩社員も内定式の人選としておすすめです。
内定者と年齢の近い若手〜中堅社員は、内定者のロールモデルとなり、社内でのキャリア形成のイメージをもってもらいやすくなります。先輩社員本人やその上司とよく相談し、調整を行うことが重要です。
ポイント4.時間配分の徹底と事前リハーサルの実施
どんなに素晴らしいプログラムでも、進行が間延びしてしまうと内定者の集中力や満足度は下がってしまいます。各プログラムの時間配分を細かく設定し、予定より延長しないよう徹底することが重要です。また、オンライン開催時の通信トラブルや、当日のスムーズな進行を担保するために、司会進行役や登壇する役員・先輩社員を含めた事前リハーサルを必ず実施しておきましょう。
ポイント5. コミュニケーションを促すチームビルディングの導入
内定式は、ユニークさだけではなく、会社や先輩社員、同期となる内定者同士の繋がりを作ることが重要です。
内定者同士が集まってワークショップやチームビルディングを行うことで、一体感が生まれ、内定辞退の防止やモチベーション向上の効果が期待できます。
たとえばクイズ大会や人狼ゲームなどのゲームを取り入れることで、参加者がリラックスして楽しみながら交流できます。自然なコミュニケーションが生まれ、自社への帰属意識を高める効果も期待できるでしょう。
まとめ:自社に最適な内定式プログラムで内定者の不安を払拭しよう
内定式は、内定者に正式に内定を通知するための行事です。内定式を行い、企業理念や事業内容、会社の雰囲気などを内定者に伝えることで、入社へのモチベーションを保つ効果が期待できます。
内定式では、社長や経営層からの挨拶だけでなく、先輩社員や内定者同士の交流会、グループワークなどを設けることで帰属意識を高められます。内定者の記憶に残る内定式にするために、コンテンツを工夫することが重要です。
入社後の研修を通じて会社に定着してもらうことも重要となります。研修の内製やOJTに課題を感じている場合は、外部のサービスを利用するのもおすすめです。「PDCAの学校」では、新人・若手向けビジネススキル研修を提供しています。上司や管理職も巻き込み、研修で学んだことの定着を支援しています。人材育成の伴走型支援をご希望の場合は、ぜひ「PDCAの学校」にお問い合わせください。
浅井 隆志
代表取締役
現場変革のスペシャリスト。PDCAの学校代表 浅井隆志 KDDI、スバル、SoftBank等の大手企業をはじめ、全国で精力的に講演・研修活動を展開。新聞や雑誌など数多くのメディアでも取り上げられ、全国から講演依頼が殺到。「現場で成果を出すための実践的な指導」に定評がある。

