フォロワーシップ強化で実現する高パフォーマンス組織の作り方 – 効果的な社員研修のポイント
2025.04.03

フォロワーシップの理解と組織における重要性
ビジネスの世界では長らく「リーダーシップ」に焦点が当てられてきましたが、近年「フォロワーシップ」という新たな概念が注目を集めています。
フォロワーシップとは、主体的にリーダーやチームをサポートし、組織目標の達成に貢献する姿勢や能力です。
多くの企業が社員研修においてリーダー育成に力を入れる一方、フォロワーの育成は見過ごされがちです。しかし、強い組織を作るには両方の質を高める必要があります。
フォロワーシップの基本概念
フォロワーシップとは単に「従う」ことではありません。
チームの目標達成のために積極的に貢献し、建設的な意見を述べ、リーダーと協働する姿勢です。リーダーシップとフォロワーシップは補完関係にあり、効果的な組織ではメンバーが状況に応じて両方の役割を切り替えられます。
◆優れたフォロワーの特徴:
✅ 主体性と当事者意識
✅ 批判的思考と建設的なフィードバック能力
✅ 組織目標への強いコミットメント
✅ チーム協力と高い自己管理能力
組織における重要性
一般的に、フォロワーシップが強い組織では、以下のような効果が見られると考えられています。
期待される効果 | 詳細 |
---|---|
チームパフォーマンスの向上 | リーダーの弱点を補い、分散型リーダーシップで効果的なチーム運営が期待できる |
健全な組織文化の形成 | メンバー間の相互尊重と信頼が育まれやすく、風通しの良い組織風土につながる可能性がある |
イノベーションの促進 | 多様な視点が尊重される環境では、様々なアイデアが生まれやすいとされている |
変化への適応力向上 | ボトムアップの意見も取り入れられやすく、環境変化への対応力が高まる傾向にある |
フォロワーシップを強化する社員研修の設計と実践
従来の社員研修の限界
多くの社員研修はリーダーシップ開発に偏重しており、以下の問題があります。
✖ 組織の一部のみが成長し、全体の底上げにつながらない
✖ 「リーダーになること」だけが評価され、支援役の価値が過小評価される
✖ リーダーとフォロワーの間に壁を作り、チームワークを阻害する
このような問題を引き起こさないためには、社員研修の設計と実施において以下のアプローチが効果的です。
1. 包括的な育成視点の導入
組織全体を一つのシステムとして捉え、リーダーとフォロワーの双方を同時に育成することが重要です。
リーダーシップとフォロワーシップを相互補完的なスキルセットとして位置づけ、すべての従業員がどちらの役割も担えるような研修を設計しましょう。これにより、組織全体の底上げが可能になります。
2. 多様な貢献の評価基準の確立
リーダーシップだけでなく、チームへの多様な貢献方法を明確に評価する仕組みを整えることが大切です。
パフォーマンス評価において「効果的なフォロワーシップの発揮」を評価項目に含め、支援役の価値を正当に評価する文化を醸成しましょう。これにより、多様なキャリアパスが認知される環境が生まれます。
3. 役割の流動性を促進する環境づくり
プロジェクトごとにリーダーとフォロワーの役割を入れ替える機会を意図的に設けることで、すべてのメンバーが両方の視点を体験できます。この経験を通じて、リーダーとフォロワーの間の壁を取り除き、相互理解に基づいた真のチームワークが生まれやすくなります。
ロールローテーションやシャドーイング制度などの取り組みも効果的です。
効果的な研修プログラム
以下の表は、フォロワーシップを強化するための効果的な研修プログラムの主要要素をまとめたものです。
研修の焦点 | 具体的な手法 | 期待される効果 |
---|---|---|
主体性と当事者意識の育成 | ・アクションラーニング ・権限委譲の練習 ・意思決定プロセスへの参加体験 |
・自発的な問題解決能力の向上 ・責任感の醸成 ・組織への参画意識の強化 |
フィードバック能力の開発 | ・具体的なフィードバック手法の習得 ・「上手な異議の唱え方」のトレーニング ・効果的なコミュニケーション方法の理解 |
・建設的な意見交換の促進 ・チーム内の相互成長 ・リーダーへの適切なサポート |
チーム内コミュニケーション の強化 |
・アクティブリスニングのスキル習得 ・効果的な情報共有の実践 ・心理的安全性の構築 |
・相互理解の深化 ・情報の透明性向上 ・率直な意見交換の活性化 |
実践のためのステップ
1. 研修プログラムの設計
・組織の現状分析と目標設定
・段階的なプログラム構築
・多様な学習手法の組み合わせ
2. 効果測定の方法
・360度フィードバックの実施
・チームパフォーマンス指標の追跡
・具体的な行動変容の観察
3. 継続的な成長を促す仕組み
・フォローアップセッションの実施
・ピアコーチングの導入
・日常業務への統合
一般的に、フォロワーシップ研修は組織文化の一部として定着させることが望ましいとされています。
リーダー自身がフォロワーシップの価値を理解し、模範を示すことも重要です。
まとめ:組織変革への道
フォロワーシップは単に「従う」ことではなく、チームの目標達成に向けて主体的に貢献する能力です。一般的に、優れたフォロワーは組織のパフォーマンス向上、健全な文化形成、イノベーション促進、適応力強化に貢献する可能性があります。
多くの企業では従来の社員研修がリーダーシップに偏重している傾向がありますが、これを補完するためにフォロワーシップを取り入れたバランスの取れた研修が有効と考えられます。組織の状況に合わせた研修設計、適切な効果測定、継続的な成長の仕組みづくりが重要な要素となるでしょう。
フォロワーシップの考え方と社員研修を組み合わせることで、組織全体の協働性と対応力を高めていけます。今日から、あなたの組織でもフォロワーシップの価値について検討してみてはいかがでしょうか。
社員研修のトレンドを記事にてご紹介
⇒記事 https://pdca-school.jp/column/2693
研修は外部委託がいいのか?コンサルタントは必要なのか?
⇒記事 https://ameblo.jp/bunsyou-nlp/entry-10915216249.html
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